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壊れた世界の者たちよ (ハーパーBOOKS)
www.amazon.co.jp/dp/B08C2GSMKQ
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この世では誰もが壊される。 が、壊された場所でより強くなる者も少なくない。 ──アーネスト・ヘミングウェイ『武器よさらば』
人はそういう世界から出てこられるものだと、エヴァは知っている。同時に常に“壊れて”出てくるものだということも。 月明かりのもとでさえ川は汚れて見える。 ジミー・マクナブはむしろそのことを好ましく思っている。汚れたわが街の汚れたわが川を愛している。
高層ビルのヘロイン工場、ショットガンハウスのクラックコカイン密売所、バイク乗りの溜まり場、ギャングの隠れ家──そういうところは何度もやった。 だけど、貨物船は? 初めてだ。 オスカー・ディアスが大量の メタンフェタミン の水揚げに利用するのが貨物船なのだ。ジミーたちはこれからそこへ乗り込もうとしている。 このホンジュラス人をジミーたちはここ何ヵ月も追いかけてきた。 これまで下手に接近はしなかった。 ケチな取引きはあえて見逃し、ディアスが大勝負に出るまで泳がせた。
ほかの者たちもそれぞれグラヴを取り出し、数フィートずつ間隔を空けて広がり、内野の守備練習のようにボールをまわす。防弾ヴェストにヘルメットという恰好だから 滑稽 と言えば滑稽ながら、これは儀式だ。ジミー・マクナブは儀式を大切にする。 作戦
ジミーはゲイが嫌いなわけではない──ジミーは人間そのものが嫌いなのだ。
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