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一夜漬けは効果がある?詰め込み勉強について研究が示すこと

一夜漬けは、何も勉強しないよりは効果があります。けれども翌朝にはもう、間隔を空けて勉強したほうが上回っています。研究からわかるのは、一夜漬けはやっている最中になぜあれほど効いているように感じられるのか、徹夜の本当の代償は何か、そして試験が明日に迫っているとき、どうすれば被害を抑えて詰め込めるのか、ということです。

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重要なポイント
    • 一夜漬けの強みは長続きしない: Nate Kornell による2009年のフラッシュカードの研究では、最後の学習日に詰め込んだ単語を翌日に思い出せた割合は34%で、4日間に分けて学習した単語の54%を下回りました。この記事で紹介する研究で、まとめて学習するほうが上回ったのは、学習の数分後に行われたテストだけでした。
  • 「効いている」という感覚は、実際とは逆: Kornell の実験全体では、参加者70人のうち63人で、間隔を空けて学習したほうが、まとめて学習するよりも成績が良くなりました。それなのに最初のセッションのあと、違いを感じた人の72%は、まとめて学習したほうが効果があったと考えていました。
  • それでも大半の学生は一夜漬けをする: Hartwig と Dunlosky が調査した大学生324人のうち、66%が、普段からテストの前夜に詰め込み勉強をしていると答えました。勉強の予定を前もって立てていると答えたのは、わずか13%でした。
  • 一夜漬けの代償が大きくなるのは、徹夜をしたとき: 睡眠を削っていつもより多く勉強した高校生は、翌日、授業やテストでつまずくことが多くなりました。睡眠不足の大学生は、批判的思考のテストの点数が低かったのに、自分の出来はより高く評価していました。
  • 詰め込むしかないなら、自分をテストしてから眠る: 文章を思い出す練習をした学生は、1週間後にその61%を覚えていましたが、同じ時間を読み返しに使った学生は40%でした。2回の学習のあいだに眠った人は、内容を覚え直すのに必要な回数が約半分で済みました。

一夜漬けは効果があるのか?まず結論から

一夜漬けは、何も勉強しないよりは効果があります。ただし、その強みはそこまでです。前の晩に長時間勉強すれば、何もしなかった場合と比べて、翌日の点数は上がるでしょう。けれども、同じ時間を数日に分けて勉強した場合にはかないません。Nate Kornell のフラッシュカードの研究では、最後の学習日に詰め込んだ単語を翌日に思い出せた割合は34%で、4日間に分けて学習した単語では54%でした。学習の直後と、時間をおいてからの両方でテストする実験では、まとめて学習するほうが上回るのは、学習の数分後に行われるテストだけです。

もっと大きな問題は、詰め込んだ内容が消えていく速さです。同じ範囲が期末試験でまた出題されれば、結局は同じことを二度学ぶことになります。しかも一夜漬けが徹夜になれば、学んだことを脳が記憶にとどめるために使う睡眠まで削ってしまいます。

つまり一夜漬けは、明日をなんとか乗り切る方法としては使えても、来月もその内容を覚えておく方法としては不向きです。もし試験の前夜にこれを読んでいるなら、この先で手順を追って紹介するプランのほうが、多くの人がしている詰め込み方よりも良いやり方です。


研究の世界でいう一夜漬けとは

研究者が「一夜漬け」(cramming)という言葉を使うことは、めったにありません。代わりに使うのは集中学習(massed practice)という言葉で、ある内容の勉強をすべて1回にまとめて詰め込むことを指します。これに対するのが分散学習(distributed practice)、または間隔を空けた学習(spaced practice)で、同じ合計時間を何回かのセッションに分け、あいだに間隔を空けて勉強します。

一夜漬けとは、締め切りのついた集中学習です。Kornell の2009年の論文は、一夜漬けを「テスト前の最終日に学習を集中させること」と定義しています。この定義を使うと、混同されがちな2つの問いを切り分けられます。

  • 合計時間。 一般に、勉強時間は短いより長いほうが成果が出ます。
  • タイミング。 同じ時間を勉強するなら、それを1回にまとめるか、分けて行うかで違いは出るのでしょうか。

