Learning

Anki vs Quizlet:2026年に使うならどちら?

Anki と Quizlet のどちらを選ぶかは、どれだけ長く覚えておく必要があるかで決まります。Quizlet はすぐに始められて、共有も簡単です。Anki は慣れるまでに1週間かかりますが、その後は、一枚一枚のカードを、忘れかける直前にもう一度見せてくれます。

16分で読めます
重要なポイント
    • 何か月も覚えるなら Anki、今週のためなら Quizlet: Anki は、医師国家試験、語学、そのほか何年も覚えておく必要があるものに向いています。Quizlet は、数日後に迫ったテスト、すでに学習セットを共有しているクラス、そして手間のかかるアプリだと途中でやめてしまいそうな人に向いています。
  • 今はどちらも復習のスケジュールを組むが、やり方は同じではない: Anki では、どの端末でもスケジュール管理が中核にあり、アプリはオフラインでも動きます。Quizlet は2026年8月に新しい Spaced Repetition(間隔反復)機能を発表しましたが、ヘルプセンターでは今もウェブサイト限定とされ、復習日をどう決めているのかも説明されていません。
  • 学生は間隔を空ける効果を過小評価し、カードを早く外しすぎる: Nate Kornell による2009年のフラッシュカードの研究では、参加者の90%で、間隔を空けた学習のほうが、まとめて学習するよりも良い結果になりました。それなのに、どちらが効いたかについて意見を持っていた人の72%は、まとめて学習したほうが効果的だったと考えていました。
  • どちらのアプリを使うにしても、カードは自分で作る: Steven Pan らによる6つの実験では、2日後に学生が覚えていた量は、既製のフラッシュカードより自作のフラッシュカードのほうが多くなりました(6つのうち5つの実験で上回り、定義の想起では全実験を合わせて d = 0.45)。既製のカードがよくできていた場合でも、結果は同じでした。
  • Anki はほぼすべての環境で無料: デスクトップ版、AnkiWeb、AnkiDroid は無料で、iPhone 向けの AnkiMobile は$24.99です。Quizlet の無料プランでは Learn と Practice Tests(練習テスト)の利用が制限され、Plus は年$35.99、Plus Unlimited は年$44.99です(米国の価格、年払い)。
  • Anki の運営は、少しずつ引き継がれている: 2026年2月、Anki の作者 Damien Elmes は、事業運営とオープンソースとしての管理を AnkiHub に移し始めました。AnkiHub は、中核のコードは今後もオープンソースのままで、価格を変える予定もないとしています。

まず結論から: Anki と Quizlet、どちらを選ぶ?

医師国家試験、外国語、資格試験のように、何か月も、あるいは何年も覚えておく必要があるなら Anki を選びましょう。テストが近い、クラスですでに学習セットを共有している、あるいは宿題のように感じるアプリは続かないとわかっている、という場合は Quizlet を選びましょう。

どちらのアプリも、答えを見る前に自分で思い出させます。フラッシュカードが効く理由の半分はここにあります(その研究についてはアクティブリコールのガイドで解説しています)。違いが出るのは、その後です。Anki はスケジューラーを中心に作られています。このスケジューラーは、あなたがそろそろ忘れそうだと見込んだ日に、カードを一枚ずつもう一度出題します。Quizlet は学習セッション(Flashcards、Learn、Test、Match の各モード)を中心に作られていて、日をまたいで復習の予定を組むスケジューラーは登場したばかりです。ヘルプセンターによれば、今のところウェブサイト限定です。

こんな人ならおすすめ理由
USMLE(米国医師国家試験)などの国家試験の準備をしているAnkiAnKing のようなコミュニティのデッキがあり、数千枚のデッキに必要なスケジュール管理もできる
何か月もかけて外国語を学んでいるAnki何千もの単語には、自分で計画しなくて済む間隔の管理が必要
1〜2週間以内にテストがあるQuizletすぐに準備でき、目標までの期間が短ければ長期のスケジューラーは要らない
先生が Quizlet を使っているクラスにいるQuizletクラスの学習セットをクラスのページから開けば、Learn と Test を広告なしで無制限に使える
iPhone を使っていて、$24.99は払いたくないQuizlet、またはブラウザで使う Anki有料の Anki アプリは AnkiMobile だけで、AnkiWeb は無料
AI にカードの下書きを作ってほしいQuizletStudy Guides と AI Practice Tests が組み込まれている。Anki ではアドオンかインポートが必要

