Top Highlights

• 本書の中心をなす話題は「合理性」である。互いに反対の方向に引きあう、現代の二つの潮流に反応するかたちで書かれたのが本書だ。
• うわさや陰謀論があふれかえったソーシャルメディアの出現だけではない。専門家の判断よりも「勘」や「常識」を信頼する──これは今世紀以来、保守的政治思想の一貫したテーマだっ
• 第二の主要な潮流である。哲学の世界では、ポストモダニストや批判理論家が、合理性という概念は体制的な権力や支配の見え透いた隠れ蓑 にすぎないとして攻撃してきた。さらに
• 結果として、われわれはやっかいな状況に陥っている。人々は政治に合理性を呼び戻そうとするものの、誰も理性とは何かを、ましてやどうしたらそれを取り戻せるかをわかっていそうにない。
• 　本書が目指すのは、このぶざまな状況から抜けだすことである。そのためにまずは、人間の合理性という概念を、哲学的に防衛可能なものへと発展させる。それから、私たちが陥っている政治的状況を改善するのに、これが適用できることを明らかにする。