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妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ文庫NF)
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病気こそは、人間の条件のうちの最たるものといえるだろう。なぜならば、動物でも 疾病 にはかかるけれど、 病気 におちいるのは人間だけなのだから)。 私の
ここに「病歴」という考え方が、彼によって導入されたのである。それは病気の過程を叙述あるいは描写することであり、「パソロジー」とは、古くはこれをさしていた。これも自然の研究のひとつではある。だがこれは、個人についてや彼自身の内面の歴史については何も語らない。病気にあい、それに負けまいとしてたたかう当人のことや、彼がそこで経験したことについては、何も伝えていないのである。この狭い意味での「病歴」のなかには、主体はいないのである。たとえば現代でも病歴を記すとき、「三染色体をもつ二十一歳の女性」などと書く。これで 主体 にふれたつもりでいたらそれは考えちがいで、こんな書き方ならねずみについても同じように書けるはず、人間として扱ったものとはいえない。人間を──悩み、苦しみ、たたかう人間をこそ中心に据え...
半球のほうが複雑で、特殊化されていて、霊長類の──それも最も進化した人間の──脳のなかで、一番あとになって発達した部分だからである。いっぽう右半球は、事実を認識するというきわめて重要な能力をつかさどっている。だが
いったい病気の「本質」とか「新しい病気」とはなにをいうのか? 医者は自然科学者とはちがう。自然科学者は、多くの生命体を広くとりあげ、それらがある方法によってある環境に適合してゆくさまを研究するが、このとき、方法も環境も平均で考えている。これに反して医者が問題にするのは、一個の生命体、すなわち、逆境のなかで自己のアイデンティティを守りぬこうとする個人としての人間である。 この
明らかにジミーは、ひたむきな精神集中の行為のなかに自己を見いだし、連続性とリアリティ(実体)とをとりもどしたのである。シスターたちの言ったとおりで、ここにおいて彼は魂を得たのだった。
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