Anki と Quizlet をひと目で比較

2026年10月時点で両者を比べると、次のようになります。内容は各社の公式ページで確認しました。

AnkiQuizlet
料金Windows、macOS、Linux、AnkiWeb、Android では無料。AnkiMobile(iPhone、iPad)は$24.99制限付きの無料プランあり。Plus は年$35.99、Plus Unlimited は年$44.99
復習のスケジュールすべてのカードを、どの端末でもLearn は1回のセッションの中で出題を調整する。Spaced Repetition は2026年の新機能(ヘルプセンターによればウェブサイト限定)
スケジュールの決め方は見える?はい。SM-2 ベースのスケジューラーか FSRS(23.10から内蔵)で、どちらもオープンソースいいえ。評価ボタンが4つあるだけで、ヘルプセンターにアルゴリズムの説明はない
カードの種類Basic(基本)、表裏を逆にしたカード、穴埋め(クローズ)、画像の一部を隠すカード、カスタムテンプレート用語と定義(画像も使える)
既製のコンテンツAnkiWeb の共有デッキ5億を超える既製の学習セット(Quizlet 自身が公表した2022年時点の数字)
AI組み込みはなし。アドオンで対応Study Guides、AI Practice Tests、Ask Quizlet
オフラインデスクトップ版、AnkiDroid、AnkiMobile。AnkiWeb はネット接続が必要iOS と Android のアプリ(Flashcards、Match、学習セットの編集)
慣れるまでの大変さ最初の1週間は苦労するあまりない
向いている用途長期的な記憶の定着短期間の試験対策、授業、共有

Anki のデスクトップ版の現行リリースは、2026年9月23日に公開された26.09.3です。Quizlet は月間アクティブユーザーが6,000万人を超えるとしていますが、これは同社の広告資料に載っている数字です。


本当の違い: いつ復習するかを決めるのは誰か

フラッシュカードが効くのは、2つの仕組みによるものです。1つは想起です。答えを思い出そうとすると、読み返すよりも記憶が強まります。もう1つは間隔を空けることです。つまり、時間を置いて、忘れはじめたころにもう一度取り組むことです。2013年に John Dunlosky らが10の学習法を評価したとき、「有用性が高い」(high utility)という評価を得たのは、この2つ、つまり練習テストと分散学習だけでした。

問題はタイミングです。1,350人を超える学習者を対象にした研究で、Nicholas Cepeda のチームは、「最適な間隔は、テストまでの期間が1週間の場合はその約20〜40%だったのが、1年の場合は約5〜10%に低下した」ことを見いだしました。1,000枚のカードについて、この計算を頭の中でこなせる人はいません。だからこそ、スケジューラーがこれほど重要なのです。

想起は、どちらのアプリでも、カードをめくる前に答えようとした瞬間に起こります。間隔を空けるほうは、そうはいきません。将来のある日に下す判断、つまり「このカードを今日もう一度見るべきか」という判断にかかっているからです。Anki は、その判断をあなたの手から取り上げます。どのカードにも復習の期日があり、デッキを開くと、期日が来たカードだけが表示されます。SM-2 アルゴリズムをもとにした従来のスケジューラーは、正解するたびにカードの間隔を延ばし、間違えると縮めます。

バージョン23.10(2023年後半にリリース)から Anki に組み込まれている新しいスケジューラー、FSRS をオンにすると、代わりに「目標保持率」(desired retention)を設定することになります。初期値は90%で、マニュアルはこれを「期日を迎えたときに正しく思い出せたカードの割合」と定義しています。FSRS は、各カードを思い出せる確率がその水準まで下がる時期を予測し、その時点に復習を入れます。Anki のマニュアルでは、FSRS はデッキのオプションでオンにするよう案内されています。

