# From 0 to 3 Million: The Glasp Growth Story

Source: https://glasp.co/story

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# 第1章: なぜ私たちはGlaspを作ったのか

*小さなチームがウェブハイライターをゼロから300万ユーザーにまで育てた物語を、章ごとにお届けします。*

2020年9月、Glaspはひとつのアイデアとわずか数行のコードから始まりました。インターネット上で自分にとって大切な部分をハイライトして保存できるツール。放っておけば散逸し、失われてしまう知識をすくい上げるためのものです。資金もユーザーもなく、生産性ツールがひしめく市場でウェブサービスを成長させるための教科書など、もちろん持っていませんでした。

それでも私たちにはミッションがありました。知識をオープンに共有できるプラットフォームを作ること。あなたが今日ハイライトした気づきが、明日誰かの役に立つかもしれない。そんな場所です。知識が人とともに消えるのではなく、誰かに発見されて生き続ける、人類の学びのデジタルレガシーを築きたかったのです。

この物語は、私たちが従来型のグロースハックの近道や巨額のマーケティング予算に頼らず、Glaspをゼロから300万ユーザーにまで成長させた道のりについてのものです。私たちが大切にしたのは、本物の価値を生み出すこと、誠実なつながりを築くこと、そして成長がもどかしいほど遅く感じられるときでもミッションに忠実であり続けることでした。

## 決してまっすぐではなかった道のり

私たちの歩みは順風満帆な右肩上がりではありませんでした。ピボットもあれば、失敗に終わった実験もあり、不安に駆られる瞬間も数え切れないほどありました。ターゲットとするユーザー層も、プロダクトマネージャーからライター、そしてより広いナレッジワーカーへと何度か見直しました。AIのような新しい技術にいち早く飛び乗りながらも、人間によるキュレーションとつながりという核は手放しませんでした。そして、人々が情報を見つける方法が検索エンジンからAIアンサーエンジンへと再び変わったとき、私たちは流通のあり方をもう一度ゼロから考え直す必要に迫られました。

この物語の各章では、その道のりを一つずつ紹介していきます。

- 何百回もの個別オンボーディング通話を通じて、初期のユーザーベースをどう築いたか(第2章)
- 学術系の被リンク、Medium、Product Huntでの再ローンチといった、見過ごされがちな成長チャネルをどう活用したか(第3章)
- YouTube Summary with ChatGPTのようなAIツールにいち早く取り組むことで、バイラルの瞬間をどう生み出したか(第4章)
- 学ぶ人たちのコミュニティが、いかにして私たちの最強の成長エンジンになったか(第5章)
- AIアシスタントが質問に直接答え始めたとき、私たちはどう適応し、何をしたか(第6章)
- なぜ2人のスタートアップが研究論文を発表し始めたのか、そしてそれが何をもたらしたか(第7章)
- そのすべてを支えた原則(第8章)
- すべてを経て残った教訓、そしてこの旅の行き先(第9章)

## この物語が何であって、何でないのか

これは、そのまま真似するための設計図ではありません。あなたのプロダクトや状況は私たちとは違うはずです。むしろこれは、私たちにとってうまくいった原則、エピソード、戦術を集めたものです。実を結ぶまでに数か月かかった戦略もあれば、ユーザー数が一気に跳ね上がった施策もありました。共通していたのは、誠実さ、粘り強さ、そして長く価値の残るものを作りたいという純粋な思いです。

この物語には個人的な背景も流れています。Glaspが存在する理由の一つは、私が若い頃に死にかけた経験にあります。その経験は、どうしても手放せない問いを私に残しました。人が学んできたすべては、その人がいなくなったらどうなってしまうのか。Glaspは、その問いに対する私たちなりの答えです。あなたが読み、ハイライトし、意味を見出したものを誰かに引き継げるなら、学びは消費して終わるものではなく、後世に残せるものになります。

自分のプロダクトを作っている方も、コミュニティを育てている方も、小さなチームが今のデジタル時代でどう戦えるのか単純に興味がある方も、私たちの経験から何か役立つヒントを得ていただけたら嬉しいです。最高のグロースハックとは、小手先のテクニックや近道ではありません。人々が心から使いたい、誰かに教えたいと思えるものを作り、その価値が時間とともに複利で増えていくのを辛抱強く待つことです。

それでは、はじまりの地点から始めましょう。ユーザーはゼロ、あるのは大きな希望だけでした。

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# 第2章: 最初の1,000人のユーザーを見つける

## 最初の100人:友人、家族、そして信じる気持ち

すべてのスタートアップは、ある重要な問いから始まります。「これは誰が使うのか?」。Glaspの初期、その答えはシンプルでした。私たち自身です。私たちはまず自分たちのために、オンラインで読んだコンテンツを保存して整理するツールとしてGlaspを作りました。

しかし、プロダクト開発はコードだけの話ではありません。人の話です。2020年の8月と9月、おそるおそる最初のメッセージを送ったことを今でも覚えています。「役に立ちそうなものを作ったんだ。試してみてもらえないかな?」

最初のユーザーは見ず知らずの人ではありませんでした。友人、元同僚、身近なネットワークの人たちです。私たちはこれを「founder-friend」型の広め方と呼んでいました。知り合いに直接連絡して、プロダクトを試してもらうやり方です。

初期の成長は気が遠くなるほど遅いものでした。ダイレクトメッセージと個人的なつながりを頼りに、一人また一人と、最初の100人のユーザーまで積み上げていきました。ただ、彼らはただのユーザーではありませんでした。私たちとビデオ通話をして、画面を共有し、何が良くて何がダメかを遠慮なく伝えてくれる人たちだったのです。

## 1対1のオンボーディング:800回の通話マラソン

振り返ってみると、その数字には自分たちでも驚きます。ユーザーが1,000人に達するまでに、私たちは750回以上のオンボーディング通話を自ら行っていました。1回の通話は15〜20分で、共同創業者のKeiと私が朝と夜に分担してこなしました。

これらはセールストークではありませんでした。どの通話も、まず私たちの物語から始めました。なぜGlaspを作ったのか、オープンな知識プラットフォームというビジョン、そして世の中にどんな変化を起こしたいのか。個人的な経験も話しました。私が死にかけた経験と、それが「知識を個人を超えて生かす」というミッションをどう形づくったかに触れることもありました。

最も価値があったのはその次の部分です。ユーザーに画面を共有してもらい、普段オンラインの情報をどのように保存しているかを見せてもらいました。Notionのページ、ブラウザのブックマーク、メモアプリを行き来する様子を観察しました。サインアップの流れのどこでためらうのか、どこで戸惑うのか、何にワクワクするのかを見ていったのです。

「そこをクリックしてもらえますか?」と、Zoomの注釈機能で案内しながら尋ねました。「そのボタンを押したとき、何が起きると思っていましたか?」

これらの通話は消耗しましたが、何ものにも代えがたいものでした。得られたのは次の4つです。

1. インターフェースや機能に対する**リアルタイムのユーザーフィードバック**
2. プロダクトに触れる前の**ユーザーのワークフローへの理解**
3. チームと個人的なつながりを持ったユーザーからの**感情的な思い入れ**
4. ユーザータイプごとのパターンが見えてくることによる**ターゲット層の明確化**

プラットフォームでアクティブにならなかったユーザーも、私たちの物語は覚えていてくれました。数か月後、あるいは数年後に「あなたたちが作っているもの、覚えていますよ。同僚がまさにこれを必要としているんです!」と連絡をくれる人もいました。頼んでもいないのに定期的にレポートを送ってくれたSEOコンサルタントのように、非公式のアドバイザーになってくれた人もいます。

教訓は明確でした。最初期においては、リーチの広さよりもつながりの深さのほうが重要です。これらの通話が生み出したのは、プロダクトをただ試しただけでなく、それが存在する理由を理解してくれるユーザーという土台でした。

## ターゲット層を見つける

Glaspを作るうえで最も難しかったことの一つが、「これは一体誰のためのものか」を見極めることでした。当初、保存される記事の多くがプロダクトマネジメント関連だったことから、プロダクトマネージャーがターゲットになるのではないかと仮説を立てました。

これが最初の本格的なアウトリーチにつながりました。LinkedInやSlack上のプロダクトマネジメント系コミュニティに参加しました。なかには15万人規模のものもありました。アクティブなメンバーを丁寧に見つけ出し、Glaspを使えばプロダクトマネジメント記事のリーディングリストを作れることを、一人ひとりに合わせたメッセージで伝えました。

反応は手応えのあるものでしたが、同時に重要な気づきも得られました。プロダクトマネージャーは登録して記事をブックマークしてくれるものの、期待していたほどハイライトやメモを取ってくれなかったのです。さらに重要なことに、自分のコレクションを他人と共有することはほとんどありませんでした。

これが最初のピボットにつながりました。Glaspを口コミで広げたいなら、コンテンツを消費するだけでなく、それを共有する動機を持つユーザーが必要です。そこで有望な層として浮かび上がったのがライター、特にコンテンツライターとSEOスペシャリストでした。

「ライターはリサーチをして、情報源をまとめ、そこからコンテンツを作る。Glaspがその橋渡しになれたらどうだろう?」と私たちは考えました。

アウトリーチの対象をライティング系コミュニティに切り替えると、ほどなくして、編集者とのワークフローの中でGlaspを使うユーザーが現れました。記事をリサーチし、重要な箇所をハイライトし、レビューの場で自分のGlaspプロフィールを編集者に共有する、という使い方です。

これは初期の重要な教訓でした。「誰がこのプロダクトを使うか」という最初の仮説は、たいてい間違っています。プロダクトから最も価値を得るユーザーは、自分が考えてもみなかった隣接領域にいるかもしれません。何百件もの個別の対話を重ねていたからこそ、こうしたパターンに気づき、素早く軌道修正できたのです。

ターゲット層のピボットは、どれも失敗ではありませんでした。理解を磨き上げる過程だったのです。一つひとつの対話が、Glaspをただ使うだけでなく、周りに薦めてくれる人たちへと私たちを近づけてくれました。

## 画面共有の力:見ることで学ぶ

オンボーディング通話で最も価値があったのは、ユーザーが「語ったこと」ではありません。「見せてくれたこと」でした。画面を共有してもらうことで、どんなアンケートや分析ダッシュボードからも得られない気づきを手にできたのです。

人々がデジタル生活の中で実際にどう情報を整理しているかが見えてきました。Notionのデータベースを几帳面に整理している人もいれば、何年分も積み重なったブラウザのブックマークを抱えている人もいました。スクリーンショットを撮ったり、テキストをメモにコピペしたりと、間に合わせの方法で大事な一節を保存している人も大勢いました。

この直接観察によって、ユーザー自身も言葉にできないペインポイントが浮かび上がりました。「記事をもっとうまく保存したい」と言う人は、その記事が半年後にも簡単に検索できる必要があることや、他の読者のハイライトが見られたら助かることまでは口にしないかもしれないのです。

