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ひとの住処―1964-2020―(新潮新書)
www.amazon.co.jp/dp/B084JFFTQS
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ちなみに僕は第五代の歌舞伎座(2013、図3) をデザインすることになって、
渋沢栄一はイギリスのエベネザー・ハワード(1850~1928) が1898年にその著作『明日──真の改革にいたる平和な道』(鹿島出版会、1902年に『明日の田園都市』に改題) で唱えた田園都市(ガーデン・シティ) 構想に共鳴し、田園調布という街を作り上げた。ハワードの考えは、「都市と農村との結婚」であり、単なる郊外住宅地を作るのではなく、職住近接のコミュニティを、自然の中に、緑の中に、作ることであった。しかし、田園調布は、結局のところお洒落な郊外住宅地にしかならなかった。田園調布はある意味東京に近すぎたし、緑の中で、職住近接の環境の中で働くという考え方は、丸の内、大手町の大企業で、定年までコツコツ働くことを理想のモデルとする、 20 世紀日本のワーキングスタイルとは、全くなじまなかったのであ...
60 年代、日本では近代建築(別名モダニズム建築) が、次々と建ちはじめた。モダニズム建築とは、 20 世紀前半に欧米でスタートした、新しい建築様式である。コンクリートと鉄を主材料とする機能本位のスタイルで、 20 世紀の工業化社会のニーズにぴったりとはまって、工業化社会の制服となった。
19 世紀までの建築家は大地を造型するということに関心がなかった。大地そのものをデザインすることなど、思いつかなかった。西欧の伝統的建築においてはまず、大地の上に基壇(ポディウム) と呼ばれる台座のようなものを作り、さらにその上に建築を載せるというのが、最も一般的な大地と建築との関係であった。西欧建築の原型とも呼ばれるギリシャのパルテノン神殿は、最も美しいポディウムの例でもある。
20 世紀は、ポディウムの他にピロティという新しい言葉が開発された。モダニズム建築の巨匠、コルビュジエは、重たいポディウム型を嫌って、サヴォア邸のピロティこそがモダニズムにふさわしい大地と建築の関係だと主張し、 20 世紀の建築界はピロティブームになった。ポディウムが建築を大地から持ち上げて特別なものに見せたように、ピロティもまた、建築を持ち上げて、ありがたいものと見せた。コルビュジエの崇拝者でもあった丹下健三は、広島平和記念資料館(1955、図 17) や、旧東京都庁舎(1957) をピロティで美しく浮かせ、拍手喝采を浴びた。
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