FSRS プロジェクト自身のガイドは、同じ保持率なら、Anki の旧アルゴリズムより復習が20〜30%少なくて済むとうたってきました。これは開発者自身の見積もりであって、第三者による検証の結果ではありません。FSRS の公開ベンチマークは、Anki ユーザー1万人分の復習ログ(約7億2,700万回の復習)をもとにしていますが、測っているのは想起をどれだけうまく予測できるかであって、復習をどれだけ減らせるかではありません。

Quizlet は、この問題に反対側から取り組んできました。Quizlet のヘルプセンターによれば、看板モードの Learn は、機械学習を使い、あなたの目標と各用語の理解度をもとに、あなたに合わせた学習の道筋を組み立てます。これは1回のセッションの中での適応です。決めているのは今何を見せるかであって、次にいつ戻ってくるべきかではありません。

日をまたいだスケジュール管理に Quizlet が挑むのは、これが初めてではありません。2017年の Quizlet のエンジニアリングブログの記事によれば、2015年に有料ユーザー向けに始まった Long-Term Learning(長期学習)は、1日、3日、7日、16日と間隔を広げていくスケジュールを使っていました。そのページには現在、この機能は「Quizlet ではもう利用できません」と書かれています。Quizlet は2023年8月に、Memory Score(記憶スコア)と、復習を予定に入れる機能を発表しました。

2026年8月に発表された現在のバージョンは、本格的な Spaced Repetition モードです。各カードを Repeat(もう一度)、Hard(難しい)、Okay(まあまあ)、Easy(簡単)のいずれかで評価します。Okay ならたいてい約1日後に、Easy なら4日以上後にカードが戻ってきます。また、Quizlet から現地時間の午前10時にリマインダーを受け取ることもできます。確かな改善ですが、注意点が2つあります。Quizlet のヘルプセンターには「Spaced Repetition は現在、Quizlet のウェブサイトでのみ利用できます」とありますが、iOS アプリの App Store の掲載ページでは、すでにこの機能が宣伝されています。また、Quizlet のヘルプセンターはアルゴリズムを説明しておらず、保持率の設定にも一切触れていません。


各アプリのデフォルトについて、フラッシュカード研究が示すこと

フラッシュカードの研究から得られた3つの知見が、2つのアプリのデフォルトに対応しています。

学生は、まとめて学習するほうが効くと考えています。 2009年の研究で Nate Kornell は、3つの実験を通じて UCLA の学生計70人に、GRE(米国の大学院入試)形式の語彙をデジタルのフラッシュカードで、2通りの方法で学習させました。一部の単語は20枚の大きな束1つにまとめられていたので、各カードは、ほかの19枚が済んでからでないと戻ってきませんでした。残りの単語は5枚ずつの小さな束に分けられていたので、各カードはわずか4枚の後に戻ってきました。

70人中63人(90%)で、間隔を空けた学習のほうが良い結果になりました。大きな束を4日間毎日学習し、小さな束はそれぞれ1日だけ学習した3つ目の実験では、学生が思い出せたのは、大きな束の単語では65%、小さな束の単語では34%でした。それなのに、最初のセッションの後にどちらの方法が効果的だったかを答えた58人のうち、42人(72%)は小さな束を選びました。まとめて学習すると、その場では手応えを感じます。しかし、その感覚は当てになりません。

自分で決めさせると、学生はカードを早く外しすぎます。 Kornell と Robert Bjork による2008年の研究のある実験では、スワヒリ語の単語を学ぶ学生のうち、自分で判断した人たちは、一度正解しただけでカードの68%を外していました。4つの実験全体で見ると、カードを外すことは、のちの想起に小さな、おおむねマイナスの影響を与えていました。プログラムの側が、一度正解したカードをすべて取り除いた場合、最終的な想起率は21%で、同じ学生たちがすべてのカードを残して学習した場合は44%でした(8人という小さなグループですが、差は大きなものです)。Kathryn Wissman、Katherine Rawson、Mary Pyc が2012年に大学生374人を対象に行った調査では、学生たちは、カードを2回以上思い出すことの価値については、その想起の間隔を空けることの価値よりもよく理解していました。

