迦 じゃない人間が基礎理論をやるのはよく
彼の〝中華田園〟コミュニティは、郊外ではなく、中国最大の都市のひとつにつくられている。コミュニティには一銭も財産がなく、食べものを含むすべての生活必需品は、都市のゴミから調達する。当初の予想を大きく裏切り、中華田園は潰れないどころか、あっという間に大きくなり、いまではもう、三千名を超えるメンバーがいる。しかもその人数には、不定期に体験生活をする人の数は入っていない。
宇宙の最後の秘密がすべて明かされたとき、人類はそれでも生存しつづけられるだろうか。自信満々にイエスと言える人間は、実際には浅はかだ。なぜなら、その秘密がなんなのか、まだだれも知らないのだから。だがもし、俗世間に溶け込んで生活する史強のような庶民の精神を、未知への恐怖が押しつぶそうとしても、 汪 淼 や 楊冬 の場合と同じようにはうまくいかない。彼ら庶民は、未知なるものに対抗するたくましい生命力を有している。その力は、知識ではけっして得られない。
汪淼は心の中で自分にそう言い聞かせたあと、室長をふりかえって、カウントダウンの数字越しに彼を見ながら言った。「実験を休止してくれ。装置をシャットダウンして、メンテナンスを実施したまえ。きみが出したスケジュールにしたがって」
さまざまな監視モニターがひとつずつ暗くなり、最後にメインスクリーン上にシャットダウン完了が表示された。
それとほとんど同時に、汪淼の眼前の秒読みも動きを止めた。数字は1174:10:07でストップし、数秒後、何度か点滅してから消えた。
ぼくらが見ている空は内層にあたる殻で、小さな穴が無数に空いている。その外側にある外殻には、大きな穴がひとつだけ。外殻のこの大きな穴から入ってきた光は、二つの球殻のあいだで反射と散乱をくりかえし、そこに明るい光を蓄積する。この明るい光が、内殻の小さな穴から洩れてくる。それがつまり、ぼくらが見ている星々だ」
「太陽は外殻の大きな穴から内殻に投射された光だ。その光があまりに強いため、卵の殻を光が透過するようにして内殻を貫き通し、その結果、ぼくらは太陽を見ることになる。投射された 光 斑 のまわりでは、散乱する光がやはりものすごく強いので、内殻を透過する。だから、日中は晴れた空が見える」
文明#141は炎に包まれて滅びました。この文明は、後漢レベルまで到達していました。 文明の種子はまだ残っています。それはいつかふたたび発芽し、『三体』の予測不能の世界で育ちはじめるでしょう。またのログインをお待ちしています。
太陽のガス層とわれわれの惑星の大気とのあいだに、特殊な光学的相互作用があることは、まだ発見されていないようですね。これは、偏光もしくは、相互に弱め合う干渉作用に似た現象です。その結果、われわれが太陽を大気圏内から観察しているとき、太陽がある距離に達すると、ガス層がとつぜん透明になり、太陽の中心核しか見えなくなるのです。
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