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日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化
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本書でコミュニティについてぼくが話すとき、次のようなタイプのコミュニティを念頭においている。自発性に基づく、軽く、オープンなコミュニティであり、各メンバーが独自に発揮する個性と、他人と一緒に何かをやりたいという願望のつり合いがとれている、いわば流動的なコミュニティ。そうでなければ、つながることに同調したもの同士の単なる孤立した集まりだ。または、かつての閉鎖的なアイデンティタリアンのコミュニティ〔第二次世界大戦後の欧州に生まれた極右運動〕 を再びつくるための反動的な企てにしかならない。それら反動的コミュニティは一時期人の心を惹きつけたとも考えられるが、戻ることができない完全に過去の断片に過ぎない。
のは、幸せを分かち合う瞬間の価値を知っているからだ。そして、その価値を共有すべき良きことと見なしているからだ。答えとなったこのフレーズの意味を解き明かしていくにあたり、ぼくたちはお互いが価値を分かち合うための糸口を見いだす。劇や音楽のパーフォーマンスに対する関心、食べ物やワインに対する関心といったことだ。さらに言えば、旧友と再会する喜び、新しい人との出逢い、あるいは場所の美しさ、古くからある樹木の魅力ということもあるだろう。よって、あそこにいたいと思う実際の理由はこのうえなくさまざまだ。理由は、「何らか」の混ざり合いだ。その何らかとは、つくられ、買われ、または与えられるものだ。そして、その何らかは決して一人だけではつくりえない。
もし世界が液体になったら
近年、全体の様子が変わってきている。つながっていること、つまり接続性が、ちょうど熱が固い材料を溶かすように組織を解体させている。かつてのタイプのコミュニティが持っていた社会慣習の統率力は減退してきている。長く続いた強い絆は消滅しつつある。そして、軽い変幻自在なソーシャルネットワークが出現しつつある。これらの変化に多くの人は不安を持っている。 新自由主義 の思想と経済が植民地としたこの液状的世界は、孤独がつながりあい、仕事は不安定で、極端に不平等な世界になりつつある。将来へのビジョンが欠けているのだ。これは、ジグムント・バウマン 2 が見事に描いた液状的近代の世界そのものだ。
セールにとって解釈モデルを取り入れるとは、デモクリトスとルクレティウス〔デモクリストは古代ギリシャ時代、ルクレティスは古代ローマ時代に原子論を説いた〕、ヴィーナスの世界に対するマーズ〔ヴィーナスは美の神、マーズは軍神〕、といった対比に単に遡ることである。そして科学もわれわれを同じ方向に導く。今日、自然と人類、そして両者の相互作用はややこしいありさまとなっている。それらの複雑さを説明するにあたり、生態系の液状的形態の方が、鉱物による固定的なそれを用いるよりも適当であることをぼくたちは承知している。そういうわけで、世界を眺め、その世界の変わりやすさを受け入れるのには、昔の機械論に基づいた(それゆえに役に立たない) 解釈のモデルを捨て去り、ついにはそのややこしさとまさに折り合いをつけるのが第一歩に...
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