経営者が事業成功後の憂鬱を乗り越えるには

TL;DR
事業が順調でも個人の充実は自動的には得られないため、成長を支えた怒りを、長く維持できる愛や偏愛へと捉え直すことが重要である。片石貴展は「若者帝国」から「偏愛帝国」へ旗印を変え、経営者と表現者を往復しながら次の欲望を探している。
Transcript
今夜のゲストはゆと君です。 よろしくお願いします。ジョジ企業の社長をやってまして、アパレル業界最年勝ジョジを 30歳の時にして 調子いい。 うん。業績はいいですね。 業績はっていうのは何の含みなの? その業績と個人のムードってまた全然違うじゃないですか。新しい自分のビジョン、大きいテーマが今日見つかったらいいなっていうの。僕もかなりメタ的な人間です。この僕のメテを超えれる視があるのか。 これゆとり君の今現時点における最大の成果ってえ、自分だと何だと思って? 怒りと愛って僕エネルギー同じだと思ってて、 愛という概念を 少しずつ理解できるようになったっていうか。 へえ。それはなんでそこに気づいたの?早くない?愛に気づくの。な んでなんですかね?理解者とか共感者があんまりなかったって感じなの? あ... Read More
Key Insights
- 会社の業績と経営者の気分は別物であり、今期180億円を目標に事業が成長していても、片石貴展の個人的な状態は絶好調ではなく、ニュートラルに軽く憂鬱だと語られている。
- 「若者帝国」は、2023年12月27日の上場時に、当時約40億円だった年間売上を100億円規模へ伸ばす野望と、達成後も先を見続ける姿勢を示すために掲げられた言葉である。
- 「偏愛帝国」は、32歳となった片石が若者という枠を越え、300億円や500億円の規模を狙うために選んだ、従来の「若者帝国」を内包する抽象度の高い旗印である。
- 怒りと愛は、片石にとって同じマグマのような熱源から生まれるエネルギーであり、怒りは瞬発的な表現、愛は時間をかけて維持され、遅れて伝わる表現として区別されている。
- 創業期の怒りは、好きなことでは稼げない、楽しそうなら本気ではないといった二項対立に自分たちを当てはめられ、活動の価値を理解されないことへの反発から強まったものである。
- 事業拡大は、若い会社の買収、上場への挑戦、ストリート文化やヒップホップ的な成り上がり精神の吸収を通じて、片石自身と会社をより強く尖った存在へ変化させた。
- センスは、投入した資本と結果を良い意味で無関係にする力だと片石は定義しており、安価な古着でも格好よく見せられるかどうかには、資金より自己理解が関係すると述べている。
- 本気の表現は、再生数などの結果だけでなく、自己防衛的な姿勢を外して情熱を注いでいるかによって評価され、片石は結果が出なくても全力で作られたものを格好いいと捉えている。
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Questions & Answers
Q: 会社が順調なのに経営者が憂鬱になるのはなぜですか?
会社の業績と経営者個人の気分は、同じ速度では変化しないからです。片石貴展は事業が好調で、今期180億円を目標にしている一方、自身の状態を絶好調ではなく、ニュートラルに軽く憂鬱だと表現しています。既存の目標を達成して会社が拡大しても、本人が次に欲する大きなテーマや表現の方向が言語化されていなければ、充実感は自動的には生まれません。
Q: 成功後に経営者が次のビジョンを見つける方法は?
過去に自分を動かした感情と、現在も長く続けられる欲望を分けて言語化することが一つの方法です。片石貴展は、若さや怒りを軸にした「若者帝国」が現在の自分と事業規模に合わなくなったと認識し、それを内包する「偏愛帝国」へ更新しました。過去の旗印を否定するのではなく、年齢、事業領域、目指す規模の変化に合わせて抽象度を上げています。
Q: 「若者帝国」を「偏愛帝国」に変えた理由は何ですか?