Anki は、この2つの間違いを防ぐように作られています。よく知っているカードも外されることはなく、より長い間隔を空けて戻ってくるだけです。また、デッキには期日が来たカードしか表示されないので、詰め込み学習をするには余計な手順が必要です。Quizlet のセッション型のモードでは、新しい Spaced Repetition モードに切り替えない限り、どちらの判断もあなたに委ねられたままです。詰め込み学習がなぜ効いているように感じられるのに、すぐに薄れてしまうのかは、一夜漬けは効果があるのかを扱ったガイドで解説しています。

カードは借りるより、自分で作るほうが効果的です。 Quizlet の最大の強みとぶつかるのが、この知見です。Steven Pan らは、大学生284人を対象に6つの実験を行いました。各学生は教育用の短い文章を2つ読み、一方については自分でフラッシュカードを作り、もう一方については既製のカードで学習してから、48時間後にテストを受けました。

6つのうち5つの実験で、自作のカードが上回りました。6つすべてを統合すると、その差は、定義を思い出す課題で d = 0.45、定義を応用する課題で d = 0.29 でした。効果が最も大きかったのは、学生が内容を言い換えたり、コピー&ペーストしたりした場合で、一字一句そのまま打ち直す方法だけは効果がありませんでした。

この結果は、質の高い既製のカードと比べても変わりませんでした。その実験では学習時間の合計が固定されていたので、学生は既製のカードを1枚あたり約3.7回多く繰り返しましたが、それでも既製のカードから覚えた量のほうが少なかったのです。著者らは、「時間が一定であれば、デジタルのフラッシュカードを使う前にそこへ内容を書き加えることは、他人が作ったフラッシュカードを使うよりも、学習にとって有益である可能性がある」と結論づけています。

この研究で使われたのは独自のフラッシュカードソフトで、Quizlet でも Anki でもないため、アプリの優劣を決めるものではありません。それでもこの研究は、既製の学習セットのライブラリーが省いてくれる手間こそ、カードを記憶に定着させる作業そのものだということを示唆しています。同じ理屈は巨大な共有 Anki デッキにもおそらく当てはまりますが、Pan の研究ではそれは検証されていません。


医学部なら Anki と Quizlet のどちらがいい?

医学部は Anki の得意分野です。 理由は量にあります。医師国家試験では何千もの事実が問われ、それほどの規模のデッキを、スプレッドシートなしで回し続けられるのはスケジューラーだけです。

学生たちは、試験に合わせた共有デッキを作り上げてきました。たとえば AnKing Step デッキには、USMLE の Step 1、2、3 向けに3万枚を超えるカードが収められています。更新が続けられている版は、現在は有料の AnkiHub メンバーシップに含まれています。医学部1年生176人を対象にした2024〜2025年のある研究では、82%が Anki を使っていると答え、51%が Anki を主な学習方法に挙げていました。

では、Anki で点数は上がるのでしょうか。心強いエビデンスはありますが、どの研究も観察研究で、結果もまちまちです。

研究対象わかったこと
Deng, Gluckstein & Larsen(2015年)Washington University の学生72人学業面と心理面の要因を調整したうえで、学習した Anki のカード(重複を除く)1,700枚ごとに、USMLE Step 1 の点数が約1点高かった
Lu, Farhat & Beck Dallaghan(2021年)UNC(ノースカロライナ大学)の学生Anki の利用者は Step 1 の点数が高く、過去のブロック(授業の単元)のカードを定期的に復習していた学生は、ときどきしか復習しなかった学生を上回った
Gilbert et al.(2023年)1年生130人MCAT(医学部入試)の点数で調整すると、Anki の利用者は3つの科目試験で6〜7パーセントポイント高かった
Wothe et al.(2023年)ミネソタ州の調査回答者165人毎日使っていた学生は Step 1 の点数の中央値が高く(238対233.5)、Step 2 では有意な差がなかった
Spence et al.(2025年)1年生176人「Anki の使用は、試験成績の向上と関連していなかった」