画面共有は、ユーザビリティの問題もその場であらわにしてくれました。新規ユーザーがボタンの前でためらったり、機能を誤解したり、見当違いの場所で機能を探したりする様子を、私たちはつぶさに見ていました。アクティベーション指標が改善しない理由を頭で悩むのではなく、つまずきのポイントを文字どおり目で確かめられたのです。

「上のメニューでハイライトボタンを探していらっしゃいますね」と私たちは声をかけました。「実は右クリックメニューに入れているんです。あなたのワークフローに合っていますか?」

こうした観察は、そのままプロダクト改善につながりました。オンボーディングの流れをより直感的にし、わかりにくい用語を整理し、ユーザーが自力で編み出していた回避策をもとに機能の優先順位を決めました。

ユーザーの話を聞くだけではいけません。見るのです。人が「やっている」と言うことと実際にやっていることのあいだのギャップにこそ、最も価値あるプロダクトの気づきが隠れていることが多いのです。

## コストを意識した成長:有料チャネルを避けた理由

Glaspの初期に、私たちは成長戦略全体を方向づける意図的な選択をしました。顧客獲得コストがほぼゼロのチャネルだけに集中する、という選択です。

これは単なる倹約ではありません。明確なマネタイズ戦略を持たないコンシューマー向けプロダクトとして、お金を払ってユーザーを獲得するやり方は持続不可能だとわかっていました。顧客獲得コスト(CAC)を回収できなければ、成長はいずれ壁にぶつかります。

「ユーザーからすぐにお金をいただかないのなら、ユーザー獲得にお金を使うわけにはいかない」と私たちは考えました。この制約が、創造性を生む強みになったのです。

このCACゼロのアプローチに合うチャネルとして、主に2つを定めました。

1. **SEO**: 継続的なコストをかけずに、何年もトラフィックを生み続けるコンテンツを作ること
2. **口コミ**: ユーザーが自然と人に教えたくなるほど価値のある機能を作ること

オーガニック成長に絞った分、最初の進みは遅くなりました。他のスタートアップが有料広告で急速なユーザー増を祝っているあいだ、私たちはコンテンツを丹念に作り込み、被リンクを積み上げ、ユーザーから直接もらうフィードバックをもとにプロダクトを磨いていました。

Medium上でチュートリアルを書き、他のブログにゲスト投稿を寄せ、「Kindleからハイライトをエクスポートする方法」や「研究者向けChrome拡張機能まとめ」といった具体的なユースケースに応えるコンテンツを作りました。どのコンテンツも、価値あるキーワードで上位表示を狙いながら、Glaspの便利さを示せるように設計しました。

被リンクについては特に戦略的でした。SEOにおけるその大きな影響力を認識していたからです。教育機関(私の母校も含みます)や、日本の文部科学省のような政府系サイトにまで連絡を取り、権威性の高いリンクの獲得を目指しました。粘り強さが必要で、返事のないメールも数多くありましたが、獲得できたリンクは長く続くSEO価値をもたらしてくれました。

この規律あるアプローチのおかげで、ユーザー獲得が「お金を使い続けること」に依存しない構造になりました。コンテンツが一度上位に表示されたり、ユーザーコミュニティが一度形成されたりすれば、追加投資なしでサインアップを生み続けてくれたのです。

ゆっくりでも持続可能なこのやり方は報われました。最初の5万ユーザーに達した時点で、全体のCACはユーザー1人あたりわずか数セント。この土台があったからこそ、大きな資金調達をせずに数百万ユーザーまでスケールできたのです。

## 掛け算の効果:コンテンツの多言語翻訳

早い段階で、私たちは効率重視のアプローチを象徴する強力な成長レバーを発見しました。コンテンツの翻訳です。Ness Labsというメディアに取り上げられたあと、他の言語を話すユーザーに「この記事を翻訳してもらえませんか?」とお願いしてみました。

反響は圧倒的でした。ユーザーたちはその1本の記事を、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タガログ語を含む10近い言語に翻訳してくれたのです。翻訳が1つ増えるたびに、新しいコンテンツをゼロから作ることなく、新しい言語圏にGlaspの扉が開きました。

この掛け算の効果は、繰り返し使える戦略になりました。英語で価値あるコンテンツを作れば、コミュニティメンバーの翻訳によってリーチを広げられます。10本の異なる記事を書く代わりに、1本の優れた記事を書いて10の市場に届けられるのです。

翻訳がもたらしたのはリーチの拡大だけではありません。ユーザーに「自分はミッションの担い手だ」と感じてもらえたことです。翻訳を手伝ってくれた人たちは、もはやただのユーザーではなく、Glaspのグローバルコミュニティを一緒に築く仲間になりました。

この経験から学んだのは、制約はしばしば創造性を生むということです。プロの翻訳や海外マーケティングの予算がなかったからこそ、コスト効率が良いだけでなく、コミュニティの絆まで強くしてくれる解決策にたどり着けたのです。

## ケーススタディ:最初の1,000人のユーザー

ユーザーが1,000人に達する頃には、(手間はかかるものの)再現可能なプロセスができあがっていました。

1. 潜在ユーザーのコミュニティを特定する(最初はプロダクトマネージャー、次にライター)
2. そのグループやコミュニティに参加する(主にLinkedInとTwitter)
3. Glaspを紹介するパーソナライズされたメッセージを送る(1日に数百通)
4. 興味を持ってくれたユーザーと1対1のオンボーディング通話を行う
5. フィードバックを集め、プロダクトを継続的に改善する
6. 彼らの具体的なユースケースに向けたコンテンツを作る
7. 満足してくれたユーザーに、同僚への共有を促す

1,000ユーザーまでの道のりは、地道な努力を約3か月続けた末のものでした。ベンチャーキャピタルの基準では速い成長とは言えませんが、彼らはプロダクトを深く理解してくれた質の高いユーザーでした。こうしたアーリーアダプターの多くは数年経った今もアクティブに使い続けてくれていて、誰よりも熱心に私たちを応援してくれる存在になっています。

注目すべきは、このアプローチが従来のグロース戦術とどれほど違うかです。プレゼント企画も、バイラルループも、攻撃的なマーケティングも使いませんでした。その代わりに、実在するユーザーと本物の関係を築き、プロダクトの有用性そのものに語らせたのです。

この誠実な成長の土台は、初期のユーザーベースを超えてスケールし始めたときに大きな力を発揮することになります。次の課題は、初期の成長を支えた人間味のある関わり方を失わずに、数万人、そして数十万人のユーザーに届く方法を見つけることでした。

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# 第3章: 複利で効く成長チャネル

直接の声かけと一人ひとりへのオンボーディングによって最初の1,000人のユーザーを獲得した後、私たちは重要な問いに直面しました。顧客獲得コスト(CAC)をゼロ、あるいはほぼゼロに保ったまま、個人的なネットワークの外へどう成長していけばいいのか、という問いです。

答えは、長期的なビジョンに沿った、スケール可能な成長チャネルを見つけることにありました。継続的な再投資を必要とするのではなく、時間とともに複利で効いていく手法が必要だったのです。

## SEO:長期戦を選ぶ

持続的な成長のために、私たちが最も力を入れたのが検索エンジン最適化(SEO)でした。出稿をやめた瞬間にユーザー獲得が止まる有料広告とは違い、SEOへの投資は何年にもわたって成果を生み続けます。

私たちはSEOに3つの戦略で取り組みました。

### 1. 戦略的なコンテンツ制作

プロダクトの機能に関連する、検索意図の強いキーワードを特定し、それらを深く掘り下げたコンテンツを作りました。「Kindleからハイライトをエクスポートする方法」「研究者向けChrome拡張機能まとめ」「YouTube動画でノートを取る方法」といった記事は、Glaspが解決できる具体的な課題を狙ったものです。

これらは検索アルゴリズムを攻略するための薄っぺらいブログ記事ではありません。プロダクトの機能を紹介しつつ、それ自体で価値が完結する、本当に役立つガイドを作りました。読者はGlaspに登録しなくても、記事のアドバイスを実践できたのです。

このアプローチのおかげで、私たちのコンテンツは関連キーワードで上位に表示されることが多くなりました。さらに重要なのは、これらの検索経由でたどり着いたユーザーは、Glaspがすぐに解決できる具体的な課題を抱えていたため、アクティベーション率も継続率も高かったことです。

### 2. 戦略的な被リンク獲得

特定の被リンクが、他とは比べものにならないほどのSEO価値を持つことに、私たちは早くから気づいていました。特に政府機関(.gov)や教育機関(.edu)のドメインからのリンクは、検索順位を大きく押し上げる可能性があります。

自動化されたアウトリーチやリンク交換に頼るのではなく、私たちはより丁寧なアプローチを取りました。

- 私の母校に連絡し、卒業生向けリソースにGlaspを掲載してもらいました
- 日本の文部科学省に連絡し、教育ツールのディレクトリにGlaspを加えてもらいました
- 教育系ブログや研究プラットフォームとの関係を築きました

こうした権威性の高い被リンクは、検索順位を上げただけではありません。真剣な読書家や研究者がGlaspを見つけてくれる場所に、Glaspを置くことにもつながりました。

### 3. ユーザーインタビューのケーススタディ

私たちはユーザーインタビューを詳細なケーススタディに仕立て、一石二鳥の効果を狙いました。見込みユーザーへの社会的証明になると同時に、価値あるSEOコンテンツにもなったのです。

ケーススタディでは、多様なユースケースを取り上げました。

- Glaspでプロダクトマネージャーをフォローし、彼らのおすすめ記事を読み続けて、最終的にPM職を勝ち取った求職者
- 投資候補のリサーチにGlaspを共同で活用するベンチャーキャピタルのチーム
- 記事を執筆する前のリサーチ収集にGlaspを使うライターたち

それぞれのケーススタディは特定のキーワードを狙いつつ、プロダクトの実際の活用例を示すものでした。似たような課題の解決方法を探している見込みユーザーがこれらのストーリーを見つけ、Glaspを解決策として認識してくれるようになったのです。

このSEO中心のアプローチの素晴らしさは、その複利性にありました。作ったコンテンツの一つひとつが、月を追うごとに、年を追うごとに、私たちのために働き続けてくれます。成果が完全に現れるまでには6〜12か月かかることも多く、即効性はありませんでしたが、効果は長続きし、互いに積み重なっていきました。

## Medium:既存の流通網を活用する

自社ブログに加えて、新しい読者層にリーチするための戦略的チャネルとしてMediumを活用しました。Mediumのレコメンドアルゴリズムは、Glaspをまだ知らない読者にコンテンツを届ける手段になってくれたのです。

私たちは、深く掘り下げたチュートリアル、ナレッジマネジメントに関する考察、効果的な学習法のガイドなどを公開しました。各記事には、過度に宣伝的にならないよう、関連する箇所でGlaspへの自然な言及を含めました。

