Top Highlights

• そして、カモを見分ける最大のコツがある。出口ではなく映画館の大きさに目が行っているヤツは間違いなくカモだ。映画館で、たとえば誰かが「火事だ」と叫べば、人々は出口に殺到する。なぜなら、映画館から逃げ出したい人たちは、絶対に館内に残ろうとはしないから。これは、コーシャの戒律の順守や株式のパニック売りに見られるのとまったく同じ無条件性だ。
• 次のことがいえる。 重要なのは、何を持っているか、持っていないかではない。何を失うことを恐れているかだ。
• 実際、本書が伝えようとしている深いメッセージとは、２、３歩進んだ普遍主義、つまりミクロとマクロを同一視することの危険性だ。同じように、『ブラック・スワン』の核心は「プラトン化」の弊害だった。あるものを抽象的な構造物へと変える過程で、重要な隠れた要素を見逃し、崩壊を引き起こす現象のことだ。
• 白銀律（「自分がしてほしくないことを他者にするなかれ」） を実践的に拡張したのが、次の命題だ。 アドバイスが間違っていた場合の罰則が存在しないかぎり、アドバイスを生業としている人間のアドバイスは真に受けるな。
• 人生で重要なのは、結果の予測を〝的中〟させる頻度ではなく、的中させたときにどれだけ儲けるかだ。読みを間違えるのは、大きな犠牲がなければさして重要ではない。ある意味、学術研究における試行錯誤のメカニズムと似ている。