一夜漬けの研究が扱っているのは2つ目の問いで、その答えは記憶の科学の始まりにまでさかのぼります。ヘルマン・エビングハウスは、1885年に出版した記憶についての著書のために、無意味つづりのリストを自ら暗記しました。そして、12音節のリストなら、3日間に分けた38回の反復で、1日に詰め込んだ68回の反復と同じだけの効果が得られることを見いだしました。彼の実験については、忘却曲線の記事で詳しく紹介しています。

この知見は現在分散効果(spacing effect)と呼ばれ、心理学で最も多く再現されてきた結果の一つです。Nicholas Cepeda、Harold Pashler らによる2006年のレビューは、184本の論文に含まれる317の実験から、分散学習についての839の評価を集めました。それらの研究全体を通して、間隔を空けた学習は集中学習を上回っており、最終テストまでの期間が長いほど、セッション間の最適な間隔も長くなっていました。


詰め込み勉強は効果的か?研究でわかったこと

3種類の実験が、同じパターンを示しています。

テストの時期を変えた研究。 Katherine Rawson と Walter Kintsch は、大学生に、炭素隔離(carbon sequestration)についての1,730語の文章を1回、または2回読ませました。2回目は、1回目の直後(集中)か、1週間後(分散)のどちらかに読みました。最後に読んだ直後のテストでは、続けて読み返すことは1回だけ読むことよりも効果がありました。1つ目の実験では、続けて読み返したグループが、分散したグループよりも多くを思い出してもいました。ところが2日後のテストでは、分散したグループが想起と理解の両方で上回り、続けて読み返したグループは、1回しか読まなかった学生を上回ることができませんでした。論文のタイトルが "Rereading Effects Depend on Time of Test"(再読の効果はテストの時期によって変わる)となっているのは、そのためです。

Carla Greving と Tobias Richter による2019年の教室での研究でも、7年生(日本の中学1年生にあたる)191人で同じ傾向が見られました。直後のテストでは、続けて読み返したほうが勝ちました。しかし1週間後には、その優位は消えていました。読み返しの間隔を空けた生徒のほうが、忘れた量が少なかったからです。

フラッシュカードの研究。 Kornell の実験では、学生がウェブ上のフラッシュカードプログラムを使って GRE(アメリカの大学院入試で使われる試験)に出るような単語ペアを覚え、最後のセッションの約1日後に最終テストを受けました。大きな束1つで学習すると、それぞれのカードが次に出てくるまでの間隔が長くなります。この方法は、小さな束4つを別々に学習するよりも成績が良く、1つ目の実験では想起率が49%対36%でした。2つ目の実験では、最後の学習日に詰め込んだ単語の想起率が34%だったのに対し、4日間すべてにわたって学習した単語は54%でした。

読み返しとテストを比べた研究。 Henry Roediger と Jeffrey Karpicke は、学生に、ある散文の文章は読み返させ、別の文章は内容を思い出す練習をさせました。5分後の時点では、読み返した文章のほうが良さそうに見えました。想起率は81%対75%です。ところが2日後には、思い出す練習をした文章が68%対54%で上回り、1週間後には56%対42%でした。

覚えておくべきは、2つ目の実験です。一方の学生たちは、文章を5分間だけ学習し、そのあと3回、内容を思い出そうとしました。もう一方の学生たちは、5分間の時間を4回とも文章の学習に使いました。1週間後、想起したグループは内容の61%を覚えていましたが、学習だけのグループは40%でした。学習だけのグループは文章を平均14.2回も読んでおり、想起したグループの3.4回を大きく上回っていたにもかかわらずです。たいていの一夜漬けは、自分をテストすることもなく、同じページを何度も何度も読み返すだけのものだと言ってよいでしょう。

