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秋山善吉工務店 (光文社文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B07Y1Y21Q8
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「やられたらやり返す。イジメられたらイジメ返す。そんなことを繰り返したって何が解決する訳でもねえ。やられた人間が自分より弱いヤツを見つけて、おんなじことをするだけだ。誰かにイジメられた腹いせをする。そしてまた誰かから憎まれる。その数だけ 揉め事が増えていくばっかりだ。太一はそれで構わねえって言うのか」 善吉の目が太一を貫く。穏やかだが、決して逃げることを許さない目だった。 「大勢の不幸を見て見ぬふりをするのだって弱い人間のすることだ。自分は関係ない、あいつらはあいつらで解決すればいい。そういう便利な言い訳を使って、面倒なことやしんどいことから逃げてるだけだ。情けは人のためならずって言葉、知ってるか」 「他人に情け
直接手を下しているのは彰大たちだが、それがイジメの正体ではない。 イジメというのはこの空気のことなのだ。 自分とは無関係の誰かが理不尽に虐待される。その状況を消極的に楽しみ、自分の鬱憤晴らしにしている。そしていざイジメが表面化したら直接の犯人を糾弾するつもりで、 虎視眈々 とその機会を窺っている。つまり一粒で二度美味しいという理屈だ。 だったら
この世には身体で受ける傷よりも痛い傷がある。ここで彰大に背を向けたら、その傷がずっと疼き続ける予感がする。 「放して
「見えないのは探さないからだ。まさかぼうっと突っ立ってたら、向こうから明るい未来とやらがやって来るのか。ふざけるんじゃねえ。そういうのは自分で歩いて、草を搔き分けて、爪先立ちして探すもんだ」 「だって」 「だってもクソもあるか。勝手に自分を決めつけて、勝手に不平不満拵えて、勝手に諦めやがって。少し自分の思い通りにならないと、すぐにへそ曲げやがる。要は楽な方楽な方に逃げてるだけじゃねえか。汗も涙も血も流さんような怠け者に、どこの誰が振り向いてくれるってんだ。いいか、
やっぱり自分も捨てたものではない。世の中には自分を必要としてくれる場所がある――たったそれだけのことで足取りはずいぶん軽くなった。そして気づいた。 心が折れそうになったのは定収入が見込めなかったせいだけではない。 自分が世間から認められていないという現実が辛かったのだ。夫に尽くし、
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