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深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】
www.amazon.co.jp/dp/B08BL47BGR
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だから、漢詩であれば誰の詩集であってもかまわなかった。李白でも 杜甫 でも、白居易でも 陶淵明 でもよかった。李賀を選んだのはほとんど偶然にすぎない。出発の何日か前に本屋へ行き、中国詩人選集の 棚 から一冊を抜き取ったのだ。しかしただ、『李賀』の巻に指が掛かった理由のひとつに、彼が二十七歳で死んだということがあったのは確かである。私もまた、間もなく二十七歳になろうとしていた。 李賀は唐代としては珍らしく幻想的な詩を多く書いた詩人である。『李賀』の注を施している荒井健によれば、李賀は死後「鬼才」と呼ばれるようになるが、それは彼のためだけにできた言葉だという。すなわち、李白を天才、白居易を人才、李賀を鬼才と呼び、中国においては、李賀以外の文学者に鬼才という言葉を冠することはないのだという。 ...
さすがにウィーク・エンドは書き入れどきで、客も夜遅くまでいるし、場合によっては泊まりということもある。運悪くいつまでたっても女の部屋にもぐり込めないヒモたちは、部屋の前の廊下にハンモックまがいのベッドを組み立て、そこに寝なくてはならないのだ。自分の女が別の男と一緒に寝ている部屋の前で、いったい眠ることなどできるのだろうか……。それができるらしいのだ。大きなイビキをかいて眠っている彼らの姿を、私はトイレに行く途中の廊下で見て、驚きを通りこして感動すらしてしまった。彼らは女たちに負けないくらい陽気であっけらかんとしていた。
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