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太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで(上) (文春文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B01CSC73HA
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なによりも、マハンは「主力艦」の重要性を説いた。重武装した最大級の戦艦である。フリゲートや巡洋艦、駆逐艦は、索敵や船団護衛といった有益な支援任務をこなすかもしれない──しかし、巨砲をそなえた大艦を持たない国は二流の海軍国にしかなりえない。マハンはこの戦艦の艦隊が常時、一つの集中部隊として行動せねばならないと断固主張した。艦隊を分割または分散することは、古典的でたびたびくりかえされてきた海軍戦略の誤りである──歴史のページでは徹頭徹尾、統合艦隊が分割された敵艦隊の散り散りになった小部隊を何度も追いつめ、撃破してき
ここにマハンは第三の教えを加えた。攻勢の強調である。戦闘艦隊を一種の沿岸警備隊として、常時港湾の近くにいるように展開させてはならない。海軍のもっとも重要な目的は、大海原を動きまわり、必要ならば確保した海外の基地をたのみにして、敵艦隊を追いつめ、これを撃破することでなければならない、と彼は断言した。「戦争は、いったん布告されれば、攻勢的かつ攻撃的に遂行しなければならない(4)」敵はサラミスやアクティウム、レパント、ナイル河、あるいはトラファルガルの海戦のように、「決戦」で対決し、撃破しなければならない──勝利者が敵の艦艇すべてを(あるいは実質上すべてを)撃沈もしくは 拿捕 し、海戦を遂行する能力を失わせる交戦である。巨砲をそなえた大艦を、分割されていない一つの戦闘艦隊に結集し、敵を海上から一掃...
マハンの「決戦」の用兵思想は十七世紀の偉大な武人哲学者であり剣豪の宮本武蔵に相通ずるところがあった。武蔵は「有効な一撃に完全に集中された」力を称賛していた(9)。東郷平八郎提督は自ら筆を執り、みごとな筆跡で賛辞を書いている。「マハンの著作が兵学研究の世界的権威として、永久に最高の地位を占むべきは、各国海軍兵学家の皆 斉 しく承認する所にして、予は将軍の遠大な識見に対して深厚な敬意を表するものなり(
ローズヴェルトは才気縦横で、やかましく、興奮しやすい男だった。普通は大統領になれるタイプではなかった。大学からホワイトハウスまでわずか二十年で登りつめた嵐のような人生で、彼はいくつもの肩書きを経験した。歴史家、弁護士、鳥類学者、ニューヨーク州議会の野党指導者、ボクサー、牧童、ニューヨーク市警察の本部長、自然誌研究家、猟師、行政の改革者、有名作家、献身的な夫であり父親、飽くことを知らない読書家、海軍次官補、戦争の英雄、帝国建設者、激しい運動の唱道者、ニューヨーク州知事、アメリカ合衆国副大統領。彼は大柄で、肩幅が広く、胸板の厚い男で、日に焼けたざらざらの肌をしていた。赤茶色の髪は短く刈られ、こめかみの短い毛には白髪がまじりつつある。ほとんど信じられないほど筋肉質の首はまるでカラーの補強芯をいまに...
一九〇三年、彼は五千人のシカゴ市民の観衆に向かってこう大声で訴えた。「おなじみのこういう古い格言があります。『おだやかに話し、大きな棍棒を持っていけば』、うまくいくだろう。もしアメリカという国がおだやかに話し、しかも最高の訓練によって有能きわまりない海軍を築き、維持すれば、モンロー主義はうまくいくでしょう( 14)」このドクトリン、西半球におけるヨーロッパの新たな浸食を払いのけるという約束は、「アメリカ海軍の強さと命運をともにしている(
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