小島秀夫が語る良いゲームの条件と創造性

TL;DR
良いゲームの条件は、作り手の愛に加え、プレイヤーが用途や攻略法を自ら発見でき、何度でも戻りたいと思える世界を備えることである。小島秀夫は、物語、テーマ、ゲームデザインを一体で考え、多様な刺激と反復的な実機調整によって作品を磨くと語る。
Transcript
こんにちは。ゲームクリエイターの小島秀 です。え、今日は小島秀に関する質問にお 答えします。Thisis秀吉小島 サポート。 [音楽] 最初の質問です。え、小島さんが思う良い ゲームの条件とは?まずで作り手の愛が ある。これ1つなんですけど、あとこれ インタクティブなんで、例えば1つの アイテムがあって、それを1つの使い方を します。で、それで終わりではなくて、 そのプレイヤーが考えてこの使い方であっ たら他の使い方もあるのかなっていう試し ます。するとそれが用意されてると、お、 このことできると。で、じゃあこれはこう 使えるのかなっていうので使うとそれも 用意されてるっていうあのそういうなんか 自由度ですね。の、え、プレイヤーが自ら 発見してその仕様がその中に含まれてて、 え、ま、全員は全... Read More
Key Insights
- 良いゲームの第一条件は作り手の愛であり、プレイヤーが一つの道具から別の用途を推測し、実際に試すと応答が返るような発見の自由度も重要である。
- 繰り返し遊びたくなるゲームは、物語の強さだけでなく、翌日も戻りたいと思える世界観、操作感、臨場感、日常ではできない行動を体験できる空間を備えている。
- 専門知識の基盤は、文献、ドキュメンタリー、ニュースなどを通じた日々の学習であり、企画が発展した段階で図書館やインターネットを使って詳しく調べられる。
- 最終調整は、完成した要素を統合して最初から最後まで何度も遊び、操作、映像、音、ゲーム性、マップ、難易度、物語のリズムをプレイヤー視点で直す工程である。
- 『デス・ストランディング』の設計は、死者との遭遇が爆発を起こして人々が孤立する世界と、その人々をつなぐ配達という遊びを、物語やテーマと一体で考えている。
- ゲーム制作者に必要な資質は、ゲーム作りへの強い関心と、人を喜ばせたり驚かせたりするサービス精神であり、多様なプレイヤーの行動を予測する姿勢である。
- 小島秀夫によれば『MGS2』はAIの予言ではなく、劣化せず残るデジタルデータと、ネットで意見が直接交換される社会が生活に及ぼす影響を描いた作品である。
- 創造性は特別な行為ではなく日常生活の一部であり、映画、本、美術館、会話、移動や視点の変更から得た刺激に反応し、考えたものを形にする継続的な営みである。
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Questions & Answers
Q: 良いゲームを作るために必要な条件は何ですか?
良いゲームには、作り手の愛と、プレイヤーの試行錯誤に応える自由度が必要です。一つのアイテムに明示された用途だけでなく、別の使い方を推測して試したときにも仕組みが反応すると、プレイヤーは自ら可能性を発見できます。全員がすべての仕掛けを使う必要はなく、発展的な遊びを各所に用意することが重要です。
Q: 何度でも遊びたくなるゲームを作る方法は?
何度でも遊びたくなるゲームを作るには、プレイヤーが翌日も戻りたいと思える空間を設計します。小島秀夫は、物語そのものよりも世界観、操作感、臨場感を重視し、その世界に長く滞在して試したくなる状態を挙げています。日常とは異なる存在になり、普段できないことを実行できる体験も再訪の動機になります。
Q: ゲームに使う科学や歴史の知識を調べる方法は?
科学や歴史の知識は、企画が始まってから一度に集めるのではなく、日頃から文献を読み、ドキュメンタリーやニュースを見ることで蓄えます。そこから特定の題材を発展させる必要が生じた場合は、図書館やインターネットでさらに詳しく調査します。小島秀夫は専門家のアドバイザーがいないため、この方法で自ら学んでいると説明しています。
Q: ゲーム完成前の最終調整では何を確認しますか?
最終調整では、実際にコントローラーを握り、ゲームの最初から最後まで何度もプレイして全体を確認します。対象は操作感、グラフィック、キャラクターモデル、アニメーション、効果音、音楽、ゲーム性、エフェクト、マップなどです。画面やカメラの見え方、再生環境ごとの音量、難易度、物語のリズムや演出も修正されます。
Q: 『デス・ストランディング』の世界観と配達はどう生まれましたか?
『デス・ストランディング』では、まず死者が戻り、死者との遭遇によって爆発が起こる謎の現象が考えられました。その結果、人々が外出を避けて孤立するため、主人公のサムが人々をつなぐ遊びとして配達が選ばれました。ただし小島秀夫の制作では、世界観だけが独立して先行するのではなく、物語、テーマ、ゲームデザインがほぼ同時に構想されます。
Q: ゲームクリエーターに必要な才能とは何ですか?
ゲームクリエーターに必要なのは、ゲーム作りを心から好きであることと、人を喜ばせたり驚かせたりしたいというサービス精神です。ゲームでは映画と違って制作者が時間の流れを完全には決められず、プレイヤーが自由に動きます。そのため、多様な行動を想像して先回りし、反応や仕掛けを用意する、アトラクション設計に近い感覚が求められます。
Q: 『MGS2』はAI社会を予測した作品なのですか?
小島秀夫によれば、『MGS2』はAIそのものを予測した作品ではなく、デジタル社会を扱った作品です。アナログ情報がデジタル化されると、SNSの投稿や落書きのような情報まで劣化せず残り、ネットを介して人々が直接意見を交換できます。その環境が生活をどう変えるかを考えた物語であり、望ましくない未来が現実味を帯びてきたと述べています。
Q: 新しいアイデアや世界観を生み出す方法は?
新しいアイデアを生むには、自分に継続的な刺激を与え、普段と異なる視点で物を見ることが有効です。小島秀夫は映画、本、美術館、博物館、人との会話、出張を兼ねた旅行などから刺激を得ています。さらに、電車で反対方向へ行く、後ろ向きに歩く、違う角度や子供の視線から道を見るなど、風景の捉え方を意図的に変えています。
Summary & Key Takeaways
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良いゲームには作り手の愛と、プレイヤーの試行に応える自由度が必要である。アイテムに複数の使い方や発展的な仕組みを用意すると、全員に強制せずとも自発的な発見が生まれる。繰り返し遊びたくなる作品には、物語だけでなく、操作感や臨場感、自分の日常とは異なる行動が可能な世界を設計し、翌日もその空間へ戻りたいと思わせることが重要になる。
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小島秀夫の制作では、物語、テーマ、ゲームデザインがほぼ同時に構想される。『デス・ストランディング』では、死者との遭遇が爆発を招き、人々が孤立する世界を先に考え、孤立した人々をつなぐ行為として配達を選んだ。専門知識は日常的な読書、ドキュメンタリー、ニュース、図書館やインターネットでの追加調査から蓄え、企画に必要な形へ発展させている。
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完成前の約1年は、ゲームを最初から最後まで繰り返しプレイし、操作感、映像、モデル、アニメーション、音、ゲーム性、エフェクト、マップ、物語のリズムまで総合的に修正する。創造性を保つためには、映画、本、美術館、人との会話などから刺激を得るだけでなく、反対方向の電車に乗る、後ろ向きに歩く、子供の視線で風景を見るなど、意図的に物の見方を変えることも有効である。
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