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知価革命 工業社会が終わる 知価社会が始まる (PHP文庫)
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私が「豊富なものを沢山使うことを格好よいと感じる美意識と不足なものを節約するのは正しいことだと信じる倫理観」とを育てる人間の「やさしい情知」についての仮説を立ててみたのはこの結果である。私はこのことを数年前からいくつかの小論文では書いて来た。だが、それをまとまった書物にすることはためらった。あまりにも遠大な問題を浅薄な知識と偏見に満ちた断定によって書くべきではないと考えていたからだ。
しかし、人類の歴史から見ると、戦後の日本の高度経済成長は、奴隷王朝以上に異常だった。何しろ、かなりの規模を持つ一つの国の経済が、三十年近くにもわたって年平均一〇%もの成長を続けたという例は、人類六千年の歴史の中でも、戦後の日本以外に一度もなかったのだから。
だが、戦後の長期高度成長を経験したわれわれから見ると、一九二〇年代の成長率は決して「べら棒」なものではない。クズネッツの算定によれば、一九二〇年から二九年までのアメリカのGNPの増加率は四二・四%、年率にすれば三%以下である。
こうしたことを考えれば、戦後二十数年間、ほとんど休むことなく続いた経済成長がいかに巨大なものであったか分るだろう。アメリカや西ドイツは勿論、もっとも停滞的だったイギリスあたりでも、史上稀に見る高成長だった。まして日本のように年平均一〇%の経済成長が三十年近くも続いたのは、「歴史の奇観」というべきであったろう。
第二次大戦後の世界が、第一次大戦後と決定的に違った点は、何よりも資源、エネルギー、農産物の豊富かつ低廉さである。そしてそれこそが、世界的な長期高度経済成長を可能にした基本的な原因だったに違いない。
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