本書は、「推し」や作品を前にして「やばい」「最高」しか出てこない状態から、自分だけの感情を具体的な言葉に変えるための実践書です。中心にある主張は明快で、言語化に必要なのは語彙力や高度な読解力ではなく、他人の言葉に流されず、自分の感情を細分化することだという点にあります。
とくに強く繰り返されるのは、感想を書く前に他人の感想を見ないこと。SNSや強い言葉は、自分の気持ちを簡単に上書きしてしまいます。だからこそ本書は、まず自分の中にある反応を守り、メモし、育てることを勧めます。
感想の基本プロセスも具体的です。
このとき重要なのが、言語化とは「言い換え」ではなく細分化だという発想です。「最高」を「どこが?」「どう最高?」「なぜそう感じた?」に分けていくことで、感想は自然にオリジナルになります。ポジティブな感情は「共感」か「驚き」に分け、ネガティブな感情は「不快」か「退屈」に分けて原因を探る整理法も示されます。
さらに本書は、内面の整理で終わりません。人に伝わる文章にするには、読者との情報格差を意識し、伝えたいポイントを一点に絞り、書き出しや順番を工夫することが必要だと説きます。
つまり本書は、感想の書き方の本であると同時に、自分の好みや価値観を掘り起こし、自分への信頼をつくる本でもあります。好きの言語化は、そのまま自己理解の技術なのだと教えてくれる一冊です。
自分に嘘をつかずに挙げること。 無理して「よかった点だけ」挙げるのではなく、「違和感を覚えた点」も含めて挙げることで、より自分の感覚を深く言語化することができます。 嘘をつかず、楽しくできる範囲で、具体的に感動した点を挙げるのがポイント
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「よかった」理由について、昔見たものや昔好きだった推しを引っ張りだしつつ、自分の妄想を広げていく。そんなイメージで考えるほうが、感想のネタはでてきやすいのです。
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① よかった箇所の具体例を挙げる ② 感情を言語化する ③ 忘れないようにメモをする
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いつかやってくる「好き」じゃなくなる瞬間を見据えて、自分の「好き」を言葉で保存しておく。すると、「好き」の言語化が溜まってゆく。それは気づけば、丸ごと自分の価値観や人生になっている はずです。
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面白さとは「共感」か「驚き」である 歌人の穂村弘さんが『短歌の友人』(河出書房新社)という短歌の解説書で、こんなことを書いていました。 この短歌がいいと感じるのは、「共感」か「驚き」のどちらかである、と。 「共感」とは、自分も同じような体験や感情を知っていて、それをぴったりくる言葉にしてもらったことへの快感です。
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◎ポジティブな感情の言語化プロセス (1) 「共感」(既に自分が知っている体験/好みと似ている)。もしくは、 「驚き」(今まで見たことのない意外性を感じる) のどちらなのかを考える (2) 「共感」の場合 ①自分の体験との共通点を探す ② 自分の好きなものとの共通点を探す 「驚き」の場合 ③ どこが新しいと感じるのか考える
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なぜなら、自分の言葉で、自分の好きなものを語る ─ それによって、自分が自分に対して信頼できる「好き」をつくることができるから。
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◎ネガティブな感情の言語化プロセス (1)「不快」(際立って嫌な感情を抱いている)。もしくは、 「退屈」(ありきたりでつまらないと感じる) のどちらなのかを考える (2)「不快」の場合 ① 自分の(嫌な) 体験との共通点を探す ② (自分が既に) 嫌いなものとの共通点を探す 「退屈」の場合 ③ どこがありきたりなのか考える
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② 好きなものとの共通点を探す 既に自分が好きなものと似ているなと感じる点がある場合、その共通点を考えてみます。
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③ どこが新しいのかを考える よく見慣れたジャンルで特別に好きだ! と思えるものって、なにか「新しさ」を持っている場合が多くあります。これまでありそうでなかった特徴、意外と足りていなかった要素、そういうものが加わったときに初めて好き
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Glasp上の16件のハイライト分析では、自分の言葉を守ることと細分化による言語化に強い共感が集まっていました。引用の集中度が高く、読者メモも実用性と再現性を評価するものが多いため、共感性の高い実践書として高評価です。
Glasp AI analysis based on highlights from 16 readers.
推し活をしている人、読書感想や映画レビューを書きたい人、SNSで自分の感想が他人の言葉に引っ張られがちな人に向いています。とくに、語彙力不足が悩みだと思っている人には相性がいいはずです。
また、企画・マーケティング・面接・プレゼンなど、相手との情報格差を意識して伝える力が必要な人にも有用です。文章のプロでなくても読めますが、日常的に「なぜ好きか」「どう伝えるか」を考えたい人ほど実感を得やすい本です。










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