鍵となったのは、エンゲージメントを評価するMediumのアルゴリズムを理解することでした。読者がハイライトし、コメントし、シェアしたくなるような、本当に価値のあるコンテンツを作ることに集中しました。こうした行動こそが、Mediumのエコシステム内で記事の露出を高めてくれるからです。

この戦略は好循環を生みました。ユーザーがMediumで私たちの記事を見つけ、読んだ後に多くの人がGlaspに登録し、そのGlaspを使って他のMedium記事をハイライトして保存する。プラットフォーム内で、私たちのツールの存在が社会的証明として目に見える形で広がっていったのです。

## ゲスト投稿:既存メディアの信頼を借りる

自社のSEO基盤を築きながら、並行して既存プラットフォームへのゲスト投稿の機会も追求しました。これにより、確立されたメディアが持つ信頼と読者層を借りることができました。

私たちが特に狙ったのは、テクノロジー系ブログ、生産性関連のウェブサイト、ナレッジマネジメントのコミュニティです。あからさまに宣伝的なコンテンツを売り込むのではなく、次のような記事を通じて本物の価値を提供しました。

- テクノロジーレビューサイト向けの「Top 10 Chrome Extensions in 2022」(Glaspを自然な形で含める)
- 生産性ブログ向けの「How the World's Top Thinkers Organize Their Knowledge」
- 先進的なメディア向けの「The Future of Social Reading」

これらのゲスト投稿は、複数の目的を同時に果たしてくれました。

1. 確立された読者層にGlaspを紹介する
2. 自社サイトへの権威ある被リンクを構築する
3. この分野のソートリーダーとしての地位を確立する
4. 複数チャネルで再利用できるコンテンツを生み出す

ゲスト投稿を成功させる鍵は、量ではなく戦略的な掲載先選びでした。適切なプラットフォームに載った1本の記事は、関連性の低いサイトに載った何十本もの記事よりも、質の高いユーザーを連れてきてくれたのです。

## Product Hunt:機能ごとに何度もローンチする

ほとんどのプロダクトは、Product Huntに一度ローンチしたらそれで終わりにしてしまいます。私たちは違うアプローチを取り、個々の機能を独立したプロダクトとしてローンチしました。

9月の最初のProduct Huntローンチ(トラフィックはささやかなものでした)の後、主要な機能をリリースするたびにこのプラットフォームに戻ってこられることに気づいたのです。

- PDFハイライト機能
- YouTubeの文字起こしとハイライト
- AIによる要約生成
- iOSアプリとAndroidアプリ
- 音声文字起こしツール

これらのローンチはそのたびに、新たな注目、被リンク、そしてユーザーを連れてきてくれました。さらに重要なのは、Glaspが絶えず進化し改善し続けているというメッセージを、コミュニティに発信できたことです。

この「機能をプロダクトとして」ローンチする戦略は、いくつもの目標を同時に達成しました。

1. トラフィックの多いプラットフォームでの定期的な露出
2. 継続的な被リンクの獲得
3. イノベーションと開発スピードに対する評判の確立
4. 過去のユーザーが再び戻ってくる自然なきっかけづくり

私たちが学んだのは、Product Huntは単なるローンチの場ではないということです。正しいアプローチさえあれば、繰り返し活用できる継続的な成長チャネルだったのです。

## 複利の効果:なぜこれらのチャネルを優先したのか

振り返ってみると、これらすべてのチャネルに共通していたのは、その複利性でした。予測可能だが一時的な結果しか生まない有料広告とは異なり、こうしたオーガニックなアプローチは、最初は小さくても時間とともに育っていきます。

SEOに取り組み始めて6か月では、上位表示されるキーワードはほんの一握りかもしれません。12か月経つと、それが数十に増えているかもしれません。2年経てば、何百もの関連キーワードで上位表示され、その一つひとつが質の高いユーザーを安定的に連れてきてくれるのです。

同じ複利的な成長は、コンテンツ、被リンク、コミュニティでの存在感にも当てはまりました。私たちが作った資産は一つひとつ、半永久的に働き続けてくれます。必要なのは作り直しではなく、メンテナンスだけでした。

このアプローチは、私たちのリソース制約と完璧に噛み合っていました。外部資金のない小さなチームには、継続的な再投資を必要とする戦略を選ぶ余裕はありません。時間とともに価値が上がっていく資産を築く必要があったのです。

結果がすべてを物語っています。最初の1年が終わる頃には、獲得コストを一切かけずに数万人のユーザーを獲得し、やがて数百万人を支えることになる基盤を築いていました。

しかも、こうしてやってきたユーザーは、最初から私たちのミッションに共感していました。彼らは学習、ナレッジマネジメント、テクノロジーとの思慮深い付き合い方に関するコンテンツを通じてGlaspを見つけてくれた人たちです。無料トライアルや特典目当ての「賞金稼ぎ」ではなく、開かれた知識共有という私たちのビジョンに心から共鳴してくれる人々だったのです。

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# 第4章: AIの波に乗る

SEOとコンテンツ戦略が着実な成長をもたらしてくれた一方で、私たちはユーザー獲得を一気に加速させるブレイクスルーの瞬間も何度か経験しました。これらの瞬間は偶然の産物ではありません。新興トレンドとユーザーの本当のニーズが交わる地点に、意図的に自分たちを置き続けた結果です。そしてその多くは、ひとつの源から生まれました。2022年にインターネットを塗り替え始めたAIの波です。

この章では、私たちがどうやってその波に乗ったのか、そしてGlaspの存在意義を見失わずに乗りこなそうとした試みについてお話しします。

## Aurelius効果:たったひとつの正しいパートナーシップ

AIが登場する前、最初の大きな成長加速をもたらしたのは、期待をはるかに超えるリターンを生んだ戦略的なYouTubeスポンサーシップでした。

2021年8月までに、私たちはターゲットオーディエンスについて十分な裏付けを集め、YouTubeスポンサーシップを検討できる段階に達していました。少ない予算を多くのクリエイターに薄く分散させるのではなく、リソースをひとつのパートナーシップに集中させることにしました。

数十人の候補をリサーチした末に見つけたのが、Aureliusでした。登録者数約30万人のオーストラリア人YouTuberで、その視聴者層は私たちのターゲットユーザー、つまり生産性と学習に関心を持つ思慮深いナレッジワーカーと完璧に一致していました。

スポンサーシップ自体はシンプルなもので、彼の動画の中でGlaspに短く触れてもらうだけでした。予想していなかったのは、そこから連鎖反応が起きたことです。

1. Aureliusが動画でGlaspを紹介し、最初の登録者の波が押し寄せた
2. Aureliusの動画を見た他のクリエイターたちがGlaspを発見し、言及し始めた
3. そのクリエイターたちが、Glaspについて独自の動画、投稿、記事を作った
4. 彼らの視聴者がGlaspを発見し、その中でも影響力のある人たちがさらに多くのコンテンツを生み出した

この「インフルエンサーの連鎖」は、当初の投資をはるかに超える乗数効果を生みました。クリエイターエコノミーでは、適切な一人に届くことが、その人のクリエイター仲間のネットワーク全体に間接的に届くことを意味します。リソースが限られているときは、パートナーシップの広さよりも深さが勝つのです。

## DALLE-dle:AIの最前線での初期実験

2022年半ば、私たちは来たるAI革命の初期シグナルに気づき始めていました。DALL-Eがリリースされたばかりで、目を見張るような画像生成を見せていました。同じ頃、Wordleがシンプルで中毒性のある単語ゲームとして世界的なブームになっていました。

これらのトレンドをただ眺めるのではなく、私たちは自分たちに問いかけました。これらをGlaspのコア機能と組み合わせて、何かユニークなものを作れないだろうか、と。

その答えが「DALL-E Wordle」、略して「DALLE-dle」でした。AIが生成した画像の元になった有名な引用句を当てるゲームです。引用句にはGlasp上に集まったハイライトを使い、コアプロダクトとの自然なつながりを持たせました。

この実験はWordleフォーマットの面白い新解釈として、大手ゲームメディアのPC Gamerに取り上げられ、Glaspに大きなトラフィックをもたらしました。DALLE-dleはコアプロダクトではありませんでしたが、認知を広げ、世間の関心が高まり始めたまさにそのタイミングで、私たちをAI領域のビルダーとして印象づけてくれたのです。

## ChatGPT Chrome拡張機能:数週間ではなく数日で

2022年11月にChatGPTが登場したとき、私たちはすぐにその可能性を確信しました。競合として見るのではなく、これを使って何が作れるかを考えたのです。

ChatGPTのリリースから数日のうちに、私たちはChatGPT向けとしては最初期のChrome拡張機能のひとつを作り、ユーザーがどのウェブページからでもAIアシスタントにアクセスできるようにしました。このシンプルなツールは、初期のChatGPTユーザーが感じていた実際の不便を解消するものでした。

タイミングが決定的に重要でした。リリース後の最初の数週間で、私たちの拡張機能はChatGPT関連のChrome拡張機能の中で最もインストールされたもののひとつとなり、瞬く間に30万インストールに到達して、巨大な新規オーディエンスを私たちのエコシステムに呼び込みました。

これは運ではありません。技術トレンドを常に監視し、チャンスが現れた瞬間に素早く動ける準備をしていた結果です。ChatGPT周辺で役立つツールをいち早く作った者として、私たちは大きな注目を集めることができました。ほんの数週間後、市場が飽和してからでは、同じ注目を得るのははるかに難しかったでしょう。

## YouTube Summary with ChatGPT:本体を超えて成長したツール

私たちの最大のバイラルヒットは、すでに持っていた2つのものを組み合わせたところから生まれました。ChatGPT以前から提供していたYouTubeハイライト機能と、新たに得たAI統合の経験です。

YouTubeには膨大な価値ある知識が詰まっていますが、それを取り出して自分のものにするのは大変です。そこで私たちはYouTube Summary with ChatGPTを作りました。次のことができるChrome拡張機能です。

1. あらゆるYouTube動画から文字起こしを自動で抽出する
2. その文字起こしをAIモデルに通して、簡潔な要約を生成する
3. 動画の横に要約を表示して、すぐに参照できるようにする
4. 要約と自分のハイライトの両方をGlaspに保存できるようにする

これは明確なペインポイントに応えるものでした。長尺動画から知識を取り出すのにかかる時間です。30分の動画を視聴する代わりに、ユーザーは30秒で要約を読み、その上で動画全体に時間を割く価値があるかを判断できるようになりました。

反響は即座に、そして圧倒的にやってきました。ユーザーがSNSでスクリーンショットをシェアし、お金では到底買えない規模のオーガニックな宣伝が生まれました。YouTubeクリエイターたちは、このツールでリサーチがどう変わったかを動画で紹介してくれました。ニュースレターの書き手たちは、必須AIツール特集に取り上げてくれました。ForbesのようなビジネスメディアもAIの革新的な活用例として報じてくれました。