この表を読むときには、当然の注意点があります。どのツールを使うかは、学生自身が選んでいるということです。Gilbert の研究では、Anki の利用者はもともと MCAT の点数が高い学生たちでした。また、学生を Anki か Quizlet に無作為に割り当てた研究は一つもありません。Deng の研究では、練習問題も点数の高さと結びついていて、445問ごとに Step 1 の点数が約1点高くなっていました。カードは、いくつもある道具の一つにすぎないということです。Step 1 は2022年1月から合否のみの判定になったため、それ以降の学年には比較できる Step 1 の点数がありません。

それでも、医学部で Quizlet の出番がないわけではありません。主に、1つのブロックの試験や、講師が共有してくれる学習セットに使えます。国家試験に向けては、共有デッキも、コミュニティも、スケジューラーも、すべて Anki の側にあります。量の多さという同じ理由は、PA(医師助手)の課程や看護学校にも当てはまりますが、上の研究はどれも、そうした課程を調べてはいません。


語学学習なら Anki と Quizlet のどちらがいい?

フラッシュカードが本領を発揮するのは語彙で、間隔を空けることが最も重要になるのも語彙です。実際に使える語彙は何千語にも及び、それを何年も保ち続ける必要があります。Anki のスケジューラーは、まさにこの仕事のために作られています。単語ごとに独自の間隔が設定されるので、知っている単語は目立たなくなっていき、何度も間違える単語は毎日戻ってきます。Anki は、語学学習者がよく頼るカードの種類にも対応しています。表裏を逆にしたカード(単語を見てわかるようになったら、次は自分でその単語を言えるようにする)、実際の文から切り出した穴埋めカード、そしてどのカードにも付けられる音声です。

Quizlet が最も力を発揮するのは、単語リストを誰かほかの人が決める場合です。先生が学習セットを共有し、クラス全員が Learn や Match で練習して、金曜日の小テストの前に全員が同じ単語に触れる、という使い方です。Quizlet についての公表されたエビデンスは少ないものの、肯定的です。Gilbert Dizon による2016年の小規模な研究では、日本の大学生9人が10週間にわたって Quizlet で学術英語の単語570語を学び、30問の語彙テストの点数を20.33点から23.56点に上げました。ただし対照群がないため、アプリの効果を、それを取り巻く授業の効果と切り分けることはできません。

Anki と Quizlet を直接比べた、査読付きの対照研究は見つかりませんでした。それでも、長く身につけておきたい言語なら、フラッシュカードの研究が指し示す方向は一つです。テストの前に必死で詰め込むのではなく、何か月もかけてスケジュールどおりに復習すること。そして、他人の単語リストを取り込むのではなく、自分でカードを作るか、少なくとも自分で書き直すことです。実際には、それは Anki か、Quizlet の新しい Spaced Repetition モードということになります。


Anki と Quizlet の料金比較(2026年)

Anki は、1つを除くすべてのプラットフォームで無料です。Quizlet は無料で始められますが、最も役に立つ学習モードには利用回数の制限があります。

プラン価格(米国)内容
Anki デスクトップ版(Windows、macOS、Linux)無料アプリの全機能、アドオン、同期
AnkiWeb無料ブラウザでの学習と、端末間の同期
AnkiDroid(Android)無料独立した有志の開発者が作り、寄付で支えられている本格的な Android アプリ
AnkiMobile(iPhone、iPad)$24.99売上が Anki の開発資金の一部になる有料アプリ
Quizlet 無料プラン$0Flashcards とゲーム、回数制限のある Learn、学習セットごとに1回の Test、広告あり
Quizlet Plus年$35.99Learn は月20ラウンド、Practice Tests は月3回、広告なし
Quizlet Plus Unlimited年$44.99Learn は無制限、Practice Tests もすべて利用可能、広告なし
Quizlet Family年$83.99(期間限定価格)最大5アカウントで使える Plus Unlimited

