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戦争の地政学 (講談社現代新書)
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その有用性は、傾向を知ったうえで情勢分析を行うことにある。構造的な要因による傾向をふまえて分析を行うほうが、それをふまえずに分析を行うよりも、重要な要素を取りこぼすことなく適切な分析を行える蓋然性が高まる。その範囲において、地政学の視点は、有用である。
地政学は、予定調和的な世界情勢の分析をもたらさない。異なる人間の世界観が作り出す異なる地政学の視点が導き出す衝突をとらえながら、なお自分の手がかりを持つために、地政学の視点は役に立つ。
海を重視する英米系地政学は、分散的に存在する独立主体のネットワーク型の結びつきを重視する戦略に行きつく。大陸系地政学は、圏域思想をその特徴とし、影響が及ぶ範囲の確保と拡張にこだわる。
英米系地政学と大陸系地政学を分けるのは、国家有機体説の要素の有無であり、二元論的世界観を採用するか、多元論的世界観を採用するかをめぐる相違である。
ヘーゲルによれば、「国家は倫理的理念の現実態である」。あるいは「国家は、実体的意志の現実に現われたもの」であり、しかも「即自対自的に理性的なものである」。ヘーゲルが強調したのは、「国家は有機的組織」であり、その本性により「すべての部分が同一性へと向かわない場合、一部分が独立したものとして定立される場合には、全部が滅亡せねばならないということ」であった。ヘーゲルはそうして「国家の(内的) 主権を構成する規定」として、国家の「諸契機の観念性としての実体的統一」をあげ、国家の特殊的職能や活動が国家の本質的契機であることを強調した。このような「有機体的国家」観によって、国家は一つの生きる実体であるかのように扱われていくことになる。
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