1年もしないうちに、YouTube Summary with ChatGPTをインストールしたユーザーは200万人を超えました。当時のGlasp本体のユーザーベースの2倍以上です。拡張機能が、プロダクト本体よりも人気になってしまったのです。

私たちはそれを問題と捉えるのではなく、チャンスとして扱いました。YouTube Summaryはスタンドアロンのツールではなく、ユーザーのGlaspアカウントに直接つながっていて、ハイライト、ノート、知識共有への入り口になっていました。AI要約を目当てに来たユーザーの多くが、それ以外の機能のために残ってくれました。カジュアルなAIツールユーザーから熱心なGlaspユーザーへの、自然なアップグレード経路になったのです。

## Digital Clones:あなたのハイライトが語りかけてくる

その勢いに乗って、私たちはDigital Clonesを開発しました。ユーザーのGlasp上のハイライトとノートで学習した、パーソナライズドAIアシスタントです。

コンセプトには強い魅力がありました。Glaspで記事、本、動画をハイライトしていくと、あなたの興味、知識、思考パターンを映し出すデータセットが自然と出来上がっていきます。その個人のデータセットでAIを学習させれば、あなたの思考のデジタルな延長、つまりあなたの視点を反映してトピックを語れる「クローン」が手に入るのです。

Digital Clonesは、いくつもの課題を同時に解決しました。

1. ユーザーが自分の集めた知識を探索し、対話できる手段を提供した
2. ハイライトとコンテンツ保存を続ける強い動機を生み出した
3. 私たちのミッションを文字どおり実現した:個人を超えて他者と関わり続ける知識、という形で

YouTube Summary with ChatGPTほどの即効性のあるバイラルにはなりませんでしたが、テクノロジーメディアや未来学者たちの注目を集め、パーソナルナレッジマネジメントの行き先を垣間見せるものとして評価されました。そして強力なエンゲージメントループも生まれました。ハイライトすればするほど、自分のクローンが役立つものになっていくのです。

## 脇を固めた実験たち

これらの主力機能の周辺で、私たちは小さなAI実験や仕組みを次々と公開しました。

- **Idea Hatch**は言語モデルを使って、ユーザーのコレクションの中の一見無関係なコンテンツ同士の意味あるつながりを見つけ出し、受け身のアーカイブを能動的な思考のパートナーに変えました。
- **コンテンツ自動化**のおかげで、2人だけのチームがはるかに大きな組織のように動けました。1本のYouTube動画から、構造化されたブログ記事、SNS向けの短文、ニュースレターのコンテンツが生まれ、人間はゼロから書くのではなく、レビューと仕上げに集中できました。
- **Kindle性格診断**は、ユーザーのKindleハイライトを分析して、読書パターンに関する遊び心のある診断結果を生成し、本をおすすめするものでした。開発コストは低く、結果は自然とシェアされやすく、読書とハイライトという本業への明確なつながりもありました。

どれもコアプロダクトではありません。しかしどれもが、注目と信頼と新規登録を複利で積み上げてくれました。

## これらの成功に共通していたもの

Aureliusの連鎖、DALLE-dle、ChatGPT拡張機能、YouTube Summary with ChatGPT、そしてDigital Clonesを振り返ると、同じ原則が繰り返し現れていることがわかります。

### 1. 不完全でもいいから、最初に出す

私たちのChatGPT拡張機能もYouTube Summary with ChatGPTも、後から登場したものと比べれば機能が最も充実していたわけではありません。しかし、関心がピークに達したときに使える最初期の選択肢ではありました。新しいトレンドの窓は、週単位ではなく日単位で閉じていきます。私たちは最低限の品質ラインは守りつつ、磨き込みよりスピードを優先し、注目を集めてから改善を重ねました。

### 2. コアバリューに結びついた、本当の課題を解決する

YouTube Summaryが成功したのは、AIを見せびらかしたからではなく、本物のペイン(何時間もの動画と、限られた時間)を解消したからです。そして私たちが公開したすべての機能は、知識の収集と共有という本業に立ち返るものでした。トレンド追いかけ自体が目的になればトラフィックしか生まれません。ミッションに資するトレンドの追いかけ方をすれば、ユーザーが生まれるのです。

### 3. プロダクトの中に拡散の仕組みを組み込む

最も大きくバイラルに広がった機能には、シェアの仕組みが組み込まれていました。YouTube Summaryのさりげないブランディングは、ユーザーが投稿するすべてのスクリーンショットに写り込みました。Digital Clonesは、自分専用のAIを誰かに見せたいという気持ちを生みました。プロダクト自身がマーケティングをしてくれたのです。

### 4. 初期シグナルを観察し続ける

これらのチャンスは、どれも前触れなく現れたわけではありません。DALLE-dleの前にはAI画像生成への関心の高まりに、拡張機能の前にはChatGPTをめぐる初期の熱狂に、私たちは気づいていました。注意を払い続けること、それ自体が戦略なのです。

### 5. コアを強化する。決して置き換えない

AI機能はハイライトの価値を高めるものであって、ハイライトの代わりになるものではありませんでした。Digital Clonesはハイライトすればするほど良くなり、Idea Hatchは保存すればするほど良くなりました。それぞれの機能が、コアプロダクトから注意を逸らすのではなく、コアプロダクトへのエンゲージメントを深めてくれたのです。

## バランスの取り方:トレンドと長期ビジョンのあいだで

これらのバイラルの瞬間は成長を劇的に加速させましたが、リスクも伴いました。知識共有というミッションではなく、流行りの機能で知られる存在になってしまう危険です。

私たちはその緊張関係を、どんなに話題性があっても新機能は必ず長期ビジョンに資するものでなければならない、という原則を貫くことで乗り越えました。YouTube Summary with ChatGPTはAIの小手先芸ではありません。動画から知識を取り出すという、まさにGlaspの存在理由そのものを実現するツールでした。短期的な成長が見込めても、ビジョンに合わないバイラルのチャンスは数多く見送りました。

結局のところ、これらの瞬間は持続的な成長戦略とは別物ではありませんでした。その上に重ねたアクセラレーターだったのです。新しいテクノロジーを変わらないミッションに結びつけたことで、一時的な注目で終わるはずのスパイクは、持続的なエンゲージメントへと定着していきました。

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# 第5章: コミュニティとともに築く

Glaspが数千人から数百万人のユーザーへと成長するにつれ、私たちは根本的な課題に直面しました。はるかに大きな規模で運営しながら、初期の頃を特徴づけていた個人的なつながりとコミュニティ重視の姿勢を、どうすれば維持できるのか、という課題です。

この章では、私たちがGlaspの周りにいかに活気あるコミュニティを築いたか、そしてそのコミュニティが私たちの成長だけでなく、プロダクトの方向性やコンテンツそのものをどう形づくったかを紹介します。

## Glasp Talk:インタビューをコミュニティの資産に変える

私たちのコミュニティ施策の中で最も成功したものの一つがGlasp Talkです。これは、さまざまな分野のプロフェッショナル、ソートリーダー、興味深い人々へのインタビューシリーズでした。気軽な会話として始まったものが、やがて私たちのコミュニティ戦略の柱へと発展していきました。

Glasp Talkの誕生には、ある重要な気づきがありました。最も価値ある知識は、記事や本に書かれることなく、人々の頭の中に閉じ込められたままになっていることが多いのです。会話と丁寧な問いかけを通じて、そうでなければ公に共有されることのなかったかもしれない知見を引き出し、残していくことができると考えました。

毎週、私たちは注目すべき人物にインタビューを行いました。起業家、ライター、プロダクトマネージャー、デザイナーなど、さまざまなナレッジワーカーです。これらの会話では、彼らの仕事の進め方、思考のフレームワーク、人生哲学を掘り下げました。

インタビュー自体も価値あるコンテンツでしたが、Glasp Talkの真の力は、それをプロダクトのエコシステムと統合する方法にこそ表れました。

1. **コンテンツの多面展開**:各インタビューは、動画、ポッドキャスト、記事、ハイライト、引用、SNS向けの抜粋といった複数のフォーマットに変換されました。

2. **エバーグリーンな知識**:ニュースサイクルを追いかけるのではなく、何年経っても色あせない普遍的な問いと知見に焦点を当てました。

3. **コミュニティとのつながり**:出演したゲストの多くが、その後Glaspの積極的なユーザーや支持者となり、自らのネットワークにプラットフォームを紹介してくれました。

4. **レガシーへの注目**:すべてのインタビューは同じ質問で締めくくられました。「あなたは世界にどんなレガシーやインパクトを残したいですか?」これは、知識を保存し共有するという私たちのミッションと完全に重なるものでした。

そして何より重要なのは、Glasp Talkが私たちのコミュニティづくりへの姿勢を体現していたことです。コミュニティを利用すべきマーケティングチャネルとして扱うのではなく、知識共有というミッションを前進させながら、コミュニティのメンバーに本物の価値を生み出すことを目指しました。

## メールニュースレター:古い技術、新しいアプローチ

アルゴリズムフィードと移ろいやすい注意の時代において、私たちは最も古いデジタルコミュニケーションツールの一つであるメールニュースレターに、計り知れない価値を見出しました。

当初はMailchimpを使って、新規ユーザーにオンボーディングのシーケンスやプロダクトのアップデートを送っていました。しかしユーザーベースが拡大するにつれてコストは法外なものとなり、リソースの限られたスタートアップにとって月数千ドルに達してしまいました。

そこで私たちは、無料でニュースレター機能を提供するSubstackに移行しました。しかし本当のブレイクスルーは、新規のGlaspユーザーを(適切なオプトインを経て)自動的にニュースレターに登録できると気づいたときに訪れました。

この統合は、強力な成長ループを生み出しました。

1. 新規ユーザーがGlaspに参加し、ニュースレターにオプトインする
2. キュレーションされたコンテンツコレクションやコミュニティの最新情報を受け取る
3. 価値ある記事を発見し、Glaspでハイライトする
4. そうしたインタラクションが、その後のコンテンツのレコメンドに活かされる

購読者数はまず35万人を突破し、開封率は30〜35%と、業界平均をはるかに上回りました。その後も成長を続け、現在では55万人以上の購読者を抱える、私たちにとって最も価値あるコミュニティとの接点の一つとなっています。

ニュースレターの成功の鍵は、技術的なイノベーションではなくキュレーションにありました。すべてのレコメンドはチームが一つひとつ自ら選んだもので、流行りものやクリックベイトではなく、本物の価値を届けるエバーグリーンなコンテンツに焦点を当てていました。

