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現代思想の名著30 (ちくま新書)
www.amazon.co.jp/dp/B072TXF2T6
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「暴力」を正面から肯定することは、無秩序をもたらすことになると思われがちだが、必ずしもそうではない。植民地主義の暴力に対抗する武装闘争に際して原住民は一つの方向に動員され、その過程で各人の意識に共通の利害、民族の運命、集団的歴史といった概念が導入される。それによって植民地主義によってもたらされた部族ごと、地域ごとの分離が克服されていく。この意味で「暴力」の実践は、大地に生きる民衆を「全体化」するのである。また、個々の原住民の劣等感や絶望的な態度を取り去り、自己に対する尊厳を回復させる解毒作用を発揮する。
後進諸国全般の置かれている状況の中に自分たちの運動を位置付け、富の分配や社会的諸関係を変化させようとする、人民による人民のための統治を目指す「プログラム」である。そうした「プログラム」によって、瞬間的な高揚の中で生じる「民族意識la conscience nationale」は政治的・社会的意識へと、部族的な対立を超えた、「ヒューマニズム」へと転換される。
ソレルは『暴力論』(一九〇八) で、直接行動に伴う暴力を肯定したうえで、暴力へと大衆を動員するには、黙示録における善悪の最終決戦のような、人々の意識に潜む神話的表象を利用することが肝要だと主張する。
暴力を単なる革命の手段としか見なさず、経済的要因を重視する従来のマルクスの議論と違って、神話的想像力と暴力の繫がりに注目するソレルの議論は目新しく、ベンヤミンの「暴力批判論」(一九二一) にも影響を与えた。 ただ、下部構造(経済) の科学的分析よりも神話を重視し、議会制民主主義に否定的なソレルの理論は、イタリアのファシズムやナチズムにも影響を与えている。
が学生だった一九八〇年代には、「現代思想」は、知的近寄りがたさの代名詞だった。文系の学生の中で最もシャープな知性の持ち主だけがアクセスすることを許された特権的な領域だった。「構造」「間主観性」「共同幻想」「ツリー/リゾーム」「パロール/エクリチュール」……といったキラキラした言葉を流暢に操れる人はかっこよかった。
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