感情から逆算してアクションゲームを設計する方法

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April 8, 2019
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GDC Festival of Gaming
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感情から逆算してアクションゲームを設計する方法

TL;DR

まずユーザーに味わわせたい感情を目的として定め、その感情が生まれる条件からシーン、成長、難易度を逆算する。『Devil May Cry 5』では、挫折後の覚醒を強く印象づけるため、終盤まで力を制限し、最後のミッションで最大の力を与える構成を採用した。

Transcript

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Key Insights

  • ユーザーの感情は、ゲームデザインで最初に明確化すべき目的であり、機能、演出、物語はその感情を生み出すための手段である。
  • 目的と手段の区別は、特定の仕様を実装すること自体がゴールになる事態を防ぎ、同じ感情へ至る複数の設計案を比較可能にする。
  • 感情のライブラリーは、定番、伝統、流行、未経験のイベントなど多様な体験を重ね、そのときの感情を記憶することで充実する。
  • 想像と実体験の差分は、期待外れなら自分の優れた想像を、期待以上なら自分に不足していた要素を明らかにする設計資産である。
  • 感動の分析は、シーン、台詞、性格、共通体験、ポーズ、声などを分解し、何が欠けると感情が弱まるかを問う作業である。
  • 感情を直接生む要素と感情を増幅する要素は異なるため、両者を分けて分析することが、狙った反応の再現性を高める。
  • 『Devil May Cry 5』の構成は、挫折後の覚醒を強調するため、主人公の最大の力を最後のミッションまで与えない判断に基づく。
  • アクションゲームの達成感は、敵の行動を見切って攻略法を自力で発見し、練習を継続して突破する一連の流れから生まれる。

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Questions & Answers

Q: ユーザーの感情からゲームを設計する方法は?

最初にユーザーへ味わわせたい感情を目的として一つ定め、その感情が生じる条件を逆算して、物語、演出、成長、敵の行動などの手段へ落とし込みます。目的と手段を分け、各仕様が狙った感情に本当に貢献するかを確認することが基本です。

Q: ゲームデザインで目的と手段を区別するには?

ユーザーをどのような気持ちにしたいのかを目的として言語化し、機能やシーンは目的を達成する手段として扱います。目的は一つでも手段は複数考えられるため、特定の仕様を作ること自体が目的になっていないかを継続的に点検します。

Q: ゲームデザイナーが感情の引き出しを増やす方法は?

定番や伝統的な催し、流行の催し、まだ経験したことのない活動など、多様な体験を重ね、そのときに生じた感情を記憶します。講演者は特に、若いうちに可能な未経験の体験を蓄え、設計に使える感情のライブラリーを充実させるよう勧めています。

Q: 体験前の想像はゲーム設計にどう役立つ?

体験前に内容や感情を想像し、実際の経験との違いを分析すると、自分の発想の強みや不足を発見できます。現実が期待以下なら想像した面白さが資産となり、期待以上なら予想できなかった優れた要素が、新しい設計材料になります。

Q: 自分が感動した理由を分析する方法は?

感動した場面を、シーン、台詞、人物の性格、自分との共通体験、ポーズ、声などの要素に分解します。そのうえで、どの要素が欠けたら感動できなかったか、どれがなくなると感情が弱まるかを問い、感情を引き起こした構造を特定します。

Q: 感動を生む要素と増幅する要素の違いは?

感動を生む要素は反応の中心的な原因であり、増幅する要素はその反応をさらに強める演出です。講演では両者を混同せず分析することが重要だとされ、中心となる仕組みを再現したうえで増幅要素を組み合わせると、感情をより大きく動かせると説明されています。

Q: Devil May Cry 5は覚醒をどう印象づけた?

挫折があるからこそ後の覚醒が盛り上がるという目的を置き、主人公たちが力を失う、敗北する、弱い状態に置かれる展開を経て復活する構成にしました。ネロについては最大の力をミッション20まで遅らせ、最後の感動を優先して一般的な成長配置を反転させています。

Q: アクションゲームで達成感を生む方法は?

敵の行動をプレイヤーが見切れるようにし、クリア方法を自分の力で発見させ、その方法を練習して実行できる状態へ導きます。講演者は、苦労して突破した際の肯定的な感情を生むには、攻略法の発見だけでなく、練習を途中で諦めさせない設計も重要だと述べています。

Summary & Key Takeaways

  • 設計の出発点は、機能や演出ではなく、ユーザーにどのような感情を味わわせたいかを決めることである。目的となる感情は一つでも、それを実現する手段は複数ある。手段の実装自体を目的化せず、各シーンや作業がどの感情に結びつくのかを確認し、必要なら発注者へ目的を問い直すことが重要になる。

  • ゲームデザイナーは、自分の感情を大きく動かした体験を集め、なぜ心が動いたのかを分解する必要がある。体験前の想像と実体験との差は、期待を下回った場合も上回った場合も設計上の財産になる。感動を直接生んだ要素と、それを増幅した演出を区別すれば、類似した感情をゲーム内で再現しやすくなる。

  • 『Devil May Cry 5』では、挫折があるからこそ覚醒が盛り上がるという狙いを、複数の主人公の物語に適用した。通常は中盤で与えるような最大の力を最後のミッションまで遅らせ、終盤の感情を優先した。アクション面でも、敵の行動を見切り、攻略法を発見し、練習して成功する流れが達成感を生むと説明されている。


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