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進め!! 東大ブラック企業探偵団
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高度経済成長期以降の日本では、終身雇用制度のもと、社員がやりがいを持ってスキルを磨くことで新しい製品を次々と生み出し、会社は高収益を実現し、社員の賃金も上昇していくという、企業にとっても、そこで働く人々にとっても幸福な時代が続いていた。 しかし1990年代以降、2つの大きな波がそれを一変させてしまった。 ひとつは、グローバル化だ。人・モノ・情報の行き来が自由になったことで世界中のあらゆる場所から、最もいい製品を最も安く手に入れられるようになった。 もうひとつは、IT化である。高度な技術もあっという間に陳腐化してしまい、熟練を必要としていた労働の多くが誰にでもできるようになり安価になった。 その結果、日本企業のビジネスモデルは崩壊した。 たとえば、品質の高さを武器に世界と戦ってきた日...
だ。そんな中、ますます激しくなる国際的な競争に耐え忍ぶため、日本企業は人件費を削らざるをえなかった。人材の領域でもコモディティ化が進み、誰にでもできるような仕事しかできない人材は、安く買い叩かれ、さらには使い捨てられるようになった。 「だから、いつでも解雇できる非正規雇用労働者が増え続けてるってわけか」 「そうよ。そして、運よく正社員になれたとしても、こんな悲惨な現実が待っているの」(図 1‐3)
「なっ、なんだ、これは!?」 マオが新たに示したグラフを見て、カンタが驚嘆の声をあげる。社外研修費など、企業が人材育成のために行う投資の総額は著しく減少し、全盛期の 20・8%になった。つまり8割減ということだ。 「かつて栄華を極めた日本のホワイト企業たちはもはや、未来を担う人材をまともに育てる余力を失ってしまい、なすすべなく次々とブラックに染まっていっているというわけ」 「そ、そんな……オレたち、大変な時代に生まれちゃったんだなあ。いったいどうすりゃいいんだ」 「生き残る道は、あるわ。たとえば変化の激しかった電機業界の中でも、ニッチな電設資材を作っている『未来工業』という会社はすごいわ。毎年たくさん特許をとってユニークな部品を次々と発明しているお陰で高収益体質。全従業員を正規雇用している...
「結局、 外食産業の構造が、もう価格を切り詰めることでしかサービスを差別化できなくなった、つまり、コモディティ化したから、人を削って無理やり回そうとするのよね。 業界トップ企業なのに営業利益率がたったの1・5%なんてふざけてるわ。ゼンショーだけじゃなくて多かれ少なかれほかの会社にも言えることだと思うけど」
ゼンショーグループの強みは、規模を活かした原料の大量発注による低コスト構造だ。それを維持するためには大量の在庫を抱えなくてはいけない。そうして在庫が処理できるまでの日数を表す「棚卸資産回転期間」はどんどん伸び、2004年度は7・65日だったのが2014年度には 33・04日と、4倍以上になった。(図 1‐8)
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