これは私たちのより大きな哲学を反映したものでした。私たちはインプレッションや短期的なエンゲージメントのために最適化していたのではなく、長期的な価値と信頼のために最適化していたのです。人々の学びと成長を助けるコンテンツを一貫して届けることで、受け取るのが本当に楽しみになるニュースレターを築き上げました。

## コミュニティ主導のプロダクト開発

私たちは最初から、コミュニティをプロダクト開発に直接巻き込んできました。これは単にフィードバックを集めるということではありません。最もアクティブに使ってくれる人たちとともに、Glaspを共創するということでした。

最も成功した機能のいくつかは、コミュニティからのリクエストや観察から直接生まれたものです。

- **PDFハイライト**:ユーザーがPDFから情報を保存するのに苦労している様子を見て、ハイライト機能を備えた専用のPDFリーダーを開発しました。

- **YouTube文字起こし**:ユーザーが要点を保存するためにYouTube動画を手作業で文字起こししていたため、自動文字起こしとハイライト機能を作りました。

- **トップハイライト**:複数のユーザーが記事の中で同じ箇所をハイライトしていることに気づき、最も多くハイライトされた箇所を表示する機能を作りました。

- **AI要約**:YouTube Summary with ChatGPTへのコミュニティからのフィードバックを受けて、AI要約をあらゆるコンテンツタイプに拡大しました。

コミュニティが実際にGlaspをどう使っているかを観察することで、時には私たちがまったく想定していなかった使い方も含めて、複雑さを増すのではなく体験を本当に良くする機能を発見できました。

私たちはこのコラボレーションを、いくつかのチャネルを通じて育てていきました。

- ユーザーがアイデアやユースケースを共有できる**SlackやDiscordのコミュニティ**
- ワークフローや課題を深く理解するための**定期的なユーザーインタビュー**
- ユーザーが優先順位に投票できる**公開の機能リクエスト**
- 新機能に早期アクセスできる**ベータテストグループ**

これは好循環を生み出しました。コミュニティのメンバーはプロダクトの進化に当事者意識を持つようになり、その結果、エンゲージメントを保ち、他の人を誘ってくれる可能性が高まりました。彼らの意見はより便利な機能につながり、それがより多くのユーザーを引きつけ、そのユーザーたちが新鮮な視点とアイデアをもたらしてくれたのです。

## ユースケースを増幅させる力

最も効果的なコミュニティ戦略の一つは、ユーザーが発見した創造的なユースケースを増幅させることでした。誰かがGlaspの新しい使い方を見つけたとき、私たちはケーススタディ、SNS、ニュースレターを通じてそのアプローチを紹介しました。

印象的な例をいくつか挙げます。

- 大学を越えて仲間と共同でリサーチを進めるためにGlaspを使った博士課程の学生
- Glaspのハイライトを通じて研究資料を収集・整理した書籍の著者
- オンラインコンテンツから語彙やフレーズを保存して復習した語学学習者
- インタビューから引用を素早く抜き出すために私たちのYouTube文字起こしを使ったジャーナリスト

こうしたストーリーを紹介することは、いくつもの目的を同時に達成しました。

1. プロダクトの新しい使い方について**既存ユーザーを教育する**
2. 同じ課題に直面している**似たユーザーを引きつける**
3. 創造性を称えることで**ユーザーを認め、励ます**
4. SEOやSNSでの存在感を強める**コンテンツを生み出す**

それはまた、企業対ユーザーという関係を、ユーザー同士が互いに刺激し合う協働的なコミュニティへと変えていきました。Glaspは単なるプロダクトではなく、幅広い知識ワークフローのためのプラットフォームになったのです。

## オープンソースの知識:技術を共有する

私たちのAIツール、特にYouTube Summary with ChatGPTが人気を集めるにつれ、従来のビジネスの観点からは直感に反するように見える決断をしました。技術の主要なコンポーネントをオープンソース化したのです。

これは、知識をオープンに共有するという私たちのコアミッションに沿ったものでした。コードを誰でも使えるようにすることで、次のことが可能になりました。

1. **開発者による採用**:技術に明るいユーザーが、私たちのツールを自分のワークフローに組み込めるようになった
2. **コミュニティによる改善**:ユーザーが機能強化やバグ修正に貢献してくれた
3. **教育的なインパクト**:学生や独学の開発者が、私たちの実装から学べるようになった
4. **信頼の構築**:AIツールの仕組みを透明にすることで、ユーザーの信頼が高まった

オープンソース化は単なる理念ではありませんでした。私たちのコードを使った開発者は、技術コミュニティの中で支持者になってくれました。教育者は私たちのツールを使ったチュートリアルを作り、プログラミングやAI学習のコミュニティへとリーチを広げてくれました。

私たちは、Glaspの価値は独自技術にあるのではなく、築き上げているコミュニティと知識のエコシステムにあると信じていました。実装を共有することは、私たちの立場を損なうどころか、むしろ強くしたのです。

## スケールしても本物であり続ける

コミュニティづくりにおける最大の課題は、成長しながらも本物であり続けることかもしれません。ユーザーが100人なら、個人的な関係は自然に生まれます。しかし数百万人ともなると、あらゆるやり取りを自動化し、無機質にしてしまいたくなる誘惑が生まれます。

私たちはこれに対して、コミュニティとの関わり方について明確な原則を定めました。

1. **信頼を犠牲にした成長はしない**:短期的な成長につながる可能性があっても、操作的なエンゲージメント施策は拒否しました。

2. **価値が先、宣伝は後**:あらゆるコンテンツやコミュニケーションは、ユーザー獲得につながるかどうかにかかわらず、それ単体で価値を提供するものでなければなりませんでした。

3. **失敗についての透明性**:ミスをしたり問題にぶつかったりしたときは、完璧な体裁を取り繕うのではなく、オープンに共有しました。

4. **直接の関わりを続ける**:規模が大きくなっても、インタビューや通話、個別の返信を通じて、直接のつながりを保ち続けました。

5. **ミッションの再確認**:プロダクトの意思決定やコミュニケーションを、知識のオープンな共有というミッションに一貫して結びつけました。

コミュニティを最適化すべきリソースと見なすのではなく、よりアクセスしやすく、よりつながった知識というビジョンを共有する人々との協働として扱ったのです。

## コミュニティのフライホイール

数十万人のユーザーに達する頃には、私たちが「コミュニティフライホイール」と呼ぶものができあがっていました。コミュニティのエンゲージメントがプロダクトの改善を促し、それがより多くのコミュニティメンバーを引きつけ、その人たちがさらに多くの知識と知見をもたらすという、自己強化型のサイクルです。

このフライホイールが機能したのは、それぞれの要素が互いを強め合っていたからです。

- **ユーザーが生み出すハイライト**が、レコメンドを改善する価値あるデータになった
- **コミュニティが見つけたユースケース**が、プロダクト開発の指針になった
- **共有された知識コレクション**が、同じ興味を持つ新しいユーザーを引きつけた
- **公開プロフィールとソーシャル機能**が、志を同じくする学習者同士をつないだ

このフライホイールが勢いを増すと、成長はますますオーガニックになっていきました。新機能やコンテンツも引き続き普及を加速させましたが、ユーザーが同僚を招待し、ハイライトを共有し、Glaspについてのコンテンツを作ってくれることで、コミュニティ自体が強力な獲得チャネルになったのです。

このアプローチには忍耐が必要です。コミュニティのフライホイールは、有料広告のようにすぐに結果を生むものではありません。しかし、支出をやめた途端に消えてしまうことのない、持続的で複利的な成長を生み出します。

長期を見据えて築くなら、コミュニティへの投資は「あれば嬉しいもの」ではありません。防御力のあるネットワーク効果を生み、有料獲得への依存を減らす、戦略的な優位性なのです。

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# 第6章: AEOの時代:検索エンジンからアンサーエンジンへ

最初の4年間、「第3章」で紹介した成長エンジンは着実に役割を果たし続けていました。本当に役立つコンテンツを書き、権威あるサイトからの被リンクを獲得し、未来のユーザーが検索する質問で上位に表示され、その全体が複利的に積み上がっていく。そんな仕組みです。ところが、足元の地面が動き始めました。

## SEOの足元が揺らいだ

2025年までに、かつてGoogleに質問を打ち込んでいた人々のうち、AIアシスタントに尋ねる人の割合が増え続けていました。ChatGPT、Claude、Perplexity、そしてGoogle自身のAI検索結果が、質問に対して完全な文章で直接答えるようになり、ユーザーがリンクをクリックすることすらないケースも珍しくなくなりました。私たちが何年もかけて登りつめてきた青いリンクの一覧は、要約の中に吸収されつつあったのです。

獲得戦略の多くを複利的に伸びる検索トラフィックに頼ってきた会社にとって、これは存続に関わる問いでした。しかし同時に、見覚えのある問いでもありました。私たちは2022年末、ChatGPTが登場した際に、数日のうちに拡張機能をリリースして、プラットフォームシフトを間近で経験していたからです(「第4章」)。あの経験から得た教訓は「AIが来る」ということではありませんでした。「インターフェースが変わるとき、早く適応した者は、後発組が奪い合うことになる注目を先に勝ち取れる」ということでした。

ですから私たちは、10本の青いリンクの衰退を嘆く代わりに、2022年に問うたのと同じ質問を自らに投げかけました。このシフトは何に新しい価値を与えるのか、そしてそれは私たちのミッションとどうつながるのか、と。

## 「上位表示」から「引用される」へ

私たちがたどり着いた答えには名前があります。AEO(アンサーエンジン最適化)です。

検索の時代、目標は上位に表示されることでした。自分のページを検索結果の上位に押し上げ、クリックを獲得することです。アンサーの時代、目標は引用されることです。AIアシスタントがハイライト、学習法、リサーチのワークフローについて回答を組み立てるとき、その答えがあなたの仕事をもとに作られ、読者をあなたのもとへ送り返してくれる。そんな状態を目指すのです。

私たちが驚いたのは、根底にある原則がほとんど変わらないことでした。アンサーエンジンは、かつての検索エンジンと同じように、本当に役立ち、明快に構造化され、一貫して信頼できる情報源を評価します。「第3章」以来私たちが実践してきた基本(本物の価値、整った構造、辛抱強い複利の積み上げ)は、依然として通用しました。変わったのは読み手です。私たちはもはや、流し読みする人間のためだけでなく、解析し、重み付けし、引用するモデルのためにも書くようになったのです。

この捉え直しによって、存続に関わる脅威は実行の問題へと変わりました。そして実行の問題なら、私たちは解き方を知っていました。

## Deep Dive:もう一度ロングフォームに賭ける

私たちの最大のAEO投資はコンテンツであり、それはほとんど古風にすら見えるものでした。Deep Diveと呼ぶ、ロングフォームでエバーグリーンなガイドのライブラリです。