Quizlet は Plus と Plus Unlimited をそれぞれ月$2.99、月$3.75と表示していますが、どちらも年払いです。計算を左右する細かな点が2つあります。先生が Quizlet のクラスを運営しているなら、そのクラスの学習セットについては、クラスのページから開く限り、Learn と Test を広告なしで無制限に使えます。また Anki では、iPhone ユーザーはブラウザで AnkiWeb を使って学習すれば、$24.99を払わずに済みます。その代わり、スマートフォンでの使い勝手は悪くなります。

Anki はこの先も無料のままでしょうか。2026年2月、Anki の生みの親である Damien Elmes は、自身も関わり続けながら、「事業運営とオープンソースとしての管理を段階的に移行している」と発表しました。移行先の AnkiHub は、AnKing の医学デッキを支える有料サービスを運営している会社です。AnkiHub は返答の中で、中核のコードはオープンソースのままであること、価格を変える予定はないこと、AnkiDroid は引き続き自主運営であることを述べました。これらは意思の表明であって、保証ではありません。今のところ、Anki 自体の価格は変わっていません。お金がかかるのは、更新が続けられている AnKing デッキのほうで、これは AnkiHub のメンバーシップに付いてきます。


AI 機能と、無料で使える Quizlet の代替アプリ: Knowt、Gizmo、RemNote

AI については、Quizlet のほうが Anki よりも踏み込んでいます。Study Guides は、アップロードしたり貼り付けたりした授業の資料を、アウトラインとフラッシュカードのセットに変えます。AI Practice Tests は、ノートや学習セットから試験形式の問題を作ります(米国では、作成できるのは14歳以上です)。Ask Quizlet はチャット形式のチューターで、概念を説明し、関連する学習セットを探し、編集できるフラッシュカードを作り、アップロードしたファイル(一度に3つまで)についての質問に答えます。今のところ、利用できるのは米国の14歳以上のユーザーに限られます。Quizlet が以前提供していた AI チューターの Q-Chat は、2025年6月に終了しました。

Anki には AI が組み込まれていません。アドオンで後付けすることもできますし、好きな AI アシスタントにカードの下書きを作らせ、テキストファイルとしてインポートすることもできます。AI が書いたカードで復習を台無しにしないための方法は、AI フラッシュカードのガイドで解説しています。

どの AI 生成ツールにも当てはまる注意点が一つあります。AI が書いたカードは、速く作られただけの既製のカードだということです。Pan の結果は、学習する前に一枚一枚を自分の言葉で書き直したほうが、より多くを覚えられることを示唆しています。

この2つの中間に位置する新しいアプリが3つあります。Quizlet の手軽さは欲しいけれど、Anki は細かくて面倒だと感じるなら、検討する価値があります。3つとも(制限付きの)無料プランがあり、どれも間隔を空けた復習のスケジュールを組み、AI でカードを作り、Quizlet の学習セットをインポートできます。

アプリ価格(米国)間隔反復AI によるカード作成Quizlet の学習セットのインポート
Knowt無料。Ultra は年$149.99または月$24.99ありPDF、スライド、画像、動画から可能
Gizmo無料。Unlimited の価格は端末と地域によって異なるありノート、PDF、YouTube 動画、録音から可能(学習セットのリンクを貼り付ける)
RemNote無料。Pro は年$96、Pro with AI は年$216ありテキスト、PDF、スライドから(毎月の AI クレジット付き)可能

これらの説明は各社の公式ページにもとづくもので、独立した検証の結果ではありません。


Quizlet の学習セットを Anki に移す方法

Quizlet では、自分で作った学習セットの用語と定義を、ウェブサイトからエクスポートできます。Anki は、フィールドがタブ、カンマ、セミコロンのいずれかで区切られたプレーンテキストのファイルなら、どれでもインポートできます。この2つを組み合わせれば、次の手順で移せます。

