日本ブランドを海外で高く売るにはどうするか

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May 15, 2026
by
TBS CROSS DIG with Bloomberg
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日本ブランドを海外で高く売るにはどうするか

TL;DR

日本ブランドを海外で高く売るには、手間を品質へ変え、その価値に見合う価格を付け、需要のある市場へ直接進出することが重要である。獺祭は米国を世界展開の要所と捉え、現地生産と試行錯誤を重ねながら、日本的なものづくりをブランド価値として提示した。

Transcript

デジタル経済が非常に強い世界においてこの物を作ってる強みってどこにあると思いますか? ダサの場合は日本的なこう手間というところから離れない。 手間。うん。 はい。それはやっぱ手間をかけていいものを作ってでもそこにはいいプライスがつくんだと。 そうそう。手間をかけていいものを作るって プライスを忘れちゃうとまずい。ない。 そう。 エコラボを始まります。え、今回のテーマ はデジタル赤字に対抗できる強い日本 ブランドの作り方です。あのこの番組では デジタル赤字かなり取り上げてきました けど、ま、ガーファムですね、アメリカの IT企業に、ま、日本はやられっぱなしだ と。じゃ、どう対抗するのかという時に、 ま、今からですね、IT企業作るのは、ま 、ちょっと難しいかなと。 その時にこの日本ブランドとか日... Read More

Key Insights

  • 獺祭の米国戦略は、世界市場で影響力を得るには規模と発信力を持つ米国を避けて通れない、という桜井博志会長の判断に基づいている。
  • ニューヨーク酒蔵への投資は、当初約30億円の想定から最終的に約85億円まで膨らんだが、米国で現地生産する方針は維持された。
  • 日本的な手間は、時間を費やすこと自体ではなく、品質を高めて顧客に喜ばれ、その価値に見合う価格を得ることで持続可能な強みになる。
  • 適正な価格設定は、単なる値上げではなく、商品の価値を収益として回収し、製造や品質へ追加投資する経済循環を生み出す手段である。
  • 売れる場所で売る戦略は、国内や地元での低評価を変えることだけに時間を使わず、海外を含む需要のある市場へ直接届ける考え方である。
  • 獺祭の合理化は、工程をデータ化して各部門を明確にした結果、機械化すべき作業と、人の手間が品質を高める作業の違いを見えるようにした。
  • 海外進出の実行原則は、100%の成功を待たず、まず試して失敗を経験し、検証と改善を重ねながら前進することである。
  • デジタル赤字への対応は、単一産業による一発逆転ではなく、日本酒、工芸品、アニメ、漫画、ゲームなどの海外収益を積み上げる発想である。
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Questions & Answers

Q: 日本ブランドを海外で高く売る方法は?

手間をかけて品質を高め、その価値に見合う価格を設定し、実際に需要がある海外市場へ直接進出する方法が示されている。獺祭は日本的なものづくりを品質と世界観に結び付け、米国での販売だけでなく現地生産にも取り組んだ。価格を付けるだけでなく、収益を製造や品質へ再投資する循環も必要である。

Q: なぜ日本ブランドは米国進出を重視すべきなのか?

桜井博志会長は、米国には市場規模、経済的な力、現代の欧米文化を象徴する発信力があり、世界展開では外せないと考えている。さらに、米国で成功していなければ中国など他の大市場でも成功しにくいとの見方を示した。ただし、これは会長の事業経験に基づく判断であり、すべての商品に同じ結果を保証するものではない。

Q: 獺祭は米国進出でどのようなリスクを取ったのか?

獺祭は輸出にとどまらず、2023年にニューヨークで自社の酒蔵を稼働させた。計画は2017年に始まり、コロナ禍や建設費の上昇を挟んで、当初約30億円だった投資想定が最終的に約85億円まで拡大した。桜井会長は世界市場、とりわけ米国へ本格的に入るために必要な挑戦として語っている。

Q: 日本的な手間をブランド価値にする方法は?

手間を単なる非効率として残すのではなく、味や品質を高める工程として明確にし、顧客が納得できる価値と価格へ結び付けることが必要である。獺祭では工程をデータ化して合理性を追求した結果、機械より人が担う方が優れる部分が見えたという。人の作業を無条件に称賛するのではなく、効果が確認できる手間を残す考え方である。

Q: 高品質な商品に適正価格を付けるには?

品質向上に必要な手間とコストを価値として説明し、それを評価する市場で販売することが出発点になる。桜井会長は、手間をかけて良いものを作っても価格を忘れれば事業は続かないと述べた。価値に見合う収益を確保し、その収益をさらに品質や製造へ投入することで、値上げだけではない持続的な価格戦略になる。

Q: 海外進出ではPDCAより何を優先すべきですか?

完全な計画を待つより、まず試し、失敗を経験してから検証と改善を進める姿勢が重視されている。桜井会長は、100%の成功を求めず、恐れず海外へ出て、失敗しながら前進するしかないと述べた。計画を不要とする意味ではなく、不確実な海外市場では実行から得られる情報を次の判断へ反映するという考え方である。

Q: データ化と人の手仕事はどう両立できますか?

工程をデータ化して作業内容と結果を見えるようにすれば、機械が効率よく担える部分と、人の技術や判断が品質を高める部分を分けられる。獺祭は杜氏を置かず、素人だった社員にも説明できる製造を目指して合理化を進めた。その過程で、機械より人が作る方が優れる工程が明確になり、人員と手間を増やす判断につながった。

Q: 日本のデジタル赤字を日本酒輸出だけで補えますか?

日本酒だけでデジタル赤字全体を補うのは難しいという議論である。番組では日本のデジタル赤字を年6兆円から7兆円程度、アニメ、漫画、ゲームの年間受取額を合計約3兆円として紹介した。日本酒、工芸品、食品なども含め、複数分野の海外収益を積み上げることで赤字を減らす発想が必要だとされた。

Summary & Key Takeaways

  • 獺祭は2004年ごろに米国へ進出し、現在は把握できる範囲で世界約40カ国へ輸出している。桜井博志会長は、世界市場を目指すなら規模と影響力を持つ米国を外せず、米国で成功することが中国など他市場での評価にもつながると主張する。2023年にはニューヨークの酒蔵を稼働させ、輸出だけでなく現地生産にも踏み込んだ。

  • 獺祭のブランド価値の核は、日本的な手間をかけて良いものを作り、それに見合う価格を得ることにある。単に高値を付けるのではなく、得た収益を品質や製造へ再投資し、価値の循環を成立させる必要がある。国内で評価されない商品に固執するより、海外を含む需要のある場所で販売し、その成果を地域や産業へ還元するという考え方である。

  • 製造では精神論だけに頼らず、杜氏を置かない酒造りを進める過程で工程をデータ化し、社員に説明できる合理的な仕組みを整えた。その結果、各工程が明確になり、機械より人が担う方が優れる作業も見えたという。海外進出でも完全な成功計画を待たず、まず試し、失敗から修正する姿勢を重視する。日本は酒、工芸品、コンテンツなど複数の強みを積み上げるべきだと議論された。


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