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ミュシャから少女まんがへ 幻の画家・一条成美と明治のアール・ヌーヴォー (角川新書)
www.amazon.co.jp/dp/B07TY8RH74
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少女まんが家・清水 玲 子 の代表作『 輝 夜 姫』(一九九三~二〇〇五年)のイラストである。この作品はノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作『わたしを離さないで』(二〇〇五年)とのプロットの類似で知られるが、清水作品の方が初出が早い。それが偶然とは言い難いのは、イシグロが作者名こそ出していないが同作の成立に「アニメに漫画といった日本文化の力が少なからず関与していた」(平成三一年三月七日、朝日新聞DIGITAL「読み継がれ、心の糧に カズオ・イシグロさん 識者が選んだ『平成の 30 冊』」)と告白しているからである。
太い外郭線と流れる髪と星 さて、この時期、明治の雑誌表紙に展開するアール・ヌーヴォーふうの様式の特徴はおよそ以下の通りである。
②人物の一番外郭の線を太く、そしてその内側の線を細く描く[* 13]。これはミュシャだけでなく、フランスにおけるアール・ヌーヴォー系のイラストレーションにしばしば見られる傾向で、藤島武二の『明星』の表紙などはそれをやや極端に強調しているものだ。
まる窓に老木の梅のかげ瘦せてすみ絵のまゝのうす月夜かな
その世代交代の場の一つが『明星』であった。『明星』誌上を飾る短歌や短歌の韻律を引きずる新体詩は「伝統」的な様式と今の人々には感じられるだろうが、同誌を主宰する鉄幹が試みたのは何より「伝統」からの離脱であった。『明星』は新詩社という文学者グループの機関誌でもあったが、そこで鉄幹は自らの目論む詩についてこう宣言した。 一われわれは古人の詩を愛読す。されど古人の開拓せる地に、更にわが鍬を入れんことは、われらのえ忍びぬところなり。 一われらは互に自我の詩を發揮せんとす。われらの詩は古人の詩を摸倣するにあらず、われらの詩なり、否、われら一人一人の發明したる詩なり。 一われらの詩は国詩と稱すれども、新しき国詩なり、明治の国詩なり。万葉集古今集等の系統を脱したる国詩なり。 (東京新詩社「新詩社 規」)
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