国際秩序(上) (日経ビジネス人文庫)

www.amazon.co.jp/dp/B0BNLZQSYF
Ikuma Mutobe

Import Your Kindle Highlights to Glasp Today 📚

Top Highlights

  • 欧米以外の地域は、こうしたルールの原形が創られたときに取るに足らない役割しか果たしていなかったので、現在の形態が合法的であるかどうかに疑問を呈し、改変に取りかかると明言している。そんなわけで、「国際社会」という言葉は、いまやどんな時代にもなかったくらい、しつこく引き合いに出されていながら、その目標、手法、制限について、合意された明確なものをなにひとつ示していない。
  • これらの秩序の体系はいずれも、ふたつの要素に基づいている。許容される行動の限界を明確化し一般に受け入れられたルール一式と、ルールが破られたときに抑制を実施するような力の均衡によって、ひとつの政体が他の政体すべてを従属させるのを防ぐ。
  • 私たちの時代、世界秩序の探求には、これまで現実の事柄を内部で解決してきたさまざまな社会の認識を結び合わせることが求められる。克服しなければならない謎──たがいに異なる歴史上の経験や価値観をどうやればひとつの共通した秩序に変えられるかということ──は、全人類がともに背負うことになる。
  • 中国とイスラムでは、確立された秩序の枠組みができあがっていて、その支配をめぐって、政争がくりひろげられてきた。王朝は変わるが、どの新しい統治集団も、荒廃した正統なシステムを修復したのだと唱える。ヨーロッパでは、そういう展開にはならなかった。ローマ帝国の支配が終わると、多元主義がヨーロッパの秩序の決定的な特質になった。
  • 教皇ゲラシウス一世は、四九四年にビザンツ帝国皇帝アナスタシウス一世に宛てた書簡で述べている。「ふたつの機構があって、世界はそのもとで治められている。聖職者の聖なる権威と、国王の権力である。最後の審判で聖職者が、王の代理としても神に答える限り、聖職者のほうがはるかに重要である」。つまり、ここに述べられている真の世界秩序は、現世の秩序ではない。
Share This Book 📚

Ready to highlight and find good content?

Glasp is a social web highlighter that people can highlight and organize quotes and thoughts from the web, and access other like-minded people’s learning.