研究参加者と教材集中または読み返しの条件分散またはテストの条件結果
エビングハウス(1885年)本人、無意味つづりのリスト1日に68回の反復3日間で38回の反復30回少ない反復で、同じだけ覚えられた
Rawson と Kintsch(2005年)大学生、1,730語の科学の文章2回目をすぐに読む2回目を1週間後に読む直後のテストでは集中も1回読みに勝ったが、2日後に1回読みを上回ったのは分散だけ
Roediger と Karpicke(2006年)大学生、散文の文章学習を4回学習を1回、そのあと想起テストを3回1週間後に覚えていたのは40%対61%
Kornell(2009年)学生、GRE に出るような単語ペア小さな束、または最終日の詰め込み大きな束1つ、または数日に分けた学習翌日の想起率は、詰め込んだ単語が34%、分散した単語が54%
Greving と Richter(2019年)7年生191人、授業内続けて読み返す間隔を空けて読み返す直後は集中が勝ったが、1週間後には差がなかった

いずれも短い教材を使った統制実験で、授業1コース分を丸ごと扱ったものではありません。また、実際の試験では考え方を応用する力も問われますが、これらのテストはその力をほとんど測っていません。それでも、1日以上たってから行われたテストで一夜漬けが上回っていた研究は、一つもありませんでした。


一夜漬けが効いているように感じられる理由

間隔を空けたほうが効果があるなら、なぜ大半の学習者は逆だと信じているのでしょうか。一夜漬けが、学習と取り違えやすい感覚を生み出すからです。

ある章を3回続けて読むと、3回目はすらすら読めるように感じます。どの文にも見覚えがあります。その流暢さは本物ですが、それを測っているのは、ページを最後に見てから数分しかたっていない時点です。試験が問うのは、もっと難しいことです。何日もたってから、ページを目の前に置かずに、何もないところからその内容を引き出せるかどうかです。

研究者たちは、この感覚と結果のずれを直接測っています。

  • Kornell(2009年)。 70人の参加者のうち63人で、間隔を空けた学習のほうが想起の成績が良くなりました。それなのに最初の学習セッションのあと、どちらかの方法のほうが効果があったと考えた58人のうち42人(72%)が、集中学習を選びました。
  • Kornell と Robert Bjork(2008年)。 参加者は、ある画家の作品例を続けて見せられるか、ほかの画家の作品と混ぜて見せられるかして、画家ごとの画風を見分けられるように学習しました。1つ目の実験では、78%の人が混ぜて見せられたときのほうが良い成績を収めましたが、それとまったく同じ割合の78%が、まとめて見せられるほうが、混ぜた場合と同じくらいか、それ以上に良かったと答えました。しかも彼らがそう答えたのは、大半の人にとって混ぜたほうが効果のあったテストを受けた、そのあとのことでした。
  • Roediger と Karpicke(2006年)。 4回分の時間すべてを読み返しに使った学生は、自分をテストした学生よりも文章をよく覚えていられるだろうと予測していました。1週間後、最も覚えていなかったのは、ほかならぬ彼らでした。

最も明快な説明を与えてくれるのが、Robert Bjork と Elizabeth Bjork の「不使用の新理論」(new theory of disuse)です。この理論は、記憶の強さを2種類に分けます。検索強度(retrieval strength)は、ある事柄がいまこの瞬間にどれだけすぐに思い浮かぶかを表し、学習中に急上昇して、数日のうちに落ち込むことがあります。貯蔵強度(storage strength)は、それがどれだけ深く身についているかを表し、学習によって積み上がっていき、この理論では決して失われないとされています。

一夜漬けは、検索強度を一気に押し上げます。真夜中に感じる自信の正体は、これです。一方で、貯蔵強度はそれほど増えません。そして1週間後に頼りになるのは、その貯蔵強度のほうなのです。

この理論の後半は、間隔を空けた学習が、実際よりも効果が低いように感じられる理由を説明しています。いったん忘れかけたものを思い出すほうが、まだ記憶が新しいうちに思い出すよりも、貯蔵強度は大きく増えます。そのため、思い出そうと必死になっている、最も手応えのない学習の時間こそが、多くの場合、最も大きな成果を上げているのです。


それでも大半の学生が一夜漬けをする理由

2012年、Marissa Hartwig と John Dunlosky は、ケント州立大学の大学生324人に、どのように勉強しているかを尋ねました。回答の一部を紹介します。

