米EU関税交渉はなぜ難航し、日本にどう影響するのか?

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May 18, 2025
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TBS CROSS DIG with Bloomberg
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米EU関税交渉はなぜ難航し、日本にどう影響するのか?

TL;DR

米EU関税交渉は、通商と安全保障で交渉相手の権限が分かれ、EU内の意思集約にも時間がかかるため難航する。決裂時にEUが米国製品への関税やデジタルサービス課税へ進めば、日本でもデジタル赤字を交渉材料にすべきかが論点になり得る。

Transcript

[音楽] EU [音楽] [音楽] っていうのはアメリカ人にとってはですね、ま、最大の貿易相手国日本最終合意が近いって言われてるのはやっぱ報復しないからだっていは全然違ってもう真正面から殴りに行ってるので 1 番悪い方向に向かってる交渉が米EU ポ交渉なのかな。 [音楽] エコラボ始まります。今日のテーマはトランプ関税対 EUの行方です。 一緒にお届けするのが水ほ銀行チーフマーケットエコノミストのからカ大輔さんです。よろしくお願いします。 よろしくお願いします。 はい、からさん、今日はEU っていうことで、 そうです。一応私ヨーロッパの専門家として世の中に出てきたのでヨーロッパのことも やってほしいと いう声もあり、このテーマにました。 いや、結構そういう声多くて日本にやっぱそういう情報ない... Read More

Key Insights

  • EUは米国にとって貿易総額で最大の相手であり、唐鎌氏は対米貿易黒字でも中国とEUの順位が入れ替わる可能性があると指摘している。
  • EUの通商政策と関税政策は欧州委員会の排他的権限であり、加盟国首脳が米国と親密でも、二国間で関税条件を決定することはできない。
  • 安全保障はEUが直接扱えない加盟国政府の権限であり、通商交渉に防衛負担を組み込む米国の手法は、論点ごとに交渉相手を分裂させる。
  • エネルギー政策はEUと加盟国の共有権限であり、LNG購入、関税、安全保障を一括した合意へ落とし込むには複数主体間の調整が必要になる。
  • 欧州委員会の意思決定は加盟国首脳による意見集約を前提とするため、唐鎌氏は複雑な米EU交渉を90日間でまとめるのは難しいと評価している。
  • EUは交渉決裂時に1000億ユーロ相当の米国製品へ関税を課す方針を示しており、報復を控えた英国や日本とは異なる強硬姿勢を取っている。
  • EUは米国以外とのFTA網を広げ、中国ともデカップリングではなくリスク低減を目指しており、対中関係が対米交渉のカードになる可能性がある。
  • デジタルサービス課税は日本にも波及し得る論点だが、唐鎌氏は代替しにくい米国サービスの価格転嫁を招き、交渉材料として有効とは限らないとみる。
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Questions & Answers

Q: 米EU関税交渉はなぜ難航するのですか?

通商、関税、安全保障、エネルギーで交渉権限を持つ主体が異なるからです。通商と関税は欧州委員会、安全保障は加盟国政府、エネルギーは双方の共有権限に属します。米国が複数分野を一体で扱おうとすると、論点ごとに相手を変え、EU内でも合意を形成しなければなりません。

Q: 米国にとってEUはどの程度重要な貿易相手ですか?

EUは輸出と輸入を合計した貿易総額で、米国にとって最大の相手だと説明されています。唐鎌氏は、対米貿易黒字でも中国とEUの順位が入れ替わる可能性があるとみています。そのため、米EU交渉の決着は米国の関税政策全体に大きな影響を与え得ます。

Q: 欧州委員会は米国との関税を単独で決められますか?

欧州委員会は通商政策と関税政策を担当しますが、委員長がすべてを単独で即決できるわけではありません。重要な意思決定には、加盟国首脳が参加するEU首脳会議での意見集約が必要です。この多段階の手続きが、短期間での合意を難しくしています。

Q: イタリア首相が米国と関税合意を結べないのはなぜですか?

イタリア政府にはEU共通の関税政策を決める権限がないからです。メローニ首相は米国側とLNG購入や防衛費について話せても、関税や非関税障壁は欧州委員会の担当になります。首脳間の良好な関係だけでは、米EU間の通商条件を確定できません。

Q: EUは交渉決裂時にどのような報復を検討していますか?

EUは1000億ユーロ相当の米国製品に関税を課す方針を示し、デジタルサービスへの課税も選択肢にしています。ただし、これらは説明時点で実施済みではなく、交渉がまとまらない場合の措置です。英国や日本が報復を控える姿勢とは明確に異なります。

Q: EUと中国が接近する可能性はありますか?

唐鎌氏は、打算的な経済接近が進む可能性はあるとみています。EUは中国との完全な分離ではなく、リスクを抑えながら関係を続ける方針を掲げています。中国がロシアへ持つ影響力や、対米交渉で利用できる選択肢を考えると、対中関係が交渉カードになり得ます。

Q: EUのデジタルサービス課税は日本にどう影響しますか?

EUがデジタル赤字を報復措置の根拠にすれば、日本でも同じ問題を対米交渉で取り上げるべきだという議論が起きる可能性があります。ただし、YouTubeやAmazonなど代替しにくいサービスへの課税は価格転嫁を招き、日本の利用者側が不利益を受ける恐れがあります。

Q: 日本はEUの関税交渉から何を学ぶべきですか?

日本はEUの強硬策が合意につながるのか、対立を深めるのかを見極める必要があります。唐鎌氏は、EUの交渉が破滅的な決裂へ向かうなら、米国を刺激せず外交交渉で着地点を探る日本の方法が妥当だとみています。同時に、自動車関税など譲れない線を明確にすることも重要です。

Summary & Key Takeaways

  • 米国にとってEUは貿易総額で最大の相手であり、唐鎌氏は対米貿易黒字でも中国を上回る可能性があるとみる。しかし、EUでは通商・関税政策を欧州委員会、安全保障を加盟国政府が担い、エネルギー政策は権限を共有する。米国が関税、安全保障、LNG購入を一体で交渉しようとすると、論点ごとに相手を変える必要がある。

  • EUの対外交渉では、欧州委員会だけで即断できず、加盟国首脳によるEU首脳会議での意見集約も必要になる。EUは工業製品の関税を相互にゼロとする提案を示したが、トランプ大統領は拒否したと説明される。交渉が決裂した場合、EUは1000億ユーロ相当の米国製品への関税を検討しており、対立が深まる可能性がある。

  • EUは米国以外との貿易関係を広げ、インドとのFTA交渉や中南米のメルコスールとの協定を進め、中国とも完全分離ではなくリスク低減を志向している。唐鎌氏は、中国との接近が対米交渉のカードになり得る一方、米国を刺激する危険もあるとみる。日本は自由貿易陣営との関係を維持しつつ、米国を刺激せず、自動車関税など守るべき線を明確にする必要がある。


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