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最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B01N2H6UUT
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「どこまで受け入れられますか。具体的にどこまでだったら、自分の命の対価に差し出せますか」 息を呑む。 「どこまで差し出せるかとは、どこまで命に価値を見出せるかと同義の質問でもあります。あなたにとって命とは、どんなものですか。きちんと考えたこと、ありますか」 桐子は
「命について真剣に考えたこともないのに、死にたくないと病院に来て、医者にその命を委ねるのですか」 嫌らしい追及に抗って、浜山は言う。 「みんながそんなことを考えて病院に来るとでも言うんですか?」 桐子は首を横に振った。 「いいえ。ほとんどの人が、何も考えずに来ます。ただ 漠然と、再び元気で退院することだけを求めて来ます」 「そうでしょう」 「だから、我々は彼らをベルトコンベアに乗せざるを得ないのです。ただ余命を少しでも伸ばすことだけを目的にしたラインに乗せ、工場のように動かすのみです。それが彼らの願いなのですから」 浜山はうっ
「自ら死を受け入れることができた時、人は死に勝利したと言えませんか」 浜山は
「よく考えてみてください。僕たち医者は患者を救おうとするあまり、時として病気との戦いを強いるのです。最後まで、ありとあらゆる方法を使って死から遠ざけようとする。患者の家族も、それを望む。だけどそれは、はたして患者が本当に望んでいた生でしょうか? 医者や家族の自己満足ではないか? 患者が他人の自己満足に巻き込まれ、死に敗北するようなことがあってはなりません」 桐子はまるで禅問答のような言葉を浜山に残した。 「死に振り回されると、往々にして生き方を失います。生き方を失った生は、死に等しいのではないでしょうか。逆に、生き方を維持して死ぬことは、生に等しいとは言えないでしょうか」 もう、医学
叶わない希望を捨てた時、新しい希望を見出す準備が整うんだ」 「だが、それ
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