Top Highlights

• ここでは主に、ポーター教授の競争力分析モデルの枠組みを使うことにする。事業に影響を与える競争力のひとつに「 10 Ｘ」の変化が起きることが、戦略転換点の引きがねになる場合が多いからだ。「 10 Ｘ」の変化によって引き起こされた例について説明しよう。すなわち、競争における「 10 Ｘ」の変化、テクノロジーの「 10 Ｘ」の変化、顧客の力の「 10 Ｘ」の変化、供給業者と補完企業の力の「 10 Ｘ」の変化、そして法的な規制の施行や撤廃による「 10 Ｘ」の変化による例である。「 10 Ｘ」の要素があまりに広範囲に影響しているために、次のような疑問が出てくる。つまり、〝どの戦略転換点も、「 10 Ｘ」の変化を特徴としているのか。どの「 10 Ｘ」の変化も、戦略転換点につながるのか〟という疑問である...
• 本書のタイトルを改めて見てほしい。「パラノイアが成功する」ではなく「パラノイアだけが生き残る」である。パラノイアでなくても成功することもある。ただ、その後にやってくる悪い兆候を察知し、適切に対処し生き残ることができるのは、パラノイアだけなの
• 戦略転換点を通るのは、ハイキングで道に迷うというよりも、死の谷に危険を冒して立ち入ることだといったほうが的を射ているかもしれない。従来の経営手法から新しい手法へと移行するための危険な綱渡りだからだ。経営者は、仲間の何人かは谷の向こう側まで一緒に渡りきれないと知りながらも、進んでいくのである。経営者の務めは、犠牲を承知でかすかに見える目的地へ向かえと号令をかけながら進むことであり、中間管理職の責務は経営者の決定を支持することなのだ。ほかに選択の余地はないので
• そもそも新規事業や起業は、９割以上がうまくいかないものだ。旅行以上にトラブルが続出する。だから、うまくいかない前提でトラブルを想像して準備をしておかなくては、成功できないし、成功を継続でき
• 10 Ｘの