質問回答学生の割合
普段から使っている学習法テストの前夜に大量の情報を「詰め込む」66%
普段から使っている学習法読みながら下線を引く、またはハイライトする72%
次に何を勉強するかを、どう決めていますか?締め切りがいちばん近いもの、または締め切りを過ぎたもの56%
次に何を勉強するかを、どう決めていますか?勉強の予定を前もって立てている13%
分けて勉強しますか、まとめて勉強しますか?たいてい1回でまとめて勉強する53%

最も多くを説明してくれるのは、締め切りについての回答です。2007年に Kornell と Bjork が UCLA の学生に同じ質問をしたときも、59%がこの答えを選んでいました。いつも次に締め切りが来るものから勉強していれば、自然と一夜漬けになります。いちばん近い締め切りが、その直前になって注意をすべて奪っていくからです。Hartwig と Dunlosky はまた、成績の低い学生ほど夜遅くに勉強する傾向があること、そして誰の勉強も締め切りに左右されていて、成績の低い学生ほどその傾向が強いことも見いだしました。

つまり一夜漬けは、性格の欠点というより、ほかに何も計画していないときに締め切り任せで予定を組めば、当然そうなる結果なのです。解決策は、意志の力ではなく、カレンダーの決め方にあります。

ハイライトをする72%の学生についても、もう一度考えてみる価値があります。2013年のレビューで Dunlosky らは、ハイライトを読み返しと並べて「有用性が低い」(low utility)と評価しました。「有用性が高い」(high utility)とされた2つの学習法は、練習テストと分散学習でした。ハイライトはあとで戻ってくる場所の目印であり、実際に戻ってきたときにだけ役に立ちます。


試験前に徹夜するべきか?

たいていの場合、するべきではありません。一夜漬けと徹夜は、別々の選択です。午後6時から午後11時まで詰め込んで、そのあときちんと眠ることもできます。徹夜は、集中学習の代償にもう一つの代償を上乗せします。そして、その代償についての研究結果は、はっきりしています。

学習前の睡眠不足。 Matthew Walker の研究室による2007年の研究(Yoo ら)では、ボランティアが約35時間起き続けたあと、MRI スキャナーの中で画像を見ました。2日後、睡眠を取り戻したあとにテストすると、彼らの画像の記憶は、普段どおりに眠ったボランティアより平均で19%劣っており、Walker によれば、その差は最大で40%に達しました。「40%」という数字だけが引用されているのをよく見かけますが、これは平均ではなく、いちばん大きかった場合の値です。

学習後の睡眠不足。 2000年、Robert Stickgold と共同研究者の James、Hobson は、参加者に視覚弁別課題を練習させました。練習後の最初の夜を眠らずに過ごした人は、そのあと2晩ふつうに眠ってからテストを受けても、有意な上達が見られませんでした。あとから睡眠を取り戻しても、最初の一晩の分は埋め合わせられなかったのです。これは知覚のスキルについての結果ですが、事実の記憶にも似たパターンが見られます。Gais、Lucas、Born は2006年、学習から数時間以内に睡眠をとったほうが、単語の記憶が良いことを見いだしました。

翌日への影響。 2013年の研究で、Gillen-O'Neel、Huynh、Fuligni は、535人の高校生に、9年生、10年生、12年生の各学年で14日間ずつ、毎日日記をつけてもらいました。睡眠を削っていつもより多く勉強した夜の翌日には、授業で教わったことを理解するのに苦労することが増え、テストや課題でつまずく可能性も高くなっていました。これは、その生徒が普段どれだけ勉強しているかに関係なく見られた傾向です。

自分の判断への影響。 Pilcher と Walters は、44人の大学生に、24時間起き続けたあと、または約8時間眠ったあとに、批判的思考のテストを受けてもらいました。睡眠不足の学生は、点数が有意に低くなりました。しかも彼らは、自分の集中力と努力をより高く評価し、自分の成績についても有意に良いと見積もっていました。徹夜をすると、テストの出来が悪くなるうえに、そのことに気づく力まで落ちるのです。

Pamela Thacher が2008年にセントローレンス大学の学生120人を対象に行った調査は、相関関係を示すデータを一つ付け加えてくれます。徹夜をしたことのある学生の GPA は平均2.95で、一度もしたことのない学生の3.20を下回っていました。因果関係を示すことはできませんが、ここまでの結果とつじつまが合います。

