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K-POP現代史 ──韓国大衆音楽の誕生からBTSまで (ちくま新書)
www.amazon.co.jp/dp/B0C1N2FX99
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そして、「大衆歌謡」に反発した学生ら民主化運動や社会運動の担い手たちは、七〇年代末から八〇年代にかけて、政府の規制から自由な場で体制批判や社会問題を提起する「民衆歌謡」を創出していくことなる。 ここでいう「民衆」とは、「大衆」に対する言葉である。すなわち、無自覚的に体制に「許可」された文化を消費しながら政治体制や社会問題に対して無関心になっていく「大衆」に対して、みずからの生きる社会における諸問題を認識してそれに自覚的に立ち向かおうとする歴史変革の主体を「民衆」と呼んだのである。 民主化運動が活発化していった全斗煥政権下の韓国では、体制内の商業文化としての「大衆歌謡」とは異なる、大学生たちによって切り拓かれたもう一つの歌の空間が存在した。「民衆歌謡」は「大衆歌謡」のように利潤を追求する...
八〇年代に入ると田原俊彦や近藤真彦がジャニーズ事務所からデビューし、アイドル全盛期を迎えた。近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」(一九八一年) や田原俊彦の「ラブ・シュプール」(一九八二年) などもまた、筒美京平の作曲によるディスコ曲であった。このようにして、アメリカ音楽の影響のもと歌って踊れるアイドル歌手がジャニーズ事務所から次々と生まれていったのである。
日本列島を席巻した少年隊のパフォーマンスは、周辺諸国でも注目されるようになる。当時の韓国では、日本の音楽の放送や公的な場での演奏、音源の発売は禁止されていたが、非合法なビデオテープ流通や、釜山など日本に近いエリアでの日本のテレビ放送受信などによって少年隊のパフォーマンスを目にする韓国人もいた。少年隊は彼らに大きな衝撃を与えた。
しかしながら、その一方で当時、日本人中年男性によって行われていた韓国への買春ツアー=「 妓生 観光」を痛烈に批判するレポートが掲載されている。「妓生観光をけっとばせ! ソウルの鏡には日本人の性欲が映っている」と題する記事である。 記事によれば、当時の訪韓日本人観光客は五〇万人台でその約九割以上が男性、うち八〇パーセント近くが「おじさん」だという。そして、このアンバランスな性別・年齢構成こそが「妓生観光」という当時の日韓関係の一面を雄弁に物語っているとする。 記事は読者に対して、「妓生観光」が韓国人の目に「どんなふうに見えるか」と問いかける。さらに、「妓生観光」を終えて帰国した男性たちがその「冒険物語」を 吹聴 することで日本人女性たちの韓国イメージを悪化させるとし、「この悪循環が、韓国を...
韓国の民主化によって市民間の距離がさらに縮まったことで、日韓の交流は、さらに進展していく。 このような政治的・社会的環境の変化もあって、日本の「韓国ブーム」はついにピークに達した。それを象徴するのが、八〇年代後半になって韓国の複数の歌手が次々と「NHK紅白歌合戦」に出場したことであった。
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