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ウイルスは生きている (講談社現代新書)
www.amazon.co.jp/dp/B01D06QLP8
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今から 15 年ほど前、2000年の『ネイチャー』誌に驚くべき論文が掲載された。それは、この「合胞体性栄養膜」の形成に非常に重要な役割を果たすシンシチンというタンパク質が、ヒトのゲノムに潜むウイルスが持つ遺伝子に由来すると発表されたのだ。その後、マウスやウシといった他の哺乳動物でも、多少の違いはあるものの同様のことが相次いで報告された。胎児を母体の中で育てるという戦略は、哺乳動物の繁栄を導いた進化上の鍵となる重要な変化であったが、それに深く関与するタンパク質が、何とウイルスに由来するものだったというの
つまり我々の体の中にウイルスがいるから、我々は哺乳動物の「ヒト」として存在している。逆に言えば、ウイルスがいなければ、我々はヒトになっていない。少なくとも今とまったく同じヒト科ヒトではなかったであろう。我々は親から子へと遺伝子を受け継ぐだけでなく、感染したウイルスからも遺伝子を受け継いでいるのだ。もう一度言おう。我々はすでにウイルスと一体化しており、ウイルスがいなければ、我々はヒトではない。それでは我々ヒトとは、一体、何者か? 動物とウイルスの合いの子、キメラということなのだろう
実際は弱毒化により感染した宿主が行動する時間が長くなれば、新たな感染の機会がより増える、というウイルス側の適応進化が起こったと解釈されるべき現象だろう。
リボソームは細胞内でタンパク質を作る役割を果たしているが、これを部屋にある物にたとえるなら、超高性能な3Dプリンターのようなものである(図 10)。この3Dプリンターは現在我々が持っているものより遥かに高性能で、設計図さえあれば、実際に使用できる便利な道具を何でも作り出せる。
このエンベロープはリン脂質からなる細胞膜で出来ているので、その構造を壊してしまう石鹼に弱く、エンベロープを持つウイルスは、石鹼による予防が効果的である。インフルエンザの予防には石鹼で手を洗うことが勧められているが、これはインフルエンザウイルスがエンベロープを持ち、この構造が破壊されると感染力が著しく低下するからである。一方、胃腸炎を起こすノロウイルスには石鹼の効果がないとされるが、それはこのウイルスがエンベロープを持たないためである。
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