Top Highlights

• このとき彼らのプライドは、理想とはかけ離れてしまった自分自身を批判することによって、かろうじて担保されます。このような、自己批判の形を取った自己愛を、私は「自傷的自己愛」と呼んでいます。
• ひきこもり当事者には、終日無為に過ごす者が少なくありません。理由の一つは、彼らが「楽しむこと」への罪悪感を抱いているからで、さらに言えば、長期にわたり「やりたいことがわからない」という状況にとどまっているためでもあります。
• また、強迫行為もひきこもりに伴いやすい症状の一つです。たとえばドアの鍵を締めたかどうか気になって何度も確認してしまうとか、少しでも汚いものに触れたと感じると何度も手洗いを繰り返さないと気が済まないといった症状がこれにあたります。
• たとえば「アスペルガー」という言葉が日本ではまだ 流行っていますが、これは精神障害の分類や標準的な診断基準として世界的な権威を持つＤＳＭ（精神障害の診断・統計マニュアル／アメリカ精神医学会）からはすでに消えました。理由は、アスペルガーと呼べる症例は、きわめて少数であるためとされています。
• たとえば、空気を読めず周囲とのコミュニケーションの輪に入れない人がいると、それだけで障害があると見なしてしまう。日本にはそういう偏った文化的背景があるために、「アスペルガー」という言葉が流行るのです。