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経済で読み解く世界史 (扶桑社BOOKS文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B07N8NQ74J
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統一市場が形成される時、何を基準に統一の要素とするかということが、大きな問題となりました。民族、言語、文化、伝統、共同体など、あらゆる同質的なものが探し求められ、統一化・共通化の名分に利用されました。その名分は同質的なものでありさえすれば、何でも良く、根底にある狙いは、統一市場の形成による利潤の最大化でした。
中国では明王朝の支配が弱まり、 17 世紀に強大な清王朝へと政権が変わります。これらのアジアの帝国は巨大な官僚機構を創設し、それによって中央集権化を図り、有能な官僚たちによる精緻な統治政策が遂行されました。 また、これらのアジアの帝国はどれも複雑な多民族間の問題を抱えていましたが、巧みな民族協調の政策を展開して、融和的な社会を構築することに成功しました。 ヨーロッパの国家が統一市場への結合に際し、民族、言語、文化などの同質性を求めたのに対し、アジアの国家は差異を包含していったのです。
19 世紀以来、イギリスをはじめ、先進各国は金本位制を採用していました。金本位制の下では、各国の中央銀行が発行する銀行券(=通貨)は、中央銀行が保有する金(ゴールド)と交換することができます。金との交換可能な紙幣は、金と同価値のものと見なされ、信用を生み、広く流通します。 金本位制度において、中央銀行は、紙幣保有者が金との交換を要請した場合には、いつでも応じねばならず、そのため、各国の紙幣量は金の保有量に制約されます。 しかし、 20 世紀に入り、紙幣量の増幅により、経済規模を拡大する試みが各国でなされます。金本位制を停止し、金と紙幣のリンクを切ったうえで、紙幣を大量に印刷・製造します。各国の中央銀行は、通貨量を増大させながら、自国の経済そのものを自己増殖化させていったのです。
世紀に入り、金本位制が停止され、各国の中央銀行が通貨発行の自由裁量権を握った時、経済は自らの血肉である通貨の増幅によって、自ら「内的成長」をする手段を得たのです(図1-2 通貨膨張の自己増殖経済)。
1931年、イギリスが、1933年、アメリカがそれぞれ、金本位制を停止し、従来なかったような露骨な通貨切り下げ競争、インフレ誘導をはじめます。各国は、赤字国債を中央銀行に引き受けさせて、政府はそれを原資として、公共事業などの財政出動を積極展開します(ケインズの「有効需要政策」)。
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