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• グレービジネスにたずさわっているからといって、その人間がグレーそのものではないことである。現在、日本では暴力団に籍を置かないかぎり、法的には堅気であり、一般人なのだ。暴力団対策法は暴力団だけを特別に敵視し、半グレなどに対しては法の対象外とする。グレーの人員に対しては暴力団対策法も暴力団排除条例も適用されず、一般人と同じ扱いをする。
• グレービジネスは成功が約束されたも同然の商売ではない。一般人が密かに抱く欲望や需要を敏感に察知して、それを商行為に結びつけるビジネスモデルを作り上げる。
• 本書で取り上げるのはほとんどグレービジネス界の勝者といっていい人物たちである。ネットでの裏情報提供業者、出会い系サイト、デリヘルの経営、危険ドラッグの仕切屋、闇カジノのイカサマ・ディーラー、ＦＸや仮想通貨販売業、六本木・関東連合の育ての親、純金インゴットの密輸入や振り込めなど特殊詐欺の首領、街場の顔役の９人が登場する。このうち街場の顔役は暴力団に籍を置くから、本来はブラックに分類すべきだろうが、彼の古風ともいっていい 所作 からあえてグレーとした。
• 本書に取り上げる９人が９人とも大きな 元手 を用意してその商売を始めたのではない。カネを稼ぐために大金を投資することができなかった人たちがグレーの起業家であり、彼らはほとんど無一物からグレービジネスをスタートさせている。中には現在、 10 億、１００億のカネを動かす者もいるが、それらは彼らなりの仕事を回転させる中で築き、蓄えてきたものである。
• 「裏」情報サイトの先駆者 　【本堂マサヤ】