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• 「刑事部と警備部の間で合同オペレーションにするという協定が成立したんだ。それも異例の早さでだ。おそらく本事案からウチを排除するという合意があったに違いない。また警備部長にはここでＳＡＴに名誉回復の機会を与えたいという意図があるのかもしれない。それを邪魔したとなると、ウチはこれまで以上に警備部の恨みを買うことになる。いずれにせよ、ウチが安易に動くべき局面じゃない」 　これ
• 「最近は大きな技術発表もなかったんで、実用化はまだ何年か先だろうと思っていたんですが」 「なぜ秘密にするんだろう」 　夏川の問いに、 「発表してしまったら、たちまち模倣品が氾濫して大手に食い潰されるからですよ。そうなる前に投資を回収し、利益を確保しておきたいと考えるのは当然です」 　
• 　――医療器具、それに武器密輸関連となると、警察庁、厚労省、経産省の他に、外務省、財務省、法務省が関わってくるが、犯罪対策閣僚会議の下であれば警察庁出身の内閣参事官が中心になって実務を担当することになる。警察主導でいけるだろう。 　立件
• この世の地獄を見たはずの人間が、地獄より巡り還って同じ蛮行を見知らぬ少年に繰り返す。無限に続く暗黒だ。 　男は確かに暗黒の世界からやってきたのだ。 　自分から聴取する気力は由起谷にはもはやなかった。姿ももう何も言わない。 　デオプは曖昧な笑みのまま、二人を眺めるだけだった。
• 南米では体制と反体制とが混然と一つになって区別できない。あるのはすべて等しく暴力だ。