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大人の学参 まるわかり世界史 (文春新書)
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アテネにおける民主政とは、異民族の奴隷という安い労働力の犠牲の上に、時間的余裕を持てるようになった平民(=市民) たちが担ったものだったのです。民主政治を完成させたペリクレスも、プラトンの対話編で有名なソクラテスも、そして奴隷のことを「生きた家財」と言ってのけたアリストテレスも、奴隷制度を大前提とした民主政のもとで生活していたのでした。
シチリア王国以外でも、ピサやヴェネツィアなどの北イタリア諸都市は、ビザンツ帝国のコンスタンティノープルとの関係が深く、ギリシア語の写本などがもたらされました。そのため、ギリシア語からラテン語への翻訳活動がなされたのです。アリストテレスの書物もここで、例えばムールベーケのギョームによってラテン語に訳されて、これを用いたトマス=アクィナスが、中世西ヨーロッパのキリスト教における世界認識とも言えるスコラ哲学を大成してゆくことになるのでした。
「12 世紀には、アラブ=イスラーム世界に継承されていた古典古代の学問が、アラブ世界との接点であるトレドやシチリアでラテン語に翻訳され、ヨーロッパに受容された。こうした新しい知の流入とあいまって、知識や教師を求めて各地を遍歴する修道士や学生が都市に集まり、司教座付属学校や私塾で最先端の神学や自由七科を学ぶようになった。やがて、教師と学生が学びの場をまもるための団体を設立し、これが大学(ウニウェルシタス) の起源となった。こうしてボローニャ大学の創設(1088年) を皮切りに、パリ大学( 12 世紀中頃)・オクスフォード大学( 12 世紀後半) といった最初期の大学が誕生した。 12 世紀におこったこのような知の革新運動を、 12 世紀ルネサンスと呼ぶ。」
イスラーム世界の知識人たちが、古代ギリシアや世界各地の文化を継承し、発展させ、さらに独創的な考えを付けくわえた上で、それらを西ヨーロッパ世界に伝えた、ということを忘れてはならないでしょう。文化・文明の終着点が西ヨーロッパで、イスラーム世界は古代から近代への橋渡しに過ぎなかったなどという、西ヨーロッパ中心史観とでも評される物の見方から、そろそろ私たちは自由になりたいものです。
「イスラーム教徒はギリシア哲学、とくにアリストテレスの哲学を熱心に研究した。イスラーム思想界は、 10 世紀以後しだいに神秘主義思想の影響を強くうけるようになったが、信仰と理性の調和はよく保たれていた。それは神学者がギリシア哲学の用語と方法論を学び、合理的で客観的なスンナ派の神学体系を樹立したからである。イスラーム信仰の基礎として神秘主義を容認したガザーリーは、このような神学者の代表である。」
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