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イスラーム国の衝撃 (文春新書)
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カナル・ホテルが爆弾を満載したトラックの突入による自爆テロで破壊され、ここに本部を置いていた国連イラク支援団に甚大な被害が出た。これにザルカーウィーは犯行声明を出している。 結成されたばかりの国連イラク支援団は、この爆破でイラク問題への国連事務総長特別代表のセルジオ・デメロを失った。翌月にも再び爆破が行われ、国連は、人員の安全を確保できないとして、支援団を引き上げた。
ザルカーウィーは、シーア派を異端と断じ、シーア派に対するテロをジハードとして正当化した。ワッハーブ派などスンナ派の厳格な教義解釈においては極端に特異な考えではないが、イラクのようにスンナ派とシーア派が隣り合って共存してきた社会でこのような扇動を行うことは、社会の調和と安定を乱す行為だった。スンナ派とシーア派が宗派紛争を始めれば、反米闘争という目標は後回しになりかねない。アルカーイダ中枢のザワーヒリーも、ザルカーウィーによる残虐で宗派分断的な手法を批判する書簡を送っている。 しかしシーア派を異端視して宗派紛争を惹起するザルカーウィーの手法は、イラクを分裂させ、内戦を激化させ、国家再建を遅らせ、結果的に米国に打撃を与える、という点では効果的だったと言える。その代償として、イラク国家の一体性や社...
ザルカーウィーが率いる「タウヒードとジハード団」が国際的に知られるに至ったのは、繰り返し行われた斬首による人質処刑とその映像のインターネット上での公開がきっかけだった。オレンジ色の囚人服を人質に着せて、殺害予告の映像を、しばしば人質本人の発言を含む形で流布させ、関心を高めた上で、実際の殺害映像を配信するという一連の手法は、いわば「テロの文化」として定着し、広まっていっ
タウヒードとジハード団」は、二〇〇四年一〇月にザルカーウィーがビン・ラーディンに忠誠を誓うという形で、アルカーイダの傘下入りを宣言した。重要なのは、各国のローカルな武装組織が、アルカーイダの一部としてグローバル・ジハード運動の一翼を担う、分散型の組織原理の実例がここに示されたことだろう。この時期以降、世界各地の紛争で台頭した後にアルカーイダに参加するという、「フランチャイズ」型の組織拡大の様式が定着する。「
第二の転機は、二〇〇六年一月の「ムジャーヒディーン諮問評議会」の結成だろう。この時に指導者として、アブドッラー・アッラーシド・アルバグダーディーが推戴されたとされるが、その実在は疑わしい。実態としては、依然としてザルカーウィーが指導者の地位にあったとみられる。 なお、ザルカーウィーを含め、これら指導者の名前はすべて偽名や通名・戦闘名であり、一人で複数の名を使い分けたり、状況の変化によって変更していく。そのため、特定の名前の指導者の「実在」や「同一性」を証明すること自体が難しい。 ここで重要なのは、「バグダーディー」という名の指導者を擬することで、ヨルダン人のザルカーウィーではなくイラク人が指導していると示そうとしていることだろう。アルカーイダの傘下に入ってグローバル・ジハードの一翼を担っ...
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