私たちは、ユーザーが関心を寄せる領域をカバーする100本以上の詳細な記事を作り上げました。AIツールとその選び方、学習科学、ノート術とナレッジマネジメント、読書のワークフロー、リサーチの手法などです。どの記事も同じ構造になっています。明快な目次、冒頭の要点まとめ、FAQセクション、そして流し読みする人間にも解析するモデルにもナビゲートしやすい一貫したフォーマットです。

そして、「第2章」で発見した増幅装置を、今度は意図的に適用しました。すべての記事を7言語に翻訳しているのです。かつてはコミュニティメンバーが1本のプレス記事を翻訳してくれたところを、今では翻訳を公開パイプラインの標準工程として運用しています。しっかりリサーチされた1本のガイドが、7つの市場への7つの入り口になるのです。

この賭けは以前と同じ複利の賭けですが、今や各ガイドは2つの方法で働き続ける資産になりました。従来型検索の残された領域で上位に表示されると同時に、それに取って代わりつつあるアンサーエンジンに引用されるのです。

## Glaspを機械が読める形にする

コンテンツは仕事の半分でした。残りの半分は、Glasp自体を機械にとって読み解きやすいものにすることでした。

私たちはサイトにllms.txtファイルを追加しました。これは、Glaspとは何か、どこに何があるか、何が最も重要かをAIクローラーに伝える、平易な言葉で書かれたガイドです。さらに、サイト全体で構造化データ(JSON-LD)を拡充し、記事、書籍、引用、プロフィールが、機械が推測なしに理解できる語彙で自らを説明できるようにしました。

そして、AIに対して自分たちを説明するだけにとどまらず、AIとつながる一歩を踏み出しました。リモートのMCP(Model Context Protocol)コネクタを開発し、ユーザーがGlaspを自分のAIアシスタントに直接つなげられるようにしたのです。許可を得たうえで、アシスタントはあなたのハイライトを検索し、あるトピックについて保存した内容を思い出し、あなた自身が集めてきた知識を会話の中に持ち込むことができます。

ここは少し立ち止まる価値があります。なぜなら、これは「ディストリビューション」の意味を捉え直すものだからです。検索の時代、プロダクトの接点はウェブサイトと拡張機能でした。アンサーの時代、プロダクトの接点には、ユーザーが日々すでに話しかけているAIアシスタントが含まれます。そこに存在することはマーケティングではありません。プロダクトそのものなのです。

そしてこれは、私たちが心から胸を躍らせた形でミッションにつながっています。私たちはずっと、あなたが集めた知識は、集めたその瞬間よりも長く生き続けるべきだと言ってきました。何年も後にあなたのハイライトを引き出せるアシスタントは、まさにその約束が新しいインターフェースを通じて果たされた姿なのです。

## テキストの先へ

アンサーエンジンは記事だけを読むわけではありませんし、人間も同じです。そこで私たちは、特に強いDeep Diveガイドを別のフォーマットへと展開し始めました。ポッドキャスト形式の音声対談と、YouTubeで配信する動画版です。

これは、私たちのリソース効率化プレイブックにある「一度作って、あらゆる場所で公開する」という原則を、新しいゴールに向けたものでした。1本の文章ガイドを生んだのと同じリサーチが、通勤中に聴けるものになり、記事には決してたどり着かなかったであろう学習者にYouTubeが届けてくれるものになります。各フォーマットは互いを補強し合い、それぞれが、答えの引用元になるためのもう一つの経路になるのです。

## 実証:ChatGPTからの訪問、1日500から19,000セッションへ

戦略を語るだけなら簡単です。だから私たちは測定しました。

2026年の年明け時点で、ChatGPTからの訪問は1日517セッションでした。そこで私たちは意図的な賭けに出ます。直接的なSEOへの投資をやめ、最大のコンテンツ面である40万ページ超のYouTube Q&Aコーパスを舞台に、AEOのプレイブックを一連の実験として走らせることにしたのです。

最初の決断がトーンを決めました。外側からモデルに問い合わせる監視ツールを契約するのではなく、自分たちのサーバーログから測定する。CloudflareのAIクローラーログとSearch Consoleは、AIボットが実際にどのページをどれだけ取得したかを、推定ではなく事実として教えてくれます。このデータが、当て推量をロードマップに変えました。

実験の中身は、拍子抜けするほど具体的でした。ボットが頻繁に取得するページは、人がプロンプトを書くときの言い回しに合った疑問形のタイトルを持っていました。だからタイトルを疑問形に書き直しました。よく取得されるページには冒頭に130文字前後の文章型サマリーがあり、それ単体で答えとして成立していました。一方、無視されるページのサマリーは14文字程度の断片でした。だからTL;DRを、モデルが冒頭しか読まなくても完結した答えになるよう書き直しました。AIボットが残していく404エラー(週に数万件)を「ユーザーがすでに求めているページの一覧」として読み解き、そのページを作りました。Googleからもボットからもまったくアクセスのない死んだページを数万単位で削除すると、残ったコンテンツのインデックス率はむしろ改善しました。そして、すでにGoogleでクリックを稼いでいるページは書き換え禁止にして、新しいチャネルが古いチャネルを食わないようにしました。

4か月後の5月5日、ChatGPTからの参照訪問は1日19,129セッションに達しました。37倍の成長です。印象的だったのは、その間AIボットのクロール量がほぼ横ばいだったことです。同じボットが来ていて、引用する価値のある答えをより多く見つけるようになっただけでした。この実験の詳細は、Sean Ellisのニュースレターへのゲスト投稿として公開しています。学んだことは公開する。この物語のすべてと同じ精神です。

## 私たちが学んだこと

AEOの時代はまだ始まったばかりで、すべてを理解したふりをするつもりはありません。それでも、いくつかの教訓はすでに確かなものに感じられます。

第一に、AEOはこれまでの知見すべてを置き換えるものではありません。SEOの原則が新しいインターフェースの中で成熟したものです。本物の価値、明快な構造、積み上げた信頼は、今でも勝ちます。小手先のテクニックで成長を築いてきたなら、アンサーエンジンは悪い知らせです。中身で築いてきたなら、チャンスです。

第二に、早く動くことが再び重要になりました。ChatGPTのローンチ時に私たちが活かした機会の窓には続編があります。ほとんどの企業はいまだにAI検索を物珍しいものとして扱っており、つまり引用はまだ早い者勝ちの状態にあるということです。「不完全でもいいから最初にやる」という教訓は、プラットフォームシフトを経ても無傷で生き残りました。

第三に、複利的に積み上がるものの形が変わりました。かつてそれは検索順位と被リンクでした。今は、引用に値する、構造化された、信頼できる情報源であることです。テキストで、音声で、動画で、そして会話そのものの内側にあなたを置いてくれるMCPのようなプロトコルを通じて。

しかし最も深い学びは、アイデンティティについてのものでした。人々が情報を見つける方法が変わったとき、私たちは自分たちのあり方を変える必要がありませんでした。知識をオープンに記録し共有することの上に築かれたプラットフォームは、機械が繰り返し伝えるに値する知識を絶えず探している世界において、結果的に良いポジションにあったのです。ミッションは時を経ても色あせませんでした。

小手先のテクニックではなく中身を信じるこの確信は、2人だけのスタートアップが行き着くとは思いもしなかった場所へと私たちを導きました。オリジナルの研究を発表することです。それが次の章のテーマです。

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# 第7章: 成長チャネルとしての研究

2026年、Glaspは私たちがこれまで読んだどのスタートアップ成長の教科書にも載っていないことを始めました。arXivで研究論文を公開し始めたのです。

グラフで飾り立てたブログ記事ではありません。手法のセクション、事前登録した閾値、ホールドアウトしたテストセット、公開リポジトリを備えた、本物の論文です。スタートアップが要求するあらゆる業務の合間を縫って、片手で数えられる人数のチームが書き上げました。

この章では、なぜ私たちがそれをやったのか、何を発見したのか、そしてなぜオリジナルの研究がAI時代において最も過小評価されている成長チャネルのひとつかもしれないと考えているのかをお話しします。

## なぜスタートアップが研究を公開するのか

正直な答えには2つの側面があります。ひとつは理想主義的なもの、もうひとつは戦略的なもので、どちらかを隠してしまえば、この物語を正しく伝えたことにはなりません。

理想主義的な側面は、これがミッションを別の高度から見たものだということです。Glaspは学びを公開し、ひとりが理解したことが次の誰かの役に立つようにするために存在しています。長年それは、個々のハイライトやメモを意味していました。しかし、何百万もの人々が何百万ものハイライトを保存した後、プラットフォーム自体が人間の読み方について何かを学んでいました。それを非公開のデータベースに閉じ込めておくことは、私たち自身の前提に反するように感じられたのです。ユーザーのハイライトがその瞬間を超えて生き続けるに値するなら、それら全体に横たわるパターンも同じはずです。

戦略的な側面はこうです。「第6章」で述べたアンサーエンジンの時代において、オリジナルの研究は存在しうるコンテンツの中で最も引用されやすいもののひとつです。アンサーエンジンは一次情報源、つまり証拠が添えられた主張に飢えています。千本のブログ記事は互いに同じことを繰り返しますが、新規の発見を含む論文は、それらすべてが最終的に引用する対象になります。研究の公開は、すぐには真似できない差別化です。真似する唯一の方法は、同じ作業を自分でやることだからです。

## ハイライトが教えてくれたこと

私たちの主要な研究テーマは、一見シンプルな問いを立てました。あなたがある一節をハイライトするとき、その選択のどれだけが「あなた自身」なのか?

