敵をデザインする経営とは?山口周が語る新戦略

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July 10, 2024
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敵をデザインする経営とは?山口周が語る新戦略

TL;DR

21世紀に存在感を持つ企業は、顧客の声ではなく「敵」を設定して人を集めている。テスラは化石燃料依存、パタゴニアは大量生産大量消費を敵と置き、市場がない段階から少数派の強い共感を得てイメージを独占した。まず5%が強く共感するアジェンダを掲げることが出発点になる。

Transcript

だで今ね敵をデザインするってのすごく 重要でおおパーパスとかビジョンって みんなポジティブなこと言うんだけどはい 人を集めるのに成功してるところて敵を 設定するのがすごく上手なんです よ21世紀にね入ってから存在感がある 会社っていうのを並べてみると実はある 特徴がある例えばテスラって創業当初から 化石燃料依存に収支付打つってこと言って ですなんでこんなこと言い出したの Appleもまそういう意味で言うと市場 調査やらない会社なんで顧客の声聞いて ないわけですよね全然スタンダードプラズ の時価総額の今合計って実物資産であの 説明できるの大体1割ぐらいしかないん ですよだ9割はもう期待なんですよであの ピーターティールがねいいこと言ってて Facebookに最初期の投資をやっ たりとかま投資家... Read More

Key Insights

  • 21世紀に存在感のある企業の共通点は、敵を設定するのが上手いことである。パーパスやビジョンをポジティブに語るだけでは人は集まらない。
  • テスラは2003年の創業当初から、化石燃料に依存する文明のあり方に終止符を打つと掲げており、顧客の要望から出た言葉ではない。
  • 電気自動車の市場は当時存在せず、日本の自動車会社のコンサル案件でも「市場はない」という結論だったが、テスラは時価総額世界最大の自動車会社になった。
  • 少数派が支持している段階で言い出すと、そのアジェンダのイメージのマーケットを先取りでき、市場が広がった時にドミナントリーダーになれる。
  • デンマークは約98%が中小企業で、50人や100人規模の会社がグローバル市場で高収益を上げ、世界競争力ランキングでトップクラスにいる。
  • 日本の1人当たりGDPは2000年に2位だったが2023年に32位まで落ちており、2022年の28位から1年で4位下げている。
  • S&P500の時価総額合計のうち実物資産で説明できるのは約1割で、残りの9割は問題解決への期待値である。
  • クリティカルビジネスの顧客は批判の対象であり、要望を全肯定するアファーマティブビジネスとは前提が逆になる。

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Questions & Answers

Q: 敵をデザインするとはどういう意味ですか?

自社が何にカウンターを打つのかを明確に設定することです。パーパスやビジョンはポジティブな言葉になりがちですが、人を集めるのに成功している企業は敵の設定が上手いと山口氏は指摘します。テスラの敵は化石燃料、パタゴニアの敵は大量生産大量消費、Googleの敵は情報へのアクセスを阻むルールです。同じ敵を持つ人は一気に結束し、エンゲージメントの高い人が集まります。

Q: クリティカルビジネスとは何ですか?

世の中が当たり前だと思っていること、仕方がないと諦めていることに対して「それっておかしくないですか」と批判をぶつけ、それを社会運動ではなくビジネスとして行うやり方です。クリティカルは批判を意味し、肯定ではなく批判が鍵になります。社会的コンセンサスがまだ取れていないため原理的に少数派から始まり、そこが先行者利益の源泉になります。

Q: なぜ顧客の声を聞くだけでは新しい商品が生まれないのですか?

先進国では8割から9割の人が日常生活に特に不満はないと答える状態になっており、顧客に問題を聞いても出てこないからです。企業は問題を解決してお金を作るため、問題がなくなると行き詰まります。2007年に販売された日本の携帯電話は3000サンプル規模で顧客の声を聞きまくった結果、どの会社も同じようなものを出すようになり、タッチパネルを入れようとすると顧客に怒られる状態になりました。

Q: テスラはなぜ市場がない時期に電気自動車を始められたのですか?

