なぜ賃上げしても実質賃金は増えないのか?

TL;DR
賃上げの実感が乏しい主因は、物価上昇に毎月の給与の伸びが追いつかず、2024年の実質賃金が通年で前年比0.2%減となったことである。持続的な改善には、労働組合の継続的な要求に加え、新卒偏重の是正、中途採用の拡大、恒常所得と消費の増加が必要になる。
Transcript
これまで組み合いが要求をしなさすぎた ほとんどベアが0っていう期間がま10年 以上続いたとデフレマインドっていうのは 結構残ってて物価が上がんないんだから そんなに賃金上げなくてもいいでしょうっ ていうそのマインドが要求に繋がんなかっ た家計のその貯蓄率の高さというか還元し ても使わない部分がいっぱいあるわけです よ一生懸命企業還元しても還元した分回収 できなかったってなると駅がトーンダウン するま企業が出さないから悪いんだとか 要求しないから悪いんだじゃなくて やっぱりその家計のサイドでもやっぱ問題 があっ [音楽] て こんにちはTBSアナウンサー赤木あです 経済に関する素朴な疑問をプロにじっくり 聞く稽古まと経済の話で困った時に見る やつのお時間です今回は歴史的な賃上げ その実態に迫る... Read More
Key Insights
- 賃上げの実感が乏しい主因は、名目賃金が増えても物価上昇を上回らず、同じ金額で購入できる商品やサービスの量が減っていることである。
- 2024年の実質賃金は、12月に前年同月比0.6%増となった一方、通年では前年比0.2%減となり、3年連続のマイナスを記録した。
- 賃金カーブの平坦化は、若年層の待遇改善だけでなく、現在の40代から50代が若い頃から十分な賃金上昇を得られなかった結果も示している。
- 就職氷河期世代の不利は、新卒採用が景気変動時の雇用調整弁となり、その後の転職機会も限られていた日本の労働市場構造と結び付いている。
- 若年層の賃金上昇は、人手不足で長く働ける人材の価値が高まったことに加え、デジタル化やDXへの対応力が評価されやすいことが背景にある。
- ボーナス月の実質賃金改善は、日常生活を支える定期給与の購買力改善とは異なり、毎月の給料が増えたという継続的な実感には直結しにくい。
- 斎藤太郎氏の見解では、労働組合が雇用維持を優先し、定期昇給分を除くベースアップをほぼ要求しない期間が10年以上続いたことも賃金停滞の一因である。
- 持続的な賃上げの条件は、企業による一時的な利益還元だけではなく、恒常的な所得の増加が消費を伸ばし、企業が還元分を売上として回収できる循環を作ることである。
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Questions & Answers
Q: なぜ賃上げしても給料が増えた実感を持てないのですか?
物価の伸びに賃金の伸びが追いついていないためです。名目上の給料が増えても、同じ金額で買える量が減れば生活者の購買力は改善しません。2024年12月の実質賃金は前年同月比0.6%増でしたが、通年では0.2%減で、3年連続のマイナスとなりました。
Q: 実質賃金を継続的にプラスにするには何が必要ですか?
定期給与と残業代の伸びが、物価上昇率を継続的に上回る必要があります。ボーナスが大きく増えた月だけ実質賃金がプラスになっても、多くの人はボーナスだけで日常生活を送るわけではありません。毎月受け取る給与の購買力が改善して初めて、賃上げの実感につながります。
Q: 日本の賃金カーブはなぜ平坦になったのですか?
若年層の賃金に上昇圧力がかかる一方、中高年層の賃金上昇が鈍かったためです。人手不足で長く働ける若者の価値が高まり、デジタル化やDXへの対応力も評価されています。同時に、就職氷河期に入職した世代では、若い頃からの低い賃金上昇が累積しています。
Q: 就職氷河期世代の賃金が伸びにくいのはなぜですか?
新卒時の厳しい雇用環境が、その後の職歴と賃金に長く影響したためです。斎藤太郎氏は、新卒採用が景気変動時の雇用調整弁となり、雇用の流動性も低かったことを構造的な問題と指摘しています。新卒時に不本意な就職をしても、後から移れる選択肢が限られていました。
Q: 就職時の景気による不公平を小さくする方法は?
新卒採用への偏りを弱め、中途採用と転職の間口を広げることです。新卒時に景気が悪くても、その後に別の企業へ移る機会が十分にあれば、最初の就職環境による不利を補えます。人手不足を背景に中途採用が増えている現状について、斎藤太郎氏は良い方向への変化と評価しています。
Q: 労働組合の要求不足は賃金停滞にどう影響しましたか?
経営側は一般に、要求されていない賃上げを自発的に行う合理性が乏しいため、低い要求は低い妥結額につながりました。斎藤太郎氏によれば、定期昇給分を除くベースアップがほぼゼロの期間は10年以上続きました。直近2年は要求水準が上がり、実際の賃上げにも結び付いています。
Q: デフレ期に労働組合が賃上げより雇用を重視したのはなぜですか?
物価が下がれば、名目賃金が増えなくても実質的な購買力が上がると考えられたためです。労働組合は賃上げより雇用維持を優先し、物価が上がらないなら賃金も大きく上げなくてよいという意識を強めました。斎藤太郎氏は、このデフレマインドが長期間残ったと説明しています。
Q: 持続的な賃上げと消費拡大を両立する方法は?
一時的な還元ではなく、毎月の給与など恒常的な所得を増やし、家計が安心して消費できる状態を作ることです。家計が還元分を貯蓄に回し、企業が売上として回収できなければ、企業の還元姿勢は弱まり得ます。所得増、消費増、企業収益という循環を形成することが王道とされています。
Summary & Key Takeaways
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賃金カーブは、男性を中心に1995年より2023年のほうが平らになり、年齢とともに給与が上昇する従来の年功的な構造が弱まった。若年層は人手不足やデジタル化への適応力を背景に賃金が上がりやすい一方、就職氷河期に入職した40代から50代は、厳しい採用環境の影響がその後の低い賃金上昇にも累積している。
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名目賃金は伸びているが、生活者が重視する購買力は改善していない。2024年12月の実質賃金は前年同月比0.6%増だったものの、通年では0.2%減となり、3年連続のマイナスだった。実質賃金がプラスになった月も主にボーナスの大幅増によるため、定期給与と残業代が物価を継続的に上回らなければ、家計の実感は改善しにくい。
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斎藤太郎氏は、過去の賃上げ停滞には労働組合の要求不足とデフレ期の雇用重視が影響したとみる。労働需給、企業収益、物価からみた賃上げ環境は2013年以降に改善していたが、物価が上がらないため賃上げも不要だという意識が残った。今後は賃上げ要求を続けつつ、中途採用を広げ、恒常所得と消費が循環する構造を作ることが課題となる。
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