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フロイト入門 (筑摩選書)
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ニーチェは、人間による神殺しという行為の恐ろしさについて、次のように啓発的に語っている。「神は死んだ! 神は死んだままだ! それも、おれたちが神を殺したのだ! 殺害者中の殺害者であるおれたちは、どうやって自分を慰めたらいいのだ? 世界がこれまでに所有していた最も神聖なもの最も強力なもの、それがおれたちの刃で血まみれになって死んだのだ、──おれたちが浴びたこの血をだれが拭いとってくれるのだ? どんな水でおれたちは体を洗い浄めたらいいのだ? どんな 贖罪 の式典を、どんな聖なる奏楽を、おれたちは案出しなければならなくなるだろうか?(5)」。 ロベスピエールの理性という「至高存在の祭典」は、こうした「贖罪の式典」としてはあまりにもお粗末なものだった。人間たちは、神を殺して自分を神の座につけたこと...
近代以降の時代は、この神の影に支配された時代と言えるだろう。人々が殺したと信じたはずの神の影は、狂気として、無意識的なものとして、理性の万能を信じていた人々の心の隙をついたのである。
わたしたちの心の中には、理性によって制御されてない無意識的で、原初的な欲望が存在しているということだった。こうした人類のもつ原初的な欲望をフロイトは後に、近親相姦(インセスト)、父親殺し(パリサイド)、人肉食(カニバリズム) という三つのとくに嫌悪される欲望としてまとめることになる。
このようにして神を殺して、神の座についたはずの理性は、その背後に隠し持っている欲望の無意識的な力によって、その至高の地位から追い落とされた。それではこの理性に代わって人間の心を支配しているものは何だろうか。フロイトはそれを無意識と名づけた。フロイトの提起したこの無意識という概念は、それまでの伝統的な近代哲学の根幹を揺るがす力をもっていた。
このロマン主義的な思想の第一の特徴は、歴史を重視することだった。啓蒙の精神が普遍性を標榜したのにたいして、ロマン主義はそれぞれの民族ごとに異なる歴史の個別性を重視した。
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