夜のあいだに記憶に何が起きているのかは、睡眠と学習の記事でさらに詳しく取り上げています。


一夜漬けするしかないときの試験勉強のやり方

どうしても時間が足りないときもあります。ここで紹介する方法で一晩が1学期分の勉強に変わるわけではありませんが、その一晩をより実りあるものにできます。

  1. まず優先順位をつける。 シラバスや学習ガイド、過去問を使って、試験範囲のトピックを15分かけてすべて書き出します。それぞれ、配点の大きさと自分の理解のあやふやさで順位をつけましょう。すべてをカバーすることはできないので、ページ順ではなく、意図して選びます。
  2. 読み返しを想起に置き換える。 教材の一節を一度読んだら本を閉じて、覚えていることをすべて書き出します。それから答え合わせをして、抜けているところを埋めます。これがブラーティング法で、Roediger と Karpicke の研究結果を一夜漬けの夜向けにしたものです。教材に目を通す回数を減らし、頭の中から引き出そうとする回数を増やします。練習問題や過去問も、同じ役割を果たします。
  3. まとめずに、混ぜる。 フラッシュカードは、小さな束を完璧になるまで繰り返すのではなく、大きな束1つのままで回します。Kornell の実験で効果があった、1回のセッションの中で間隔を空けるやり方です。問題演習でも、同じ種類の問題を10問続けて解くのではなく、種類の違う問題を混ぜましょう。Kornell と Bjork の研究で、画家を混ぜて見せることが画風の学習に役立ったのと同じ考え方です。
  4. 夜をいくつかのラウンドに分ける。 休憩やほかの科目を挟みながら教材を2〜3周するほうが、途切れずに1回でやり通すよりも効果があります。ラウンドのあいだは短いので、間隔を空けることの効果は小さくなります。想起練習は間隔が短くても効果を発揮します(Roediger と Karpicke の研究では、3回の想起テストは数分おきに行われました)。ただ、想起のラウンドの間隔をもっと空けたほうが、さらに効果的です。
  5. 切り上げて、眠る。 いちばん苦手なトピックで最後の想起ラウンドを済ませたら、寝ましょう。Mazza らによる2016年の研究では、参加者がスワヒリ語の単語をフランス語訳とセットで覚え、12時間後に覚え直しました。そのあいだに眠った人は、リストを覚え直すのに必要な回数が約半分で済みました(3.05回対5.80回)。6か月後には16語のうち8.67語を思い出せましたが、1日のうちに学習と再学習を済ませたグループは3.35語でした。
  6. 朝は想起する。読み返さない。 記憶だけを頼りに、主なトピックを20分間書き出し(ブラーティング)、抜けているところを確認したら、そこでやめます。想起で覚えたことには、プレッシャーの下でも崩れにくいという利点もあります。タフツ大学の Smith、Floerke、Thomas による2016年の研究では、想起練習で学んだ人は、1日後にストレスをかけられても記憶の低下が見られませんでした。読み返しで学んだ人は、思い出せる項目が少なく、ストレス下ではとくにそうでした。
  7. 不安なら、書き出す。 Ramirez と Beilock は、9年生の生物の授業で行った2つの研究で、テスト不安が強いほうの半数の生徒のうち、期末試験の直前に10分間、自分の心配ごとを書き出した生徒の成績が平均で B+ だったのに対し、同じくらい不安が強くても書かなかったクラスメートは B- だったことを見いだしました。

午前9時の試験なら、次のような流れになります。

時間やること理由
午後6時トピックを書き出し、配点と苦手さで順位をつけるすべてはカバーできないので、選ぶ
午後6時15分〜8時ラウンド1:各トピックを一度読み、ブラーティングするか練習問題を解く想起は読み返しに勝る(Roediger と Karpicke、2006年)
午後8時〜8時30分休憩、食事、または別の科目ラウンド2の前に間隔を空ける
午後8時30分〜10時30分ラウンド2:すべてを想起し、思い出せなかったところに集中する1回のセッションの中でも、続けて繰り返すより間隔を空けて繰り返すほうが効果的(Kornell、2009年)
午後10時30分〜11時いちばん苦手なトピックだけを、記憶から学習後すぐに眠ると、覚えたことが保たれやすい(Gais ら、2006年)
午後11時少なくとも7時間眠る学習のあいだに眠ると、再学習の回数が半分になった(Mazza ら、2016年)
午前7時30分読み返さずに、20分間の想起想起で学んだ内容は、ストレス下でも崩れなかった(Smith ら、2016年)
試験の直前不安なら、心配ごとを10分間書き出す不安の強い生徒で B+ 対 B-(Ramirez と Beilock、2011年)

