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教科書では絶対教えない 偉人たちの日本史
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文芸評論家とは、作品に価値を与える人、誰もが気づかなかった文芸作品の価値を発見して、世間に評価を定着させる人のことです。その意味で、 本居宣長 は、日本史最高の文芸評論家と称してよいでしょう。 宣長は、江戸時代中期の人です。その江戸時代とは、どのような時代だったでしょう。 徳川初代将軍家康、二代将軍 秀 忠、三代将軍家光 の時代は、戦国の気風が薄れてきたとはいえ、幕府が諸大名に対し居丈高に接する武断政治の時代です。少しでも幕府の機嫌を損ねれば、どんな大大名も一瞬にして改易、すなわち領地を召し上げられる時代です。
宣長は医師としての仕事で生活を支えながら、仕事の合間に国学を研究し、 宝暦 八(一七五八) 年、二九歳のときに『源氏物語』の講釈を始めます。その後四〇年間続く古典講釈の始まりでした。 もちろん、『源氏物語』の原典は残っていません。鎌倉時代の写本が、現存する最古の版です。原典が残っていないからこそ、解釈が分かれ論争の種となり、そして多くの人たちを魅了してきました。 ちなみ、島内景二『源氏物語ものがたり』(新潮新書、二〇〇八年) は、 藤原定家 をはじめ、最後は『源氏物語』を英訳したイギリスのアーサー・ウェイリーまで、九人の『源氏物語』に文学的価値を認めようとした人たちの列伝です。もちろん、本居宣長も取り上げられています。ご興味のある方は、どうぞ。 はっきり言って、『源氏物語』は悪文です...
学生運動が盛んだった一九六〇年代、マルクスにかぶれた学生が『源氏物語』が専門の教授に向かって、「お前の仕事には生産性がない」と迫り、教授は言い返せなかった話があります。 では、本当に生産性がないのか。『源氏物語』は英語訳を含めて、すでに三二の言語に翻訳出版され、全世界に広がっていて、日本人のすごさを証明しています( 注2、 3)。生産性がないどころではありません。マルキストのほうが、文化を理解できていないだけです。
今、我々は『古事記』を『日本書紀』と並ぶ史書と扱っていますが、宣長の時代は 有象無象 あふれる中で、『古事記』を拾い出したのです。 宣長が亡くなる享和元(一八〇一) 年までに、入門した門人は四八九名を数えたそうです( 注4)。 享和元年九月二九日に亡くなるまで学問を楽しみ続けました。
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