若者という属性だけでは、現在の片石貴展と今後の事業構想を十分に表せなくなったためです。「若者帝国」は上場時に100億円規模を想定した言葉でしたが、前期売上が約140億円となり、本人も32歳になりました。今後300億円や500億円を狙い、アパレル以外のコスメやキャラクター事業も含めるには、若者を内包しながら対象を広げられる「偏愛帝国」の方が適していると考えています。
Q: 怒りを持続的な経営の力へ変える方法は?
怒りの根にある強い関心を、守り育てたい対象への愛や偏愛として捉え直す方法が示されています。片石貴展は、怒りと愛を同じ熱源から生まれるエネルギーと考え、怒りは瞬発的で維持しにくい一方、愛は長い時間をかけて続き、後から伝わるものだと整理しています。怒りそのものを無理に維持せず、その奥にある価値観を長期的な旗印へ変換する発想です。
Q: 片石貴展の創業期の怒りは何に向けられていたのですか?
好きなことと収益、本気と楽しさを対立させる固定観念に向けられていました。片石貴展は、好きなことをしていたら稼げない、楽しそうな会社だから本気ではないといった枠組みに当てはめられることを嫌い、自分たちの価値を分からせたいと考えました。夢中で取り組むからこそ価値を突き詰められ、それが顧客に届いて会社の成長にもつながるという立場を取っています。
Q: 片石貴展が考えるセンスとは何ですか?
センスとは、投入した資本と得られる結果を良い意味で無関係にする力です。片石貴展は、全身を安価な古着でそろえても格好よく見える人と、高価なブランドを着ても格好よく見えない人を例に挙げています。その差を生む前提は自己理解であり、言葉でも服でも、何を選ぶかだけでなく、誰が語り、誰が着るかによって受け取られ方が変わると説明しています。
Q: 経営者と表現者を両立するには何が必要ですか?
他者や事業を編集するだけでなく、自分自身も評価される表現に本気で取り組む姿勢が必要です。片石貴展は、才能のある人を集めて一緒に創作するプロデューサーである一方、音楽、執筆、YouTubeなどでも個人として発信しています。対話では、自己防衛的なポーズが見える表現は愛しにくく、結果の大小にかかわらず、全力で情熱を注いだ表現には価値があると語られています。
Q: 事業拡大によって経営者の価値観はどう変化しますか?
新しい人材や文化を組織に迎えることで、経営者自身の表現や会社の旗印も変化します。片石貴展は、20代前半のメンバーが中心となる会社の買収、上場への挑戦、ストリート文化やヒップホップ的な成り上がり精神の吸収を通じて、会社と自分を強く尖らせました。その後、ブランドや事業領域が広がったことで、怒りによる武装だけでなく、多様な対象を偏った愛で包み込む方向へ移っています。
Summary & Key Takeaways
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株式会社yutoriはアパレル約30ブランド、コスメ1ブランドに加え、キャラクター事業も本格化させ、片石貴展は今期180億円を目標に掲げている。一方、本人の気分は絶好調ではなく、ニュートラルに軽く憂鬱だという。会社の業績と経営者個人のムードは別物であり、事業の拡大だけでは次に進むためのビジョンや充実感まで自動的に生まれないことが、対話の出発点となった。
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上場時に掲げた「若者帝国」は、当時約40億円だった年間売上を100億円規模へ伸ばす野望を示す言葉だった。しかし、前期売上が約140億円となり、本人も32歳を迎えたことで、300億円や500億円を視野に入れる新たな旗印が必要になった。そこで選んだ「偏愛帝国」は、若者という属性を越え、多様なブランドや人材を包み込みながら、特定の対象への強い情熱を持続させる構想である。
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創業後の片石には、好きなことでは稼げない、楽しそうな会社は本気ではないという二項対立への怒りがあった。その怒りは、外部に価値を分からせ、上場まで会社を加速させる力になったが、本人は現在、その熱源を偏った愛として捉える方が長続きすると考えている。経営者として他者を編集するだけでなく、自らも音楽、執筆、発信を行う表現者であり続け、自己防衛を外して情熱を注げる対象を探すことが次の使命になっている。
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