削っているのは、いちばん勉強している気分になれる部分、つまり読み返しです。そしてそれは、研究による裏づけが最も弱い学習法の一つでもあります。


一夜漬けと間隔反復: 一夜漬けに頼らずに済む方法

観点一夜漬け(集中学習)間隔を空けた学習
数分後のテスト同じくらいのことが多く、上回ることもある同程度か、それより低い
翌日のテストすでに負けている(Kornell、2009年では34%対54%)上回る
数日後や数週間後のテスト急速に落ちるはるかによく保たれる
感じ方すらすらできて、はかどっている感じがする難しく、手応えが乏しい
学習者の予測たいてい、より効果的だと評価されるたいてい過小評価される
睡眠削られることが多い守られる
学期全体が範囲の期末試験多くを学び直す覚えていることを復習する

一夜漬けの代償が最も大きくなるのは、最後の行です。中間試験の内容は期末試験でまた出題されますし、それを知っている前提で進むその先の授業でも必要になります。詰め込んだきり一度も復習しなかったことは、すべて学び直さなければなりません。

では、学習の間隔はどのくらい空ければよいのでしょうか。Cepeda らは2008年に1,350人を超える人を対象に実験を行い、最適な間隔はテストがいつあるかによって変わることを見いだしました。1週間後のテストなら、最適な間隔は約1〜3日でした。1年後のテストなら、約3〜4週間でした。間隔を正しく設定することには、大きな見返りがありました。同じ学習時間でも、最適な間隔で復習すると、最初のセッションの直後に復習を始めた場合と比べて、4つのテスト時期の平均で想起が64%多くなったのです。

この間隔にぴったり合わせる必要はありません。次の2つの決まったスケジュールを使えば、この考え方を具体的な計画にできます。

  • 2357勉強法。 1日目にトピックを学び、2日目、3日目、5日目、7日目に復習します。学期中は1週間単位のサイクルとして使えるほか、試験日が決まっているときに逆算して使うカウントダウン版もあります。
  • Glasp の無料の間隔反復の計算ツール。 開始日と試験日を入力すると、1日後、3日後、7日後、14日後、30日後、60日後、120日後に復習を配置し、試験当日以降にあたるものを除いたうえで、試験の前日に最後の復習を加えてくれます。できたスケジュールは、カレンダーファイルとしてダウンロードできます。

試験前日のこの最後の復習は、一夜漬けの中にあるただ一つの良いアイデアを生かしています。テストの直前に、内容をもう一度新鮮な目で見直すことです。しかも、徹夜はいりません。

もう半分は、一回一回の復習を、実際にやる気になれるくらい手早く済むものにすることです。

  • 目的を持ってハイライトする。 Glasp のウェブハイライターはウェブページでも PDF でも使えるので、課題の文献も PDF の講義スライドも1か所にまとまります。復習の日が来たとき、手元にあるのは読み返すべき300ページではなく、大事だった箇所の短いリストです。それぞれのハイライトを問いに変えて、元の文章を見る前に答えてみましょう。
  • 長い講義を短くする。 YouTube の講義や解説動画なら、YouTube Summaryを使うと要約と全文の文字起こしが手に入り、それを読んだりハイライトしたりできます。動画を丸ごと見直さなくても、数分で要点を復習できます。
  • 自分の答えを情報源と照らし合わせる。 Glasp の AI チャットは、質問に答えるために、自分がハイライトしたものすべてを検索し、回答のもとになった情報源を示してくれます。まず記憶だけで問いに答え、それから同じことをチャットに尋ねて比べ、示された情報源を開いて、自分が何を見落としていたかを確かめましょう。

よくある質問

一夜漬けは、まったく勉強しないよりはましですか?