私たちが出発点とした直感、そしてパーソナルナレッジマネジメントの世界の多くが共有している直感は、ハイライトは深く個人的なものだというものでした。あなたのハイライトはあなたの知的指紋であり、それを学習したAIは、汎用モデルには不可能な形で、あなたが何を重要だと感じるかを予測できるはずだ、と。

データはもっと興味深いことを語っていました。異なる人々が同じ記事をハイライトするとき、人々は異なるよりもはるかに多く一致するのです。テキストの中で際立つものは、ほとんどの場合、誰にとっても際立っています。サリエンス(顕著性)は大部分が共有されたものであり、個人特有というより社会的なものでした。個性は確かに存在しますが、私たちが予想していた場所にはありませんでした。それは「選択」に宿っていたのです。そもそもどの文書に関わるかを選ぶこと、どのトピックに繰り返し戻ること、そして何が自分の注意に値するかを判断すること。そしてその選択の振る舞いは、時間が経っても驚くほど安定していることがわかりました。気分というより、特性に近いものです。

言い換えれば、ひとつの文書の中では、私たちは群衆のように読みます。文書をまたぐと、私たちは自分自身として読むのです。

この発見にたどり着くには、私たち自身の前提をいくつか壊す必要がありました。その中には、私たちが期待を寄せていたものも含まれます。ある分析の初期バージョンは、個人のハイライトスタイルが群衆に勝つことを示しているように見えました。しかし私たち自身の監査によって、その結果にバグとリーケージ(情報漏れ)が見つかり、公開前にその研究を撤回して作り直しました。正直なバージョンの論文は、私たちが書きたかったものとは違っていましたが、そのぶん強い論文になりました。

## AEOにおける自然実験

私たちは研究のレンズを自分たち自身にも向けました。

検索エンジンからアンサーエンジンへのシフト、つまり「第6章」で戦略の転換を迫ったあの変化は、研究者が自然実験と呼ぶたぐいの出来事そのものです。私たちはその渦中で生きており、自分たちのトラフィックと引用データが実験室でした。そこで私たちはこの移行を厳密に研究し、その分析も公開しました。

そこには心地よいほど再帰的なものがありました。成長戦略そのものがオープンな知識になったのです。かつてユーザーインタビューをケーススタディに変えたのと同じように、私たちはプラットフォームの転換を、誰もが読み、検証し、積み上げられる論文に変えました。

## デフォルトでオープンに

すべての論文は公開リポジトリとともに世に出しました。これは「第5章」のオープンソースの本能を最後まで貫いたものです。私たちはツールをオープンソース化していましたが、今度は発見をオープンソース化したのです。

理由は、AIツールのオープンソース化がうまくいったのと同じものです。透明性は信頼を生み、信頼は複利で増えていきます。この原則には次の章で改めて戻ってきます。あなたの研究を検証できる研究者は、その擁護者になってくれます。そして、AIシステムがどの情報源に依拠するかをますます決定するようになる時代において、検証可能で誠実に報告された研究の実績は、私たちが知る限り最も深い信頼のシグナルです。

さらに、十分には予期していなかった規律面での恩恵もありました。研究が公開され、分析が誰でも検証できる状態になると分かっていることは、社内ダッシュボードでは決して求められないレベルの厳密さを強制します。公開することで、自分たちのデータが何を示し、何を示していないのかについて、私たちは自分自身に対してより正直になりました。

## 創業者がここから持ち帰れること

プロダクトのデータを抱えて思案している人のために、いくつかの応用可能な教訓を挙げます。

あなたのプロダクトのデータには、おそらく公開に値する洞察が含まれています。役員会の外では誰も興味を持たないエンゲージメント指標ではなく、あなたの立ち位置からしか答えられない、人間の行動に関する本物の問いです。私たちが人々のハイライトの仕方を研究できたのは、私たち自身が、人々が実際にハイライトする場所だからです。あなたのプロダクトが何であれ、あなたは何かについて世界で最も観察に適した位置にいるのです。

厳密さは参加の条件であり、その水準はコンテンツマーケティングより高いものです。お気に入りの仮説をこそ最も厳しく疑い、最良の発見が監査の中で消えてなくなることを受け入れ、刺激的な結果ではなく正直な結果を公開する覚悟を持ってください。私たちはそれを身をもって知りました。撤回して作り直した論文は、すんなり成功した場合よりも多くのことを教えてくれました。

そして、その見返りは他のチャネルとは異質です。バイラルな機能は急上昇しては減衰します。研究の発見は、一度引用されれば引用され続け、その分野がそのトピックを語る言葉の一部になります。これもまた複利効果であり、私たちがこれまで見つけた中で最も長い時間軸で働くものです。

知識はそれを見つけた人より長く生きられるか、という問いから創業した会社にとって、研究の公開はミッションからの寄り道ではありません。むしろ、私たちがこれまで世に出した中で、ミッションの最も直接的な表現かもしれないのです。

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# 第8章: 持続可能な成長のための原則

ゼロから300万ユーザーへと至るGlaspの歩みの中で、私たちは意思決定の指針となり、成長へのアプローチを形づくる一連の原則を培ってきました。これらは抽象的な理想ではありません。急速に変化する環境の中で課題を乗り越え、機会を活かし、持続可能なプロダクトを築くのを助けてくれた、実践的なフレームワークでした。

この章ではそれらの原則を抽出し、私たちの意思決定にどう影響したか、そして同じような課題に直面する他の創業者やチームにどう応用できるかを説明します。

## 長期思考と短期の機会主義

おそらく最も根本的な原則は、長期的なビジョンと短期的な機会主義のバランスを取ることでした。私たちはこれを「OR思考」ではなく「AND思考」と呼んでいました。

長期思考だけでは機会を逃し、純粋な機会主義は注意の散漫と軸のぶれにつながります。魔法が起きるのは、長期的なビジョンに沿った目の前の機会を追求できたときです。

この原則は、私たちの重要な意思決定の多くを導きました。

- AIツールが登場したとき、私たちは即座に成長を生む拡張機能をすばやく構築し(機会主義)、同時にそれらが知識共有というコアミッションにつながるようにしました(長期思考)。

- 何か月も成果が出ないSEOコンテンツに大きく投資しながら(長期思考)、同時に即座のユーザー獲得につながるバイラルな瞬間を追いかけました(機会主義)。

- オープンな知識プラットフォームをつくるという軸を保ちつつ(長期思考)、変化するユーザーニーズや技術トレンドに適応しました(機会主義)。

実践にあたっては、どんな施策の候補についても2つの問いを立てる必要があります。

1. 「これは、たとえ間接的にでも、私たちの長期的なビジョンに資するか?」
2. 「目の前の価値を捉えられるだけのスピードで実行できるか?」

両方の答えが「はい」であれば、長期思考と機会主義が交わるスイートスポットを見つけたことになります。

## 粘り強さ:究極のグロースハック

歩みの中で、私たちは優れたアイデアを持ちながら、ただ早く諦めてしまった創業者に数多く出会いました。その観察から、私たちのコアな信念のひとつが生まれました。粘り強さこそが最も強力なグロースハックである、というものです。

プロダクトをゼロから意味のある規模まで成長させることは、めったに短期間では起こりません。テックメディアで称賛される「一夜にして成功した」物語は、多くの場合、ブレイクスルーの瞬間に至るまでの何年もの地道な仕事を覆い隠しています。

Glaspにとって、粘り強さとはこういうものでした。

- アクティブユーザーがほんの一握りしかいない時期に、何百件ものユーザーインタビューを実施する
- 目に見える成果が出る前から、毎月毎月SEOコンテンツをつくり続ける
- もっと手っ取り早く儲かる機会へのピボットの誘惑に負けず、ミッションへの集中を保つ
- 技術的な課題や挫折に直面しても、くじけずに乗り越え続ける

私たちは粘り強さを頑固さではなく、戦略的な優位性として捉えるようになりました。ほとんどの競合がいずれ諦めてしまう世界では、ただプロダクトを改善し続け、ユーザーに尽くし続けるだけで優位に立てるのです。

これは、失敗している戦略を盲目的に追い続けることを意味しません。粘り強さは、適応と学習とセットであるべきです。私たちはフィードバックと結果に基づいて戦術を頻繁に変えましたが、コアミッションは守り続け、進歩が遅く感じられるときも前に進み続けました。

## リソース効率:少ないもので多くを成し遂げる

大きな資金調達のない小さなチームとして、私たちはリソース、とりわけ時間と注意力を極めて効率的に使う必要がありました。この制約は強みとなり、私たちのインパクトを最大化する仕組みづくりを促しました。

### コンテンツの多面展開

プラットフォームごとに別々のコンテンツをつくるのではなく、私たちは「一度つくって、あらゆる場所で公開する」アプローチを編み出しました。たとえば、1本のGlasp Talkインタビューは次のものになりました。

- YouTube動画
- ポッドキャストのエピソード
- ブログ記事
- ソーシャルメディア向けの抜粋
- ニュースレターのコンテンツ
- 多言語のSEO最適化記事

これにより、限られたリソースにもかかわらず堅実なコンテンツ運営を維持でき、あらゆる層のオーディエンスに対して、チャネルとフォーマットをまたいだ一貫性を保つことができました。

### 自動化とAI

「第4章」で述べたとおり、私たちはAIを活用してコンテンツの作成とキュレーションの一部を自動化しました。これは人間の判断を置き換えるためではなく、増幅するためのものです。私たちのシステムはYouTube動画から記事の初稿を生成でき、それを私たちがレビューして磨き上げました。品質の基準を保ちながら、手作業でつくれた量の10倍のコンテンツを生み出すことができたのです。

### コミュニティへの戦略的なアウトソーシング

大きなチームを構築する代わりに、私たちはコミュニティが独自の価値を発揮できる場面で力を借りました。ユーザーによる翻訳、ケーススタディのインタビュー、機能テストはいずれも、コミュニティメンバーが進んで貢献してくれた領域であり、私たちだけでやるよりも良い結果を生みました。

これは搾取ではありません。協働です。コミュニティメンバーが参加したのは、そのプロセス自体から価値を得ていたからです。それは評価や承認であったり、学びであったり、毎日使っているプロダクトに貢献する満足感であったりしました。

リソース効率とは、単に少ないもので多くをこなすことにとどまりません。最もレバレッジの高い活動を見極め、限られたリソースをそこに集中させ、それ以外のすべてを創造的な方法でカバーすることなのです。

## コミュニティ主導の開発

私たちはGlaspを、コミュニティの「ために」だけでなく、コミュニティと「ともに」つくりました。これは、アイデア出しからイテレーションまで、プロダクトプロセスのあらゆる部分に影響を与えました。

### 継続的なユーザーインタビュー

数十万ユーザーの規模に達した後も、私たちは定期的なユーザーインタビューを続けました。これらは単なるフィードバックセッションではありません。人々が自分のワークフローの中でGlaspをどう使っているかを深く理解する機会であり、そこからは思いがけないユースケースが次々と明らかになりました。授業教材のためにリサーチを集める教育者、業界トレンドを追うベンチャーキャピタリスト、本のためにアイデアを整理する作家などです。

### 公開ロードマップとフィードバックループ

私たちは公開ロードマップを運用し、ユーザーが今後の機能を確認し、優先順位に投票し、アイデアを提案できるようにしました。その透明性は信頼を育み、フィードバックループのおかげで、本格的な開発時間を投じる前に課題や機会に気づくことができました。

### パワーユーザーとのベータテスト

主要な機能をリリースする前には、最もエンゲージメントの高いユーザーをベータテストに招待しました。これにより、バグを早期に発見でき、最も熱心なユーザーに先行アクセスを提供することでGlaspとのつながりを強め、他のユーザーが新機能に適応するのを手助けできるグループも生まれました。

Glaspを形づくることに参加したユーザーは、最も熱心な擁護者となり、口コミによるオーガニックな成長を牽引してくれました。

## ミッションとの整合:北極星

成長の歩みを通じて、私たちは明確なミッションを保ち続けました。人々が学んだことを共有し、互いの洞察の上に積み上げていける、オープンな知識プラットフォームをつくることです。このミッションは、機会を評価し、難しい決断を下すための北極星の役割を果たしました。

