子どもの消えゆく国で 「無子高齢化」と地域の子育て

子どもの消えゆく国で 「無子高齢化」と地域の子育て

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Masaaki Kakuta

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はじめに  想定を超える少子化の中で  日本で一〇〇万人を超える子どもが生まれたのは二〇一五年が最後だった。二〇二二年に出生数が八〇万人を下回り、政府は翌二三年一二月に「こども未来戦略」を打ち出す。二四年の出生数は七〇万人を切り、二五年一一月には「人口戦略本部」が設置されている。果たして政府は人口減少に対して有効な政策は打ち出せるだろうか。

朝日新聞や日本総研の推計によると、二〇二五年の日本人の出生数は六六・五万人から六六・七万人だという(正確な出生数は翌年の六月頃に判明する)。二四年は六八・六万人で、前年比で六%近い減少だったが、二五年の出生数は前年比で三%弱減となっている。減少の幅が小さくなっている理由としては、二四年より婚姻数が減っていないことが考慮されている。

近年、主に子どもを産むのは三〇代である。二〇三〇年までは、各年の三〇代人口は約一二〇万人で、その半分弱、約六〇万人が女性である。しかしその後は、毎年数万人単位で三〇代女性の数は減っていく。たとえば二〇四〇年に三〇歳になる二〇一〇年生まれの女子は五二万人、五〇年に三〇歳になる二〇二〇年生まれは四一万人しかいないからである。

筆者は二〇一八年に『無子高齢化──出生数ゼロの恐怖』(岩波書店) を出版し、コロナ禍前までの日本の少子化対策の変遷などについて取り上げた。一八年にはそれでも約九二万人が生まれていた。そのわずか七年後の二五年、出生数は三割近くも減少してしまったのである。

このような現状を踏まえて、日本社会の子育てについてあらためて問題提起したいという思いから本書を執筆した。きっかけは二つある。一つ目は、地方の認定こども園の調査を行ったところ、想定以上の少子化・人口減少の進行を 目の当たりにしたことだ。

二つ目は二〇二四年のOECD(経済協力開発機構) 報告書で、日本の女性が世界でいちばん子どもを産んでいないというデータに接したことである。この報告書は、二〇二四年に四九歳である女性(一九七五年生まれ) の無子比率の国際比較を実施している。それによると日本の女性の無子比率が世界一高く、二八・三%にものぼる。つまり、日本女性の四人に一人は子どもを産んでいない

4章は筆者が訪れた各地のレポートである。取り上げたのは北海道函館市・秋田県 三種 町・広島県・鹿児島県奄美市である。

1  無子女性と就職氷河期 日本の女性が世界でいちばん子どもを産んでいない  二〇二四年、日本人の出生数は六八・六万人となった。  出生数が一〇〇万人を下回り始めたのは二〇一六年である。筆者は一八年に少子化問題や政府の対策を扱った『無子高齢化──出生数ゼロの恐怖』(岩波書店) を出版したが、その年の出生数は約九一・八万人だった。

ここに衝撃的な報告がある。実は、 OECD(経済協力開発機構) 諸国の中で子どもを持たない女性の割合、つまり無子比率が最も高いのは日本だったのだ。OECDは毎年「Society at a Glance」という報告書を出しているが、二〇二四年のテーマは「出生」だった。日本だけではなく、先進諸国では程度の差はあれ少子化が進んでいるため、共通の課題としてこのテーマが選ばれたのである。

報告書によれば、二四年に四九歳になる日本女性(一九七五年生まれ) の二八・三%、約三割は子どもを産んでいない。なぜ四九歳で測るかというと、 妊孕性(妊娠のしやすさ) などから五〇代で出産する人はほとんどいないからで(

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