顧客の要望ではなく、自分たちが化石燃料に依存する社会はおかしいと思うから、という独善的な動機で始めたからです。山口氏がコンサルティング業界で日本の自動車会社と電気自動車を検討した当時、結論は市場はないというもので、欲しいと言う人は世の中に1人もいませんでした。テスラはその2003年に創業し、支持した少数派によって離陸しました。

Q: 少数派向けのビジネスでもスケールしないと成功できないのですか?

いいえ、ビジネスではスケールよりも儲かることが重要だと山口氏は述べます。少数派なら少数派なりの構えにして利益が出る形にすればよく、市場の100%でなくても5%が強く共感すれば十分マーケットになります。ひたすらスケールを追い求める拡大路線は、戦略が暴走する大きなきっかけになります。

Q: デンマークが世界競争力ランキングで強い理由は何ですか?

経済のほぼ98%が中小企業で、1社50人や100人という小さな会社がグローバルマーケットに打って出て、非常に収益率の高いビジネスを作っているからです。デンマークは去年1位、今年は3位程度です。1社が潰れた時の雇用ロスが小さく、競争力のある小規模企業が多数存在する構図が安定性を生んでいます。

Q: 日本の1人当たりGDPはどのくらい下がったのですか?

2000年には世界2位でしたが、2023年には32位まで落ちています。2022年が28位だったので1年で4位下げた計算です。先進国の定義は1人当たりGDPで40位までとされており、このペースならタイムリミットまであと2年ほどという話になります。オランダは日本の約1.5倍の1人当たりGDPを、日本の3分の2程度の労働時間で達成しています。

Q: ピーター・ティールが起業家にする質問とは何ですか?

「世界に関するアジェンダのうち、みんなが認めていないけれども自分にとってはとても重要だと思えるアジェンダは何ですか」という質問です。これはまさにクリティカルビジネスを問うもので、社会的コンセンサスがまだ取れていない領域ならマーケットが大きくなる可能性があり、ファーストムーバーとして取り組めます。すでにソーシャルになったアジェンダはスタートアップには得策ではないという含意です。

Summary & Key Takeaways

  • 21世紀に存在感を持つ企業には共通点がある。テスラは2003年の創業当初から化石燃料に依存する文明に終止符を打つと掲げたが、当時電気自動車を欲しがる人は誰もおらず、市場は存在しなかった。それでも少数派の支持で離陸し、今では時価総額世界最大の自動車会社になっている。パタゴニアも80年代の少数派だった時期から言い始め、環境問題のイメージを独占した。少数派の段階で旗を立てることで、市場が広がった時のドミナントリーダーになれる。

  • 人を集めるには敵をデザインすることが有効である。パーパスやビジョンはポジティブな言葉になりがちだが、共通の敵がある時に人は一気に結束する。テスラの敵は化石燃料、パタゴニアの敵は大量生産大量消費、Googleの敵は情報へのアクセスを阻むものである。何にカウンターを打つのかをはっきりさせることがクリティカルビジネスのポイントで、クリティカルは批判を意味する。ソーシャルビジネスが社会的コンセンサスの上に立つのに対し、クリティカルビジネスは原理的に少数派から始まる。

  • 先進国では8割から9割の人が日常生活に不満を持たず、顧客に問題を聞いても答えが返ってこない。問題とはありたい姿と現状のギャップなので、企業側がありたい姿を描かなければ問題は生まれない。ギャップが大きいほど解決による利益も期待も大きくなり、それが時価総額に反映される。ピーター・ティールは起業家に「みんなが認めていないが自分には重要なアジェンダは何か」と問う。すでにソーシャルになったアジェンダに後乗りすると、レッドオーシャンに入るうえ、先行者の意味的価値を高めるだけになる。


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