Home
My Highlights
Discover
Sign up
Read on Amazon
童の神 (時代小説文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B089SLBTR3
Import Your Kindle Highlights to Glasp Today 📚
Top Highlights
知らぬことが悪だとするならば、伝えぬ者の罪はどうなる。
「今、ここで斬りなさい。それで貴殿の気が少しでも晴れるならば、私は本望だ」 桜暁丸は別の感情が沸々と湧き上がってくるのを感じた。師匠である蓮茂があの日、大赦を受けたと笑っていたのを思い出していた。 ──俺が生まれた日は、多くの者の人生が再び始まった日だった……。 蓮茂だけではない。皐月は追捕の手が休まり、無事に孫の葉月が生まれた。また 豹 弾 は幼き虎前を抱えながらも、山を立て直すゆとりが生まれた。若き毬人は先祖発祥の地を奪還する 礎 を築いた。そう思えば何と希望に満ち溢れた日であったろうか。 「俺は確かにまだ見ぬ貴方を怨んだ。しかし歓喜し、安堵した者もいる。よくぞ凶日と言ってくれました」
桜暁丸は深々と頭を下げた。長年胸に 閊えていたものが霧散した心地である。
「いいかい葉月。生きている限り機会が巡ってくる。助けられなかったことを、恥などと思う必要はない。懸命に生きておくれ」
しかし大将を務めるようになって、最悪の場合を想定して物事を判断する癖がついていた。
Share This Book 📚
Ready to highlight and find good content?
Glasp is a social web highlighter that people can highlight and organize quotes and thoughts from the web, and access other like-minded people’s learning.
Start Highlighting