新しい機能、パートナーシップ、成長施策を検討するとき、私たちは常にこう問いました。「これはオープンな知識共有というミッションを前進させるか?」 このシンプルな問いが、短期的な成長は生むかもしれないが目的を薄めてしまう方向に進むことから、私たちを守ってくれました。

たとえば、エンゲージメント指標を押し上げたかもしれないゲーミフィケーション要素の提案を受けたことがあります。しかしそれは知識共有において質よりも量を促してしまうものでした。私たちは断りました。

ミッションへの集中は、私たちの価値観を共有するユーザーを引き寄せ、つなぎとめることにも役立ちました。すべての人に受けようとするのではなく、学ぶこと、知識を共有すること、そして自分のアイデアを通じて永続的なインパクトを残すことを大切にする人々の心に深く響くプロダクトをつくったのです。

ミッションとの整合の力は、内的な一貫性にあります。すべての機能、コミュニケーション、意思決定が同じコアバリューを反映することで、ユーザーが利便性よりも深いレベルでつながれる、一貫した体験が生まれます。

## 複利効果:小さな行動が大きな結果に

最後の原則は、複利効果への深い理解でした。小さく一貫した行動の積み重ねが、目覚ましい結果へと膨らんでいくのです。

### 複利投資としてのSEO

1本の記事がすぐに大きなトラフィックを生むことはないかもしれません。しかし、何年もかけて権威性を蓄積する何百本もの記事は、持続可能な獲得チャネルをつくり出します。3年間一貫してコンテンツをつくり続けた結果、オーガニック検索のトラフィックは毎月数万人の新規ユーザーをもたらすようになりました。広告で買おうとすればとても支払えなかった規模です。

### 複利の利息としてのコミュニティの信頼

ユーザーとのポジティブなやり取りはひとつひとつが、親身なサポート対応であれ、考え抜かれた機能であれ、価値あるコンテンツであれ、小さな信頼の預け入れでした。何千回ものやり取りを重ねるうちに、その預け入れは善意の貯水池になりました。技術的な問題に直面したときや、私たちがミスをしたとき、コミュニティはすぐに離れていくのではなく、忍耐強く支えてくれました。信頼がすでに積み立てられていたからです。

### プロダクト改善のサイクル

私たちは、まれに行う大改修よりも、継続的で漸進的な改善を好みました。ひとつひとつの小さな改善が体験を一変させることはないかもしれませんが、何百もの改善が複利的に積み重なり、磨かれ続け、価値を増し続けるプロダクトが生まれました。

同じ論理は成長指標にも当てはまります。週5%の成長率はバイラルな急上昇に比べれば地味に見えますが、1年で複利的にほぼ13倍になり、しかもはるかに持続可能です。

## すべてをひとつに

これらの原則は、統合されたひとつのフレームワークを形づくっていました。

1. **長期思考と短期の機会主義**は、新しいトレンドや技術を活かしながらも、ミッションへの集中を保たせてくれました。
2. **粘り強さ**は、課題や停滞の時期を乗り越えて前進し続けさせ、競合が諦めていく中で優位性を積み上げさせてくれました。
3. **リソース効率**は、チームの規模からは考えられないほど多くのことを成し遂げさせてくれました。
4. **コミュニティ主導の開発**は、人々が本当に求める機能をつくることを保証し、当事者意識の共有が擁護者を生みました。
5. **ミッションとの整合**は、私たちに方向性を与え、ビジョンに共鳴するユーザーを引き寄せました。
6. **複利効果**は、すぐには実を結ばなくても永続的な成長を生む戦略に投資するための忍耐を与えてくれました。

これらが組み合わさって、巨額の資金調達にも、グロースハックの近道にも、持続不可能な戦術にも依存しない成長アプローチが生まれました。それは、本物の価値をつくり、誠実な関係を築き、その優位性を時間とともに複利で育てることの上に築かれていたのです。

この章の前の2つの章、アンサーエンジンの時代と研究の公開についての章は、これらと同じ原則を新しい環境に適用したものです。技術は変わりましたが、フレームワークは変わりませんでした。未来を見据えるとき、変わらずにあり続けると私たちが期待しているのは、まさにその部分なのです。

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# 第9章: 旅は続く

2020年9月にGlaspを始めたとき、ゼロから300万ユーザーへと至る道のりを予測することはできませんでした。AI革命が私たちのプロダクトを一変させることも、私たちのミッションのまわりにグローバルなコミュニティが生まれることも、ユーザーがGlaspを知識のワークフローに組み込む無数の方法も、想像していませんでした。そして数年後、あれほど丁寧に最適化してきた検索エンジンがアンサーエンジンに置き換わり始め、私たちが研究論文の発表という形でそれに応えることになるとは、まったく予想していませんでした。

それでも私たちが知っていたのは、自分たちのミッションです。人々が学んだことを共有し、互いの洞察の上に積み重ねていける、オープンな知識プラットフォームを作ること。プロダクトも、チームも、コミュニティも進化を続けてきましたが、このミッションは変わらず私たちの道しるべであり続けています。

この旅を振り返ると、いくつかの教訓が浮かび上がってきます。

## 本物のつながりが持つ力

最初の数百件におよぶオンボーディング通話から、現在も続くGlasp Talkのインタビューまで、本物の人間的なつながりは私たちの成長戦略の中心にありました。アルゴリズムと自動化がますます支配的になるデジタルの世界では、真摯な人間関係こそが、簡単には真似できない差別化とロイヤルティを生み出します。

新しいプロダクトを作る創業者にとって、これは初期ユーザーを深く理解し、つながるために費やす時間が「あれば良いもの」ではないことを示しています。それは、その後のすべてを形作る戦略的な投資なのです。

## 忍耐強い資本は速いお金に勝る

オーガニックな成長チャネルと持続可能なユーザー獲得に注力することで、私たちは継続的な資金注入に依存しない基盤を築きました。このアプローチは、大きな資金調達がなかったという必要性から生まれたものでしたが、やがて戦略的な強みになりました。

ここでの教訓は、資金調達が悪いということではありません。有料の獲得施策に頼らない成長メカニズムを構築することが、レジリエンスと独立性を生むということです。忍耐強い資本、それが自分自身の時間であれ、長期的なビジョンを共有してくれる投資家であれ、それがあれば短期的な指標を追いかけるのではなく、長く続くものを作ることができます。

## 技術トレンドは脅威ではなく機会である

この旅を通じて、私たちは変革的な技術シフトをいくつも経験してきました。生成AIの台頭、そして検索エンジンからアンサーエンジンへの移行です。こうした変化を自分たちのモデルへの脅威として扱うのではなく、コアとなる価値提案を広げる機会として受け入れました。

この適応的なアプローチによって、知識共有プラットフォームとしてのアイデンティティを保ちながら、AI革命を活かすことができました。それぞれの新技術がミッションの妨げになるのではなく、ミッションにどう役立つかを問うことで、潜在的なディスラプションを加速の力に変えたのです。同じことをまたやらなければならない日が来ると私たちは考えていますし、安住するよりも先んじていたいと思っています。

## 指標よりもミッションが大切

このストーリーではユーザー数や成長戦略について長く語ってきましたが、私たちの成功が主に指標で定義されたことは一度もありません。私たちは、オープンな知識共有というミッションをどれだけ効果的に前進させられているかでインパクトを測っています。

その姿勢が、私たちと価値観を共有するユーザーを引き寄せ、プロダクトの意思決定を導き、困難を乗り越える支えとなる目的意識を生み出します。何としてでも成長することに執着しがちなビジネスの世界において、数字を超えた明確な「なぜ」を持つことは、方向性と意味の両方を与えてくれます。

## Glaspの未来

これから先を見据えても、私たちはミッションへのコミットメントを保ちながら、プロダクトとコミュニティを進化させ続けます。私たちのビジョンは、これまでに到達した300万ユーザーのその先、知識が個人のあいだで、世代を超えて、従来の壁を越えて、より自由に流れる世界へと広がっています。

手法は変わり続けるでしょう。AIは、私たちが知識を生み出し、消費し、共有する方法を変革し続けます。私たちが公開するものの「読者」は、人間と同じくらいAIアシスタントである可能性がますます高まっており、私たちはそうしたアシスタントが信頼し、引用する情報源でありたいと考えています。新しいプラットフォームやフォーマットが生まれ、ユーザーのニーズも進化していくでしょう。

そのすべてを通じて、私たちの原則は変わりません。本物のつながりを生み出すこと、持続可能な成長を築くこと、ミッションに資する形で新しい技術を受け入れること、そして短期的な利益よりも長期的なインパクトを優先することです。

ゼロから300万ユーザーへというこのストーリーが、プロダクトを作る人にも、コミュニティを育てる人にも、あるいは単に知識をもっと効果的に共有したいと考える人にも、自分のプロジェクトに活かせる洞察を提供できることを願っています。

道のりはまったく同じにはならないでしょう。どのプロダクトやチームも、それぞれ固有の課題と機会に直面します。それでも、本物のつながり、忍耐強い成長、技術への適応、そしてミッションへの集中は、どんな道が現れても、あなたを導いてくれるはずです。

この旅にお付き合いいただき、ありがとうございます。Glaspのストーリーはこれからも続いていきます。その次の章を一緒に書いていきませんか。

## 主要マイルストーンのタイムライン

**2020年9月**: Glaspの最初のコードを書く

**2020年10月**: 個人的な招待を通じて最初のユーザーが登録

**2021年1月**: 創業者の友人ネットワークを通じて100人のユーザーに到達

**2021年6月**: ターゲット層をプロダクトマネージャーからライターへと転換

**2021年8月**: Aurelius(登録者30万人)とのYouTubeスポンサーシップ

**2021年9月**: 初のProduct Huntローンチ

**2021年11月**: 1,000人のユーザーに到達

**2022年初頭**: SEOとコンテンツマーケティングへの注力を開始

**2022年中頃**: DALL-E版Wordle(DALLE-dle)を作成し、PC Gamerに掲載される

**2022年11月**: ChatGPTがリリースされ、数日以内にChrome拡張機能をローンチ

**2022年12月**: YouTube Summary with ChatGPTを作成

**2023年1月**: YouTube Summary with ChatGPTがバイラルになり、主要メディアで紹介される

**2023年3月**: Digital Clones機能をローンチ

**2023年6月**: 全プロダクト合計で100万ユーザーに到達

**2023年9月**: ニュースレター購読者が25万人を突破

**2024年初頭**: Glaspエコシステム全体で300万ユーザーに到達

**2026年初頭**: 7言語に翻訳された長文ガイドのライブラリ、Deep Diveをローンチ

**2026年**: AEOインフラを構築。llms.txt、構造化データ、AIアシスタントがGlaspと連携できるリモートMCPコネクタを提供

**2026年**: Glaspのハイライトデータに基づく一連の研究論文をarXivで公開

**2026年6月**: このストーリーをglasp.co/storyで公開
