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そして、バトンは渡された (文春文庫)
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もしも、優先順位をつけなければいけないのなら、正しい順に並べるべきだ。それなら、たとえ自分の選択に悲しくなることがあったとしても、間違いだったと後悔することはない。 友達に無視
私が欲しいものを必死に与えてくれ、私が大事だと態度で言葉で示してくれる。でも、その愛情は、強ければ強い分、どこかもろくはかなく感じるのも事実だ。 最上の状態のピアノを、隣の部屋でそっと耳を澄まして聴いてくれる人がいるこの家で弾くこと。 それが、その時の私を、平穏でいさせてくれる唯一のものだった気がする。 19 合唱祭の
悲しいわけではない。ただ、私たちは本質に触れずうまく暮らしているだけなのかもしれないということが、何かの瞬間に明るみに出るとき、私はどうしようもない気持ちになる。 「全然大丈夫」 そう言おうとしたけど、言葉を発するともっと涙が出てきそうで、私は首を振ることしかできなかった。
普通に毎日を過ごしているだけなのに、期待を裏切っているようで肩身が狭くなってしまう。無理した覚えなどないのに、元気なだけで気遣われてしまう。平凡に生活していることに引け目を感じなくてはいけないなんて、それこそ不幸だ。
「餅だなんて、全然食べたいものと違うのに」 「そう言わずに。おいしいからさ。さ、どうぞ」 森宮さんがにこりと笑うのに、「じゃあ、いただきます」と私は包みを開くと、小さな餅を口に突っ込んだ。そのとたん、たっぷりついたきな粉が喉の奥へ広がった。 「そんな慌てて食べなくたって」 むせかえる私を、森宮さんは笑った。 「慌てたんじゃないよ。滑らかなプリンが通るはずだったのにって、食道も気管も怒ってるんだよ」 「恐ろしい内臓だな」 「体中がプリンを楽しみに待ってたの!」
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