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文藝春秋SPECIAL 2017年春号[雑誌]
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モンゴル帝国があれだけ広大な地域を短期間に征服できたのは、軍隊が強かったうえに、情報戦が巧みだったからです。彼らは侵攻の際に、ウイグルの商人などに「モンゴルはむちゃくちゃ強いぞ。抵抗したら死体の山が築かれるけれど、降伏したらものすごく寛大に扱ってくれるよ」とあちこちで触れ回らせる。そんな噂を聞いていれば、モンゴル軍が来ただけですぐに降伏します。それがあの征服のスピードにつながったのです。
実は軍事力による征服は、攻める側にとってもハイリスクでハイコストです。誰でも殴り合えば、拳が痛い。話し合いや金銭による解決の方がずっと効率がいいに決まっています。むしろ武力は、交易や外交がうまくいかない場合の最後の苦肉の策だといえます。
弥生時代の九州では、木の道具だけで農業をつづけても、それで食べていける人数には限りがあったでしょう。しかし生態系になかった鉄が加わることでイノベーションが起こり、従来の数倍、数十倍の人が食べていけるようになる。これが交易によって文明が発展し、国が豊かになる基本原理
当たり前ですが。では何を学ぶかというと、人間という動物がつくる社会、仕組みの原理原則は何かということだと思います。栄えた国、長続きした国はどんなシステムを作り上げていたか。それを動かす知恵とは何か。逆にうまくいかなくなった要因は何か。人間の脳はこの一万年ほど進化していませんから、そうした原理原則は現代にも通じるものがあると思うのです。
約六百キロも離れた青森と新潟間で交易があったという証拠ですが、おそらく陸路でなく、海路で運んだのでしょう。陸路は地図上では近くに見えても、実際は山あり谷ありで距離が長く、難所も多い。山賊などに狙われることもあります。海路も危険はありますが、陸路に比べれば安全性が高く、低コストだったのでしょう。世界史に見られるほとんどの交易は、基本は海路(水路)を使っていたと考えられています。
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