  1. Quizlet のウェブサイトで、自分で作った学習セットを開き、More(その他)メニューから Export(エクスポート)を選びます。
  2. 用語と定義の区切りを Tab に、カードとカードの区切りを New line(改行)に設定し、テキストをコピーします。
  3. コピーしたテキストをプレーンテキストのファイルに貼り付け、文字コードを UTF-8 にして保存します。
  4. Anki のデスクトップ版で File(ファイル)、Import(インポート)の順に選び、そのファイルを選択します。
  5. ノートタイプに Basic(基本)を選び、用語を Front(表面)に、定義を Back(裏面)に割り当てます。デッキを選んだら、インポートする前にプレビューを確認しましょう。

制限が3つあります。エクスポートできるのは自分で作った学習セットだけで、コピーしたセットはエクスポートできません。画像は移行されません。そして Quizlet での学習履歴は引き継がれないので、Anki ではすべてのカードが一からのスタートになります。

どちらか1つに絞る必要もありません。授業の学習セットや手軽な小テストには Quizlet を使い続け、来年も必要になる長期戦のデッキには Anki を使う、という使い分けもできます。


読んだものから、より良いカードを作る方法

フラッシュカードの最高の素材は、あなたがすでに大事だと判断したものです。ハイライトの一つひとつは、何が覚える価値のあるものかについての小さな判断であり、それこそがカード作りで最も難しい部分です。何もかも二度打ち込むことなく、読んだものを Anki に取り込めるワークフローを紹介します。

  1. 目的を持ってハイライトします。 ウェブページやPDFをGlasp のウェブハイライターで読みながら、あとで自分に出題したい定義、数字、主張をハイライトし、自分なりの疑問が浮かんだらメモを添えます。
  2. 講義も取り込みます。 YouTube の講義なら、YouTube Summaryが文字起こしと AI による要約を用意してくれるので、カードにする価値のある部分を抜き出せます。
  3. 本も取り込みます。 Kindle のハイライトをインポートするか、Kindle 端末の My Clippings.txt ファイルを Glasp の無料のKindle クリッピング変換ツールにかけましょう。Anki がそのままインポートできるファイルが出力されます。
  4. デッキとして書き出します。 Glasp の Anki エクスポート(設定の Integrations にあります)を使うと、そのままインポートできるデッキをダウンロードできます。表面にはハイライト、裏面にはあなたのメモと出典へのリンクが入り、タグも付いています。Anki のデスクトップ版で File、Import の順に選んでインポートすれば、AnkiWeb やスマートフォンにも同期されます。更新したファイルをもう一度インポートすると、カードが重複するのではなく、既存のカードが更新されます。また、100枚のサンプルで先に試すこともできます。
  5. 答えを問いに変えます。 ハイライトは答えです。カードを復習のサイクルに入れる前に、表面を自分の言葉で問いの形に書き直すか、穴埋めカードに変えましょう。Pan の実験では、言い換えて作ったカードは、効果が最もはっきり表れたものの一つでした。
  6. Quizlet の Learn と Test を使い続けるなら、スケジュールは自分で組みます。 Glasp の無料の間隔反復の計算ツールを使えば、開始日と試験日から、.ics ファイルとしてダウンロードできる復習カレンダーが作れます。

手作業で復習の間隔を空ける方法を含む、毎週のルーティン全体については、ライトナーシステムのガイドをご覧ください。


よくある質問

Anki は Quizlet より優れていますか?

長期的な記憶のためなら、たいていはそうです。Anki はどの端末でも、すべての復習のスケジュールを組んでくれます。そしてフラッシュカードの研究は、学生が間隔を空ける効果を過小評価し、カードを早く外しすぎることを示しています。すぐに始めたいとき、クラスで一緒に勉強するとき、数日後に迫ったテストの準備をするときは、Quizlet のほうが向いています。1週間で Anki をやめてしまいそうなら、毎日使う Quizlet のほうが、まったく使わない Anki よりも役に立ちます。

Anki は本当に無料ですか?

はい。Windows、macOS、Linux、ウェブ(AnkiWeb)、Android(AnkiDroid)では無料です。唯一の有料アプリは iPhone と iPad 向けの AnkiMobile で、米国の App Store では$24.99です。その売上は Anki の開発資金の一部になっています。

Quizlet は間隔反復に対応していますか?

