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Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 (日本経済新聞出版)
www.amazon.co.jp/dp/B01D1D3XTC
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Top Highlights
多くの選抜プロセスでは、戦略的意思決定が成否のカギを握る。私たちゲーム理論家は、マッチングプロセスの研究を通して、参加者がどのようにして「制度の裏をかく」のかを学ぶことが多い。適切にデザインされたマッチングプロセスには、参加者が戦略的意思決定を行うという事実が計算に入れられている。マーケットデザインは、参加者が制度の裏をかかなくてすむようにして、自分が本当に何を必要とし、何を求めているのかを考えることに専念させることを目的の主眼に置く場合もある。あるいは、多少裏をかく人が出ても、市場が自由に機能できるようにすることをめざす場合もある。よいマーケットプレイスがあるとき、参加者は 安全 かつ 簡単 に市場に参加
マーケットプレイスがうまく機能するためにまず何より必要なのは、取引を希望する参加者を大勢集めて、彼らが最高の取引を探しあてられるようにすることだ。参加者が多く集まる市場には 厚み がある。市場に厚みをもたせる方法は、市場の種類によって異なる。たとえば私たちが腎臓交換のクリアリングハウスをつくったときは、市場に厚みをもたせるためにまず患者とドナーのデータベースを構築する必要があった。
経済の世界にも、くわしく見れば自然界と同じくらいの驚きがつまっている。市場は何らかの知的存在によってデザインされることなく、進化に似たプロセスで試行錯誤をくり返すうちに生まれることが多い。しかし、市場はデザインされることもある。ゼロからデザインされることもあるが、たいていは市場が試行錯誤の末に失敗してからデザインし直される。私たちがマーケットデザインについて学んだこと、またマーケットデザインを通して市場一般について学んだことは、市場の失敗を観察し、それを修復する方法を考えるなかで得られたものが多い。
マーケットデザインを通して、 仲介業 という太古からある職業に、新しい展望が拓かれつつある。本書を、身の周りで起こっているマッチングやマーケットメイキング(市場形成)の手引きと考えてほしい。本書を通じて読者が新しい視点を手に入れ、「誰が何をなぜ手に入れるのか」について、これまでと違った方法で理解できるようになることを願ってやまない(1)。
大学入学と就職の市場は、求愛と結婚にとてもよく似ている。どちらも双方向のマッチング市場で、双方が相手を探し、相手の歓心を買う必要がある。「誰が何を手に入れるか」を決定する要因が価格だけではないとき、市場では必ずマッチングが行われる。 マッチングには、金銭がまったく絡まないものも
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