住まない買い手はなぜマンション価格と街を壊すのか

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September 17, 2026
by
TBS CROSS DIG with Bloomberg
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住まない買い手はなぜマンション価格と街を壊すのか

TL;DR

都市部のマンション高騰には、居住せず資産保有や転売を目的とする買い手の増加が関係している。短期転売の主体は法人が中心で、非居住所有が広がると、実需層の購入機会だけでなく、管理組合の運営や修繕、自治体の人口と税収にも影響が及ぶ。

Transcript

クロスディグ不動産。今回のテーマはズバり済まない手が日本をむばむというタイトルでお送りしてまいります。ゲストをご紹介しましょう。名治学教授の野沢千恵さんです。よろしくお願いいたします。 よろしくお願いします。 野沢さんはですね、今年の 8 月にこちらマンション高の真実帯に書いているのが買いしめてるのは誰だというね、え、こういうご本を出されましたけれども、この内容に行く前にですね、最新のデータがね、つい先日出たんですよね。 はい。そうなんです。 あの、国土交通省さんが去年もあの、実はやってるんですけども、今最新の、ま、例えば国外に住所があるあのものの新築マンション取得の状況であったり、今回新しく中古マンションの話とかも調査されているので、あの、非常にビッグデータとしての心憑性の高い、あの、こう... Read More

Key Insights

  • 国外住所の買い手による取得率は、2025年に多くの地域で2018年以降の最高値となり、東京23区全体で2.8%、都心6区で5.9%に達した。
  • 千代田区の国外住所者による新築取得率は15.4%で、渋谷区は11.1%、新宿区は9.5%となり、都心の一部では約10戸に1戸以上を占める。
  • 国外居住者の構成は台湾住所が50%を占め、台湾情勢への懸念を背景とした資産分散や、観光時にも使える資産保有が購入目的として考えられる。
  • 短期転売の割合は、2024年の新築マンションで東京23区が9.7%、都心6区が12.1%となり、件数と割合の双方で2018年以降の最高を記録した。
  • 短期転売と価格上昇率には相関係数0.87の強い関係が示され、取得費や税金を上回る価格で転売が重なるほど、物件価格が押し上げられる構造である。
  • 短期転売の主体は、中古マンションで約97%が法人、新築マンションでも8割超が法人であり、国外居住者だけを問題の中心とみなす見方は実態と異なる。
  • 大阪の新築マンション事例は、竣工後11か月間の転売で住む人へ渡った住戸が一つもなく、法人や非居住個人から別の投資主体へ所有権が移った実態を示す。
  • 非居住所有の増加は、管理組合総会の定足数不足、大規模修繕の意思決定停滞、漏水や火災の発見遅れ、居住人口と住民税収の伸び悩みにつながる。

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Questions & Answers

Q: 国外に住所がある人は都市部の新築マンションをどの程度買っていますか?

国土交通省の2025年データでは、取得率は東京23区全体で2.8%、都心6区で5.9%だった。区別では千代田区15.4%、渋谷区11.1%、新宿区9.5%で、多くの地域が2018年以降の最高値を記録している。ただし国外住所者には日本人が含まれる可能性もある。

Q: 海外のマンション購入者はどの国や地域に多いのですか?

国外居住者の住所別では台湾が50%を占め、中国よりも多かったとされる。イギリスやアメリカに住所を持つ購入者も増えている。台湾住所者が多い理由として、台湾情勢への懸念を踏まえた資産分散、日本訪問時の利用、円安や値上がりを見込んだ資産保有の可能性が挙げられた。

Q: 国土交通省の国外居住者データが実態より少ない可能性があるのはなぜですか?

調査が確認しているのは、新築マンションを最初に取得した人の住所だからである。国内住所の法人や非居住個人が最初に購入し、その後、国外居住者へ転売した場合は当初の取得率に含まれない。大阪の事例でも、国内の買い手から台湾在住者へ移った住戸が4件確認されている。

Q: マンションの短期転売はどの程度増えていますか?

取得後1年以内に売却された新築マンションの割合は、2024年に東京23区で9.7%、都心6区で12.1%だった。これはおおむね東京23区で10戸に1戸、都心6区で8戸に1戸に相当し、調査対象の2018年以降で件数と割合の双方が最高となった。

Q: 短期転売はなぜマンション価格の上昇につながるのですか?

転売する買い手は取得時の税金や費用を回収して利益を出すため、購入価格より2割から3割以上高く売ろうとする場合がある。転売が次の転売へ連鎖すれば価格は段階的に上がる。紹介された分析では、転売の発生と価格上昇率の相関係数は0.87で、強い関係が示されている。

Q: 短期転売を行っているのは個人と法人のどちらですか?

国土交通省のデータでは、中古マンションの短期転売に関与する主体の約97%が法人だった。東京23区の新築マンションでも8割超が法人による取引である。調査された法人にはウェブサイトを持たない例もあり、国外居住者だけでなく、実態が見えにくい国内法人が転売の中心にいる。

Q: 法人が個人より短期転売をしやすいのはなぜですか?

個人の不動産譲渡は、所有期間が5年未満か5年を超えるかで税率が大きく異なるため、短期売却には高い税負担がかかる。一方、法人には同じ短期と長期の区分がなく、法人税として扱われ、経費も計上できる。現金購入や金融機関からの融資により、価格交渉や住宅ローン審査が必要な実需層より取得で有利になりやすい。

Q: 住まない所有者が増えるとマンションと街に何が起きますか?

非居住所有者が増えると管理組合総会の参加者が足りず、大規模修繕などを決定できない場合がある。理事の負担が少数の居住者へ集中し、火災や漏水の発見が遅れる懸念もある。神戸市ではタワーマンションの40階以上で住民票なしが34%に達し、人口や住民税収が増えない都心の空洞化も問題となる。

Summary & Key Takeaways

  • 国土交通省の調査では、2025年に国外住所の買い手による新築マンション取得率が多くの地域で2018年以降の最高値となった。東京23区全体は2.8%、都心6区は5.9%で、千代田区15.4%、渋谷区11.1%、新宿区9.5%だった。ただし調査対象は最初の取得者であり、その後に国外居住者へ転売された物件は反映されないため、実態はさらに多い可能性がある。

  • 短期転売も拡大しており、2024年に取得から1年以内で売却された新築マンションは東京23区で9.7%、都心6区で12.1%に達した。中古マンションの短期転売では法人の関与が約97%、新築でも8割超を占める。法人は個人と異なり短期と長期で譲渡時の税率区分がなく、現金購入や融資を使って実需層より有利に物件を取得しやすいと説明された。

  • 非居住所有の増加は、価格高騰だけでなくマンション管理と都市経営にも影響する。所有者が総会に参加せず定足数を満たせなければ、大規模修繕などを決められない。神戸市の調査では、タワーマンションの40階以上で住民票がない住戸が34%、全体でも約17%だった。住宅供給を増やしても実際の居住人口や住民税収が増えず、都心が空洞化する懸念が示された。


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