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女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書)
www.amazon.co.jp/dp/B08B64D24Y
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哺乳類では、生殖におけるオスとメスの投資額にきわめて大きなちがいがある。オスは精子の放出にはほとんどコストがかからないが、メスは妊娠後は子宮内で赤ちゃんを育て、出産後も授乳が必要になるから、子ども1人(1匹) に対する投資額はきわめて大きい。
恋愛によってドーパミンが大量に産生される状態は、6カ月から8カ月程度しかつづかない。その後は、オキシトシンやバソプレッシンによる愛情や信頼関係に移っていく。 なぜこのようになっているかも進化論で説明できる。 人類の歴史の大半で避妊法などなかったから、恋におちた男女はすぐにセックスして、1年もすれば子どもが生まれただろう。そのときになっても「狂おしい恋の嵐」に翻弄されていたら、子育てなどできるはずはない。恋の情熱は半年程度で冷めるように「設計」されているのだ。
進化論的には、男は「競争する性」、女は「選択する性」として「設計」された。
BLが美少年同士の恋愛を描くのは、ゲイ(男性同性愛者) が好きだからではなく、読者である女性からもっとも遠い存在だからだ。宝塚で女優が男役を演じるのは、生身の男よりも純粋な恋愛を表現できるからだろう。どちらも現実にはあり得ない女性の夢、すなわちロマントピアの進化した姿なのだ。
自分への肯定感が高い女性の被験者は、魅力的な女性の応募者を低く評価することはなかった。それとは逆に、自尊心の低い被験者は、魅力的な女性の応募者をきわめて低く評価したのだ。 自尊心は外見に強く影響されることがわかっている。研究者はこの結果を、容姿に自信のない女性が、魅力的な女性を排除したのではないかと説明している。魅力的なライバルは、魅力のない人間にとって「性愛競争」の深刻な脅威なのだ。
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