はい、テストが間近なら、そう言えます。Rawson と Kintsch の研究では、直後のテストで、続けて読み返すことは1回だけ読むことに勝りました。また Kornell の研究で詰め込んだ単語も、翌日にまだ34%は思い出せました。しかし2日後には、続けて読み返した学生の成績は1回しか読まなかった学生よりも良くはなく、間隔を空けて読んだ学生がその両方を上回りました。一夜漬けは何もしないよりはましですが、早めに勉強するほうが一夜漬けよりも上なのです。

一夜漬けは脳に悪いのですか?

一度の一夜漬けが脳に害を与えることを示した研究は、私たちが調べた限り見つかりませんでした。代償は、もっと実際的なものです。詰め込んだ内容は数日のうちに薄れ、一夜漬けは多くの場合、学んだことを脳が安定させるために使う睡眠を削ってしまいます。詰め込んでも睡眠はしっかりとるなら、主な損失は、内容が長く記憶に残らないことです。

試験の前夜は、眠るのと勉強するのとどちらが良いですか?

ほとんどの学生にとっては、眠るほうが良い選択です。535人の高校生を対象にした14日間の日記研究では、睡眠を削って勉強時間を増やした夜の翌日には、学業上の問題が増えていました。また、睡眠不足の大学生は、批判的思考のテストの点数が低かったのに、自分の出来はより高く評価していました。あまり遅くならない時間まで勉強したら、最後に1回だけ想起のラウンドをして、寝ましょう。

一夜漬けで覚えたことは、どのくらい持ちますか?

長くは持ちません。Rawson と Kintsch の研究では、続けて読み返したことによる優位は、2日後には消えていました。Roediger と Karpicke の実験では、読み返すだけだった学生の想起量は、5分後と比べて1週間後には52%少なくなっていましたが、想起を練習した学生では14%の減少にとどまりました。復習しない限り、読み返しで詰め込んだことの約半分は1週間以内に失われると考えておきましょう。

一晩詰め込むだけでも、試験に合格できますか?

多くの場合は、できます。だからこそ、この習慣はなくならないのです。同じ時間を1週間に分けたほうが良い結果になったとしても、一晩詰め込むだけでも、勉強しないよりはましです。読み返す代わりに自分をテストし、それでもきちんと眠れば、合格の可能性はさらに上がります。リスクがやって来るのは試験のあとです。学期全体が範囲になる期末試験や、その内容を覚えている前提で進むその先の授業が待っています。

試験当日の朝は勉強するべきですか?

するなら短時間にして、読み返すのではなく想起する形で行いましょう。20分かけて主なトピックを記憶から書き出し、抜けているところを確認します。タフツ大学による2016年の研究では、想起練習で築いた記憶は、読み返して築いた記憶よりもストレス下で崩れにくかったので、ウォーミングアップには想起のほうが向いています。


一夜漬けがなくならない理由と、出番を減らす方法

一夜漬けがなくならないのは、すぐにやって来るその1回のテストに限っては、何もしないより良い結果が出るからです。はかどっている感じがしますし、多くの場合は合格点も取れます。そして、その代償はあとになるまで、つまり期末試験やその先の授業を迎えるまで表に出てきません。

一夜漬けに使うはずだった時間の一部を、もっと前の日に移しましょう。そして、どの学習時間も、読み返しではなく想起に充てます。かける時間は同じで、違うのはカレンダーだけです。それができないときは、賢く詰め込みましょう。自分をテストし、問題を混ぜ、睡眠を守ることです。

Glaspを使えば、早めに勉強を始めるのが楽になります。学期が進むのに合わせて、読んだ文献や YouTube の講義をハイライトしておけば、復習の日を、大事だったことの短いリストから始められます。そのうえで間隔反復の計算ツールで復習の予定を立て、Glasp の AI チャットで、自分の答えを自分の情報源と照らし合わせましょう。

詰め込むしかないなら、詰め込みましょう。そして、眠ってください。そのうえで、次の単元は1週間早く始めましょう。

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