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あの夏、夢の終わりで恋をした。 (スターツ出版文庫)
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『もしも、過去の選択を変えられるとしたら』という話を聞いたときに、俺が真っ先に思い浮かべたのは、あの事故の瞬間のことだ。 鮮明には覚えていない。ただ、自分にとって大切な人が危機に 晒されているのに、俺は足が 竦んで一歩も踏み出せず、手を伸ばすことすらできなかった。そんな自分自身を、後になってから何度も何度も悔やんだことだけははっきりと覚えている。 結果からして、そのときの俺の 愚鈍 な 過ちのせいで、妹は、 雫 は、もういない。 あともう少し、状況を早く判断できていたら。あともう少し、俺に勇気と行動力があったら。 いくらそう考えようとも、いなくなった人間が戻ってくるなんてことはあり得なかった。 そうなってはじめて、俺は後悔をした。 それからの日々には、常に『どうしてあのときに……...
最初に、あの瞬間の自分の選択を正すだろう。 その思いの程度の違いはあれど、誰しも『あのときにこうしていれば』と思うことは少なからずあることだ。どうしようもない可能性を思い考え、どうしようもなくなった後だとしても、最良の選択を想起してしまうものなのではないだろうか。 人生とは 取捨選択の連続でできている。 一方を選ぶということは、一方を捨てるということに他ならない。 俺はそれを身に染みて理解した。選択という重みを、酷く痛感した。 だからだろう。 自分の無力に絶望し、すべてを諦めた俺が、柄にもなくあんな言葉を投げかけてしまったのは。 心のどこかで、常に最良の選択を 模索 する姿勢が根付いていたからか。 それとも、後悔のない選択をしたいと常々心掛けていたからか。
はたまた、一度きりの機会を失うことを恐れたからか。 きっと、そのすべてだ。そのどれかひとつでも欠けていたら、結末は変わっていたことだろう。 果たしてそれは最良の選択だったのか、俺にはわからない。だが、後悔のない選択をしたと、今なら自信を持って言える。 あのとき俺は、後先も考えず、まるで 零れ落ちるように、初対面の…
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