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中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ)
www.amazon.co.jp/dp/B0142O1JG8
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一九八〇年代の中国の思想界にとっての至上命題は近代化及びそのための新しい啓蒙であった。
一九八〇年代を通して、中国でもっともよく読まれたフランクフルト学派の思想家は、実は二人の領袖ホルクハイマーとアドルノではなく、日本でもよく知られている精神分析家・社会哲学者エーリッヒ・フロムである。では、中国の知識人や一般読者は、フロムからいったい何を学ぼうとしたのだろうか? フロムの中国語に訳された本の内容を見ていると、当時の中国の読書人のニーズや知的好奇心を満たすものが多かったことがわかる。『自由からの逃走』や『正気の社会』や『人間における自由』などの著書は、自由の問題や健全なる社会の問題などを取り上げており、これは文化や歴史が違うとはいえ、中国でも真剣に考えられている問題であった。 時代の背景を見ると、フロムが若いころから思索の泉の一つとして選んだフロイトは、ちょうどこの時期に中国...
外国の先進的な思想文化を摂取するその意欲は感嘆すべきものであったが、対外開放が始まってそれほど日が経っていなかったので、当時の中国の学者の現代思想への理解は偏っていたところもあった。たとえば近代や啓蒙といったことを賞揚しすぎた面がなかったわけではない。資本主義の問題点よりもその成功した一面により注目したのであった。文化大革命を経験したばかりだから、自然な反動であろう。そのために、現代欧米の世界を近代化のモデルとして美化したような面はたしかにあった。そういう意味では、日本の戦後啓蒙と少し似たところがあると言えよう。丸山眞男に代表される戦後啓蒙の一つの問題点は、西欧の近代を理想化し過ぎたところにあるという指摘が昔からあるのと同じく、中国の「西洋かぶれ」たちも、自分の国を遅れている側に位置づけ、欧...
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