私は、長い間、言語を学ぶことはいいことだと信じていました。英語にせよ国語にせよ、勉強しない人は怠け者だと思っていましたし、周囲の期待にこたえる「素直な良い子」でなければならないと思っていました。田舎の中学校の優等生だった私は広島市内の進学校、国立大の人文系学部に進学しました。そこでインド哲学を専攻し、インドの大学にも留学しました。しかし、大学4年になって就職活動をしたところ、何十社も受けて、一社からしか内定をもらえませんでした。バブル経済が崩壊して女性の総合職はほとんど採用されなかった時代、インド哲学を専攻した自分は無価値だと感じました。
4)。応用言語学というのは、言語の仕組みがどうなっているかというより、言語がどう人や社会と関わっているか、言語がどう教育されているか、などを考える研究領域です。批判的応用言語学は、その中でも特に言語そのものが持つ権力構造やイデオロギー、言語が社会的不平等にどのように関わっているかを分析します。そして、言語教育や言語政策における偏見や差別を明らかにし、より公正で平等な社会の実現を目指します。
ことばは、呼吸のように外の世界から吸い込まれ、私たちを通過し、私たちの影響を受けて吐き出され、私たちの間を循環・対流する流体(物) です。ことばは世界の見え方を歪めるレンズであり、私たちの生き方や思考を抑圧する鎖にもなります。ことばは、私たちを人と繫ぎ、コミュニティに組み入れ、コミュニティから分断し、時に私たちを解放する装置です。ことばは、人と人、人と自然、自然と自然などの関係性や実践の中に存在します。時に、ことばはその人らしさや、その人のあり方、生き方を表すアイデンティティとしても機能します。ことばとは、その人が知覚し、生きる世界そのものでもあります。
社会言語学者のガーゲン










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