はい。現在の Spaced Repetition モードは、2026年8月に発表されました。Quizlet のヘルプセンターによればウェブサイトでしか使えませんが、iOS アプリの App Store の掲載ページでは、すでに宣伝されています。カードを Repeat、Hard、Okay、Easy で評価すると、Quizlet が次の復習を予定に入れます。Okay ならたいてい約1日後、Easy なら4日以上後です。Quizlet のヘルプセンターはアルゴリズムを説明しておらず、以前の Long-Term Learning 機能は提供が終了しています。

Quizlet の学習セットを Anki にインポートできますか?

自分で作った学習セットなら、できます。Quizlet のウェブサイトでセットを開き、More、Export の順に選びます。用語と定義の区切りを Tab、カードの区切りを New line に設定し、テキストをコピーしましょう。それを UTF-8 のテキストファイルとして保存し、Anki のデスクトップ版で File、Import の順に選んでインポートします。画像と学習履歴は引き継がれません。

医学部には Anki と Quizlet のどちらが向いていますか?

ほとんどの学生にとっては Anki です。国家試験の範囲は何千もの事実に及び、3万枚を超えるカードを収めた AnKing Step デッキのような大規模な共有デッキは、Anki 用に作られています。Anki の使用と試験の高得点を結びつける研究はいくつかありますが、どれも観察研究で、1年生176人を対象にした2025年の研究では関連が見られませんでした。どのアプリを使うかより、続けて使うことのほうが大切です。

語学学習には Anki と Quizlet のどちらが向いていますか?

その言語を長く身につけておきたいなら、Anki です。実際に使える語彙は何千語にもなり、それを何年も保たなければなりません。Anki はどの端末でも一語ごとに復習の間隔を調整してくれ、表裏を逆にしたカード、穴埋めカード、音声付きのカードも使えます。先生が単語リストを共有してくれて、小テストが金曜日にあるという場合には、Quizlet がよく合います。

Quizlet の代わりになる、良い無料アプリはありますか?

慣れるまでの大変さを受け入れられるなら、無料の選択肢として最も有力なのは Anki です。iPhone と iPad のアプリを除けば、すべてのプラットフォームで無料です。もっと Quizlet に近いものなら、Knowt、Gizmo、RemNote を見てみましょう。どれも制限付きの無料プランがあり、間隔を空けた復習のスケジュールを組み、Quizlet の学習セットをインポートできます。

Quizlet は一夜漬けに向いていますか?

1〜2日後のテストなら、それで十分です。Learn と Test は思い出す練習をさせてくれるので、読み返すよりも効果があります。ただし、詰め込んだ内容はすぐに薄れます。期末試験や国家試験でもう一度必要になるなら、Quizlet の Spaced Repetition か Anki で、数日から数週間にわたって間隔を空けて復習しましょう。Anki でも、Custom Study(カスタム学習)のセッションやフィルターデッキを使えば詰め込み学習はできますが、多少の設定が必要です。

現在、Anki を所有しているのは誰ですか?

Anki は Damien Elmes が作りました。彼は2026年2月、自身も関わり続けながら、事業運営とオープンソースとしての管理を AnkiHub へ段階的に移し始めました。AnkiHub は、中核のコードは今後もオープンソースのままで、価格を変える予定もないとしています。AnkiDroid は引き続き、独立した自主運営のプロジェクトです。


まとめ

Anki と Quizlet は、同じ役割を奪い合っているわけではありません。Quizlet は、最も早く勉強を始められ、クラスで最も簡単に共有できる方法です。Anki は、長く覚えておく必要がある内容のための道具です。学生が最もよく間違える2つの判断、つまりいつ復習するか、いつやめるかを、あなたの代わりに下してくれるからです。

どちらを選ぶにしても、研究が示す方向は同じです。カードは自分で作り、めくる前に思い出し、カードがいつ戻ってくるかはスケジュールに任せること。まずは、すでに読んでいるものから始めましょう。残しておく価値のある考えをGlaspでハイライトし、講義はYouTube Summaryで取り込み、ハイライトを Anki のデッキとして書き出して、今夜、最初の10枚を問いの形に書き直してみてください。

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