なぜ人は神や推しを信じるのか?宗教認知科学の答え

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July 31, 2026
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TBS CROSS DIG with Bloomberg
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なぜ人は神や推しを信じるのか?宗教認知科学の答え

TL;DR

人が神や推しを信じる背景には、特別な存在への敬意、意味を与える物語、儀礼的な活動、仲間との組織化がある。合理性だけでは捉えきれない信仰の力を、心理学や哲学、脳科学などを含む宗教認知科学から理解できる。

Transcript

クロスをご覧の皆さん、こんにちは。今回 のヒューマンイサとテーマは神を生み出す 脳[音楽]です。人はなぜ神を信じるのか という問に対して皆さんどう思いますか? 自分は神を信じていないからよくわから ないし、そういう一見非合理的に見える ことはなくしていった方が世の中良くなる んじゃないかと。ま、そういう風に思った 方もいるかもしれません。そういう意見も 確かによく聞きます。 でもだからこそ信じることで生まれる大きな力の厳選ですとかメカニズムについて知る必要があるんじゃないかということで、え、今日はですね、この神を生み出すのという本を書かれた、え、富士井平さんにお越しいただきました。富士さんよろしくお願いいたします。 [音楽] [音楽] よろしくお願いします。 藤井さんは宗教認知科学がご専門の... Read More

Key Insights

  • ・宗教認知科学は、心理学、哲学、脳科学などの知見を組み合わせ、神への信仰や儀礼が生まれる理由を研究する21世紀の新しい研究分野である。
  • ・日本人の無宗教意識は、宗教を団体への所属として捉える見方と結び付いており、初詣や占いなどの日常的な宗教行動まで否定するものではない。
  • ・推し活は、個人や組織を重要視し、直接的な利益や見返りを求めず、対象の意図にできるだけ沿って行動する趣味活動として整理できる。
  • ・推し活と宗教は、カリスマ的な対象への熱狂、仲間との交流、外部への勧誘、集団の拡大、運営側の意図に従う行動という構造を共有する。
  • ・宗教の基本要素は、超自然的存在、信念、物語、活動、組織の五つであり、すべてがそろわない幽霊体験なども部分的に宗教的と評価できる。
  • ・聖地巡礼は、対象への応援だけでなく、重要な出来事が起きた場所で物語を追体験し、自分自身の経験に意味を与える活動として理解できる。
  • ・ナラティブは、語り手の主観的経験や見方によって意味付けされた物語であり、情報を伝えるだけでなく、自己変容や他者の共感を促す機能を持つ。
  • ・SCP財団は、多数の参加者が世界観を共同構築し、真実かもしれないという半信半疑の感覚を伴うことで、通常の創作より神話に近い性質を帯びている。

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Questions & Answers

Q: 宗教認知科学とは何ですか?

宗教認知科学は、心理学、哲学、脳科学などの知見を取り入れ、宗教を科学的に研究する21世紀の新しい分野である。なぜ人は神を信じるのか、なぜ儀礼を行うのかといった広い問いを立て、人間の認知や心の働きから宗教的現象を分析する。

Q: なぜ日本人は初詣をしても無宗教だと考えるのですか?

無宗教という自己認識では、宗教が主に教団や団体への所属として理解されているためである。2018年のNHK放送文化研究所の調査では、仏教が31%、神道やキリスト教などを合わせても所属者は約35%だった。一方、初詣や占いまで含めれば、多くの人が広い意味で宗教的な行動に関わっている。

Q: 推し活はなぜ宗教に似ているのですか?

推し活は、特別視された個人や組織を中心に人が集まり、見返りを求めず支援し、仲間と交流しながら活動を広げる点で宗教に似ている。対象の意図に沿って行動することや、他人に推しを勧めること、経歴や成功までの物語を共有することも、信仰共同体の構造と重なる。

Q: 推し活とオタク的な趣味の違いは何ですか?

推し活では、推し本人や運営側の意図をできるだけ実現しようとする従順さが比較的強い。一方、オタク的な趣味では、作品や企業の方針をそのまま受け入れず、独自の解釈や創作を展開する場合がある。単にグッズを買うかどうかではなく、対象との関係や活動姿勢に違いがある。

Q: 宗教を構成する五つの要素とは何ですか?

五つの要素は、神、仏、聖人、霊などの超自然的存在、教義や迷信を含む信念、聖典や神話、陰謀論などの物語、祈りや儀礼、布教、呪術などの活動、そして教団、教会、神社、教育機関などの組織である。典型的な宗教はこれらを備えるが、すべてが必須ではない。

Q: 聖地巡礼が宗教的だと考えられるのはなぜですか?

聖地は、奇跡や重要人物の活動など、意味のある出来事が起きた場所として重視される。漫画の舞台を訪れる聖地巡礼でも、現地に登場人物が実在しなくても物語を思い起こし、出来事を追体験できる。対象への熱狂とは異なり、自分の経験を中心に意味を作る点が特徴である。

Q: 物語や体験談はなぜ信念を広げやすいのですか?

主観的経験を含むナラティブは、単なる情報ではなく、出来事に意味を与え、語り手自身を変え、聞き手の共感を呼ぶ働きを持つ。体験者は自分が感じたことを疑いにくく、その切実さが他者にも直接伝わりやすい。客観的説明より物語の方が受け手に入りやすいことも、信念の共有を支える。

Q: SCP財団は宗教や神話に近いのですか?

SCP財団は創作として始まったため、最初から真実の物語として信じられた神話とは異なる。ただし、多数の参加者が共通の世界観を少しずつ構築し、作者が一人に定まらない点は集合的な神話形成に近い。ホラーとして、実在したら怖いという半信半疑の感覚で楽しまれることも、神話的な性質を強めている。

Summary & Key Takeaways

  • 宗教認知科学は、心理学、哲学、脳科学などの知見を取り入れ、なぜ人が神を信じ、儀礼を行うのかを研究する新しい枠組みである。仏教やキリスト教のような組織宗教だけでなく、占い、初詣、妖怪、幽霊なども広い意味での宗教的現象として扱う。

  • 推し活は、対象を特別視し、見返りを求めず支援し、仲間と交流しながら活動を広げる点で宗教に似ている。推しの意図に沿おうとする従順さ、カリスマを中心とする個人崇拝、ファンダムの形成、経歴や成功物語の共有も宗教的構造と重なる。

  • 宗教は、超自然的存在、信念、物語、活動、組織という五つの要素から分析できる。すべてがそろう必要はなく、幽霊の体験談や聖地巡礼、SCP財団の共同創作にも一部の要素が見られる。特に主観的経験を含む語りは、出来事に意味を